♪ピアノうたツアー 06初夏
「雲のまにまに」

出演:光田健一(vocal piano)

2006年6月24日(土) 大阪・knave



  6月初めに開催された“関西3days”の興奮もまだ覚めやらぬ24日。 場内目いっぱい並べられた座席にはびっしりのお客さん。
  とっても期待していたんですよね。いろんなお仕事で忙しくのりにのってる健ちゃんが、 どんな風にライブを進めていくのか。 健ちゃん自身の前触れでは、「ひとりなのに、まるでひとりではないかのような・・」と、 少しばかり思わせぶりな予告をくり広げていたから、それとなく想像はしていたんだけど、 何とそこには想像を超える現実が待っていたのでありました。

  「ほんとにひとりだよね?」開演前に舞台をひと目見ての第一印象。 中央にグランドピアノがあって右を向いて演奏する形。 ピアノの斜め後ろ、演奏者の左手にはノートパソコンが置いてあり、画面がなにやら明るい。 また、舞台の右側の空間にはテーブルとその上にラジカセらしきものが。 どっかに誰か隠れてない??そんな雰囲気のするセットでした。 そのほか、目に付くのは、グランドピアノの譜面立てにもたせかけられたB5サイズ程のぶ厚い辞書のような箱で、 一面にボタンがたくさんついたリモコン装置のようなもの。これは一体何なんだろう?すごく気になるよぅぅ。 今日はなんだかいつもと様子が違うぞ・・。

  健ちゃんが舞台左手から登場し、演奏が始まりました。 これは…コンピューターから流れているのでしょうか?CDを聴いているようなバンド演奏の音で、それに合わせて、 健ちゃんがピアノを弾き歌う、そう♪ピアノうた スタイルです。 ある程度、コンピュータのお世話になるんだろうと予測していましたが、一曲目からそうなるとは思ってもみず、 いきなりの想定外。
1.スクリーンの夢
2.心の瞳が輝くとき
  舞台にはたったひとりなのに、かなーりぶ厚い演奏がスピーカー流れてるのは、最初はどうも違和感があった。 曲の後半でアドリブソロ演奏もしていたけど、制約がいろいろとある中で自由に演奏するのは 大変そうな気もするんだけどねぇ。ま、それはこちらの考えで、当の本人は全くお構いなしに まるでひとりではなないかのような演奏を見せてくれました。

  健ちゃんからは「バンドのメンバーを連れて来れないので、演奏をコンピュータに入れてきた」 「『♪ピアノうた』は、光田健一のピアノ弾き語りのことで、ピアノうたと名付けてから気持ちが楽になった」 「今日は『雲』がいっぱい出てきます!」そんなお話がありました。

  今度は正真正銘の♪ピアノうた、ピアノと歌だけ。
3.花火
4.宝物
  『花火』は、スターダストレビューで演奏していた頃に作った曲で、夏のイベントでは毎回花火が上がる。 華やかなのに一瞬シーンとなる瞬間があって、その時のイメージを歌ったものなんだそう。 ここ最近の私のお気に入りです^^。
  『宝物』は、東京と大阪は600kmも離れているけれど、どんなに距離は離れていても音楽で通じあうことができる、 なんてことを歌った曲だそう。 イントロが少〜し なまったような…元曲とは少し違いました。 歌声のほうは今までの表現力を超えていたかも。そんなに気を張らず、ゆったり幅広かった気がします。

  さて、ここでついに、気になっていたリモコンのような装置が使われることになりました。 「実は今日はゲストを連れてきました〜」 今にも出てきそうな雰囲気に、思わずきょろきょろとしていたら、 健ちゃんはリモコンのボタンをぽん! すると「ど〜も〜」の声が。 健「今日のゲストはラグフェアの加藤くんです!」 ・・ん!?・・  健ちゃんはまたボタンをひと押し。今度は「かとうでーす」の声。 この声は確かに…ラグの加藤さんだよぉー(@_*)  しばらくボタンで仕込んできたお遊びをしたあと、さぁて本題に。
5.世間She loves you
6.想い出を超えて
7.Naturalman
  『世間She loves you』は、健ちゃんのボタン操作によって登場する加藤さんの歌声と、♪ピアノうた のコラボレーション。 コンピュータからは延々と同じリズムが刻まれる中、♪ピアノうた中の健ちゃんは、タイミングよくボタンに手を。 すると加藤さんのコーラスが。。おお〜うまく合ってる。すごい。しばし感心して聴いてると、 「あっ間違えた。」違うボタンを押してしまった健ちゃんがいたり。 その時は、「もう一回さっきのとこからね」なんて少し戻ってやり直しちゃうのでした。 …この日は2回くらいやり直しがあったかしら?見ている側ははらはらしたり爆笑したり、 そんな一曲でした。
 続く2曲はコンピュータからのバンド演奏との共演に戻ります。快調に進んで 『Naturalman』の演奏が終わったところに、うっすら聞こえてくるCDのナチュラルマンのエンディング。 ???なんでだろう?ずれちゃったの?そんな思いを抱いた次の瞬間、

