月刊♪ピアノうた クリスマススペシャル
聖なる☆The BrillianTrio Plus 神戸編

光田健一(vocal piano)
森琢哉(violin)
慎子(cello)
井上“Cico”浩一(per cho)

2005年12月23日(祝) 神戸・シャンブルデコール




  「コンサート」&「クリスマス・ディナー」&「トークショー形式のパーティー」そして「開演午後5時、終了予定午後9時」「おみやげ付」。あらかじめ提示された案内のもと、この日に向けておぼろげながらイメージを浮かべた。なんといってもブリリアントリオだしな、クリスマスは厳かにおしゃれに決めてくるんだろう。それに、たった4時間の間に食事とパーティーまであるんだから、時間配分も演奏は大分控えめになるんだろう。帰りに乗る列車も調べて、ほかに気をとられることなく最大限に楽しめる環境を整えた。でもメインは何なのか、ちょっと見分けがついていなかった。

  入り口でコートを預けて階段を上って会場へ。通されたのは思っていたよりも狭い部屋、長椅子がずらっと並んでいる。一角には楽器がセッティングされている。ということは、ここでコンサートがあるのね。でもなんでテーブルがないの?かなり疑問に思いつつ、空いた席に陣取る。

刀@クリスマススペシャル・コンサート

  開演予定時間を15分ほど過ぎて、ミュージシャン達が登場。羽をたくさん蓄えた慎子さんの真っ赤なドレスが気を引く。そして森さんは緑色の毛糸のチョッキ(今は使わないかもしれないけど「ベスト」よりこっちのほうが合うの)に前部分だけつばのある帽子。二人合わせてクリスマスを彩っている。cicoさんはバンドマン風にベスト(これはベストだと思う)に確か赤いネクタイ。健ちゃんは多分白っぽかったような。。(うーん記憶が??)

  一曲目は「オケアノス」。ゆったりとしたインストゥルメンタルでブリトリ+の世界に引き込まれてゆく。そのままピアノによる「Last Christmas」のインスト。それをバックに健ちゃんは、ちょっと小芝居入った語りでオープニングを演出する。その光景に、今日は楽しくなりそうだな(^^* と期待感は高まり、始まったばかりで構えていた緊張もほぐれほっとする。一番だけ歌い切ったあと、続けて「空が好きだった君に」。♪赤い包みと笑うトナカイ〜オリジナルでクリスマスを歌う。変な小細工もなく、安心して聞かせてもらう。

  「君の育った街へ」「この冬が終われば」「美しい想い出に」に続いて… ブリリアントリオの作品で、今年一押しの楽曲と言えば「こんにちは さようなら」。楽譜も発売されたことだし、そのメンバーが目の前で実演してくれるというのはほんとにラッキーなこと。曲の後半はcicoさんのたて笛ソロも入って、なつかしさいっぱい。演奏が終わって健ちゃんがひとこと。「♪緑の森となって輝く〜のところで、噴き出さないよう必死にこらえてた」って。せっかくいい空気だったのに…(キーワードは3つ出てますが、解説は必要ありませんね?)

  ディナーライブにはもってこいの「サラダデイズ」ではパーカッションさん大活躍。包丁でとんとん叩く音や電子レンジの♪チンに加え、これは…おそらくNHK「今日の料理」のテーマ曲を模しているのだろうリズム。4拍めに16分音符を4つ打ち。確かめたくなったけど、、、終わってずくさま説明してくださり、大満足。「いつでも いつまでも」では、生弦の壮大さがボーカルを引き立てる。

  ここで、リーダー健ちゃんからメンバーにお歳暮の贈呈。…何かと思えばサンタクロースがかぶる赤い帽子。4人ともかぶったところでクリスマスソングを一曲。「そりすべり」という曲で、この時期BGMなどでよく耳にするものなんだけど、健ちゃんいわく、おそらくクリスマスのために作った曲ではないだろう、って。馬ぞりの曲らしい。聴けばみなさん知ってる曲だよ^^ この曲はcicoさんにとって難業を強いるようで、2つの手では演奏し切れず足に鈴(どんなものかはよく見えませんでした)を結わえ付けて終始足をゆすっておられました。遠目に見ると"貧乏ゆすり"に見えなくもない。

  今回、新曲もちゃんとやってくれるのか心配していた。準備期間も短かいだろうけど、少しでもいいから、新アルバムからの演奏を望んでいた。だから「南風」が始まった時は「やっぱり健ちゃんはやってくれるね!」て^^。聴いてると、森さんのバイオリンがアルバムそのままの演奏で(レコーディングの時の譜面使ったのかな〜?)、そこにも感激した。ライブ前に集中してCDを聴いた甲斐があったよ。