  我々はラジオ放送を聞いている人になっていました。チューニングはFMヘルシーNO.1。 時報前にはローカルCMが流れたり(あのぅ。。これ、かなりマニアにしかわからないんじゃない?ってもの^^ だけど、商品名などはそのまま使わずに「光田なんとか」にちゃんとなってるんだから)凝ってます。 そんなところで、番組が始まりました。
〜雲山雲太郎 雲のストーリー 〜
  どうやら、ラジオドラマのようです。 セリフはすべてあらかじめ録音してあるのですが、その場でピアノを乗っけていくという、 曲もあれば効果音もあり、一風変わったお披露目となりました。 オープニングテーマ曲はおなじみの『overture(入道雲を飛び越えてのインストバージョン)』。 いろいろ弾いてたんだけど、少々物忘れが激しくて…すいません。 『トルコ行進曲(モーツアルト)』は印象深かったです。この曲は録音で健ちゃんがメロディを歌ってるの、 それに合わせるようにピアノでの演奏。細かくてスピードも速いのに、一糸乱れぬ共演(?)になってましたよ。 また、ストーリー中にクイズがあったり、だじゃれがあったり、大笑いしながら楽しく聞けるものでした。
  ラジオドラマに続いて、

8.光田健一 雲のメドレー
  文字通り、歌詞の中に「雲」が出てくる作品をワンフレーズずつメドレーにしての♪ピアノうたです。 すぐ思いつくものは…『入道雲を飛び越えて』でしょ、『H*E』でしょ、…ほかには何があったかなぁ?  意外にも「雲」の入った曲がたくさんあって驚いちゃうのでした。みなさんも探してみてください。

  場面切り替わって、ここは田んぼの近くでしょうか?蛙がわんさか鳴いています。 光田さんによる、かえるの川柳語り が始まって、、続く曲は、そう!
9.かえる
相変わらずの演技っぷりに、やっぱり笑っちゃう。 何度聴いてもこの曲は・・・ですね〜^^
  そして、披露されるタイミングをじっと うかがっていた
10.光をさがして
がついに!!登場。このライブが始まってすぐのMCの時から、 「新発売の曲をどこで発表するかが問題」みたいなことを話していて、ずっと気にかかっていたんです。 『雲のメドレー』『かえる』は♪ピアノうた だったけど、 『光をさがして』はコンピュータのバンドサウンドとの共演。 健ちゃんは、ここの場所に、聴いてほしい作品を持って来たんですね。

  そのコンピュータサウンドがもう次の曲のイントロを奏でています。 健ちゃんは「別に立って踊ってくれてもいいんだよ〜」と何気にお客さんを促します。 そこまで言ってくれるのなら…遠慮せず立たせていただきます^^
11.君に夢を伝えたい
12.南風〜Hae
13.STAR
  いや〜のらせていただきました。しっかと踊っちゃいました。 そして『南風』では、会場をふたつに分けてのコーラス大会でハモっちゃいました。 フレーズは、その場では歌えたんだけど、終わったらすぐにどっかに消え去り〜またもや記憶がないのでございます^^;
  しかしここの3曲目。イントロをずっと聞いていても何の曲だかわからない。不安なので踊りを一旦軽くする。 『STAR』だと確信したのは歌い出すほんの少し前でした。。
…なんて自分のことばかり書いてますが、あーごめんなさい。 のってしまうと、あんまり健ちゃんの歌に集中していないのですm(__)m

  ダンスタイムが終わってふと舞台を見ると、向かって左のほうに、いつの間にやらデコレーションケーキが出てきてて(本物だよ)、 ろうそくに火がついてる。 そうなんです。もうひとつの新曲のお披露目です。
14.ずっとHappy Birthday !!
  連れてこられなかったバンドのみなさんのサウンドが健ちゃんの♪ピアノうた に解け合って なんともいい雰囲気を作り上げています。さきほど踊り狂った熱がやわらいでいくのでありました。

♪ アンコール ♪

  お客さんの拍手で再び健ちゃん登場です。そして始まったのは…
1.Beginnings!
2.美しい想い出に
3.1998
  まるで、今ライブが始まったばかりのようなこの空気。 楽曲の生真面目さもさることながら、健ちゃんの♪ピアノうた がまた沁みる。 ライブ本編でいろんな形で楽しんじゃったから余計に、 今やっている本来の♪ピアノうたに重みを感じて素敵なものに思えるのでしょう。 そんな強烈な印象を残して、「雲のまにまに」は終了しました。

  終わって直後の感想は、「楽しかった!」と「あぁ〜このライブはやっぱり♪ピアノうた だったんだなぁ。」 それと「たったひとりであっても、こーんなことやれちゃうんだよね〜」 てな感じです。ツアー前に語ってた健ちゃんのもったいぶった言い方の意味も やっと理解できてうれしかったし。 今回のライブは、その才能がありながら今までそこまでは発揮してはいなかった、健ちゃんのいろんな面を 見事なまでにうまく構成して、人の目に触れさせられた、新しい一歩になるライブだったのではないでしょうか。 今後の可能性が驚くほど開けたと言いますか、期待せずにはおれないようなそんな印象です。

  5月、ラグフェアのコンサートに行った際、今回の「光田健一♪ピアノうたツアー」案内チラシをもらいました。 もーしかして もしかしたら…このチラシが今回のライブの大きな予告になっていた? これを偶然見つけて「行ってみようかな〜」と行動に移したラグフェアファンのみなさんは とってもラッキーでしたね!
(6.24-26 & 7.22,23,30 そにあ)