  これも絶対に聴きたかった「Naturalman」。新アルバムは意外に、どの曲も弦楽器を多用してるんだもんね。あまり元の雰囲気から崩してないし、ピアノの鋭さもちゃんと光ってる。 続いては、マラカス準備してきたわよ〜。「想い出を超えて」。ちゃんと"二の腕"のお肉も揺さぶってますよ。舞台も客席も一緒になって楽しくやってるところでふと我に返る。「…しかしなんで4人はサンタ帽 脱がないんだろう?」クリスマスは一曲だけで終わっちゃったのに、なぜ?? まだ演るんなら別だけど〜。

  と冷めた目で見てしまったのも束の間、「スクリーンの夢」の中で ♪見知らぬ国の人々の踊り〜に紛れ込む聞き覚えのあるフレーズ。もう一度聞き耳を立てると…やっぱりあの曲だ。次の瞬間には、大々的にそのイントロがクローズアップされ、もう誰にも止められない状況に演奏は進んでいった。その曲とは、「マツケンサンバII」ならぬ、「ミツケンサンタ!?」。こりゃもう手拍子足拍子してのるしか手がないよ。オーマイゴーッ(+o+)!

  ここまで騒いじゃったら、なんかすっきりするもんだね。最後の「宝物」は心にしっかとしみてきた。

  どの曲だったかよく覚えてないけど、アドリブ遊び=コールアンドレスポンスがあった。健ちゃんの歌う 変〜なフレーズを客席がオオム返しする。結構上手く行って喜んでたら、弦のお二人が自分達にもやらせて〜なんてしぐさ。二人も至極お上手で。今度はcicoさんも挑戦することに。内容は詳しくは言えないが、結構日曜の夕方の雰囲気だったような。音楽遊びってなんて楽しいんだろ^^。

  アンコールではこの季節にぴったりな音楽をたっぷり演奏。 「White Christmas」は確か健ちゃんのボーカル入り。次の「Joy to the World」で、cicoさん扮するサンタクロースさん登場、客席に入ってプレゼントを配ってくれる。それが今回のお土産なのかと一瞬思ったけど、そうではなかったみたい。サンタさんの背中には大きなビラが貼りつけてあるけど何て書いてあるのか読めない。途中で何故かサンタさんはお着替えを始め、どうも大工さんらしき姿にお召し替え。演奏は一曲目から途切れることなくずーっとつながってますよ。そのままベートーベンの「第九」に突入、大工さんは木槌で木の塊を叩いていたような。
  演奏は急にテンポが上がって「剣の舞」、そして初めて耳にする曲「チャールダッシュ」と続いて再び大工さん、じゃなかった、「第九」に。この せからしい演奏には「師走のスーパー年末想定外大掃除大慌てメドレー!」の呼び名がついていたよう(さっきのサンタさんの背中にはこれが書かれてたんだね)。

  そして、年の瀬にはこの一曲!「A Happy New Year」でしみじみと最後を締めくくるのだった。

  思っていたよりもたっぷりなコンサート。随分しっかりと楽しませて頂いたので、時計を見て、案の定…こりゃ9時になんて終わるわけないよ。しかも、今演奏していた部屋をこれから模様替えして使うっていうし。帰りの予定はきっぱり諦めの決心がつく。このほうがそわそわしないで済むし、と開き直る。
  別室にて、健ちゃんからお土産の手渡しと握手を受けた後、少しだけ健ちゃんのピアノで合唱。元の部屋に戻って立食パーティでお腹一杯になったところでゲーム大会。わいわいとアットホームな雰囲気ですっかりくつろぐ。何なに?ミュージシャンの方々もうひと仕事ですか?…再びライブが始まる〜

刀@パーティーライブ

  それがね、演奏曲が思い出せないの。4曲くらいやったと思うのに、「二人は最高!」しか記憶がないのよ。 最初のコンサートと空気も全然違うし、お客さんも自由にしてたので、騒がしく盛り上がったよ。単純に楽しかった。こういう雰囲気も好きだな。

  終わってすぐさま駅まで駆けつけたら10時過ぎ。想定外の終了時間だったけど、ま、こういうのもたまにはいいか。楽しかったしおいしかったし、健ちゃんに一方的にだけど言いたいこと少し伝えられたと思うし。 一度で何度でもおいしい。なんだか、思い出しては あとからあとからじわ〜っとくるイベントなのだった。
(06.1.5〜7 そにあ)