迫る初夏!カゼカヲルコンサート2007
「 『カゼカヲル』リリース記念コンサート!!〜とは侮るなかれ…
そこにはきっと、新しく瑞々しい光田健一が輝いて、
更には、数々の新曲と素晴らしい音楽家たちが華を添え、
そう、初めて触れるような、それは驚くほど豊かな音楽の風が、
きっと初夏にカヲルでしょう… 」
出演
光田健一(Vo, Piano, Key)、新井健(Gt, Cho)、
大石真理恵(Per, Marimba, Cho)、森琢哉(Violin, Viola)
2007年6月2日(土) 東京・キネマ倶楽部
このコンサートの開催案内が届いたのは3月前半。その時点で既に発表されていたスケジュールは、石井竜也さんのオーケストラコンサートツアーの編曲&出演と、KENSOライブ くらい。光田さんにしてみれば二つとも大仕事だけに大変は大変だろうけど、このくらいならなんとかやれると思ったのだろうし、新しいことに挑戦しようという案内文に何ら疑問を抱くことなく すんなり受け入れた。
その後さらにカレンダーが埋まっていく。シングル発表記念の無料ライブ数本に、挙句の果てには、以前メンバーだったスターダストレビューのデビュー25周年記念イベントにシークレットゲストとして出演した(事後報告)、など。
こちらとしては目先の濃密なスケジュールに気持ちを奪われ、光田健一カゼカヲルコンサートへの心構えが希薄になっていたことは隠せない事実であった。
こんな状態では ご本人がパンクしそうに忙しいのは察しがつく。だから格別新しいことは期待しなかったし、普通にみんなの前に顔見せてくれればそれで十分!と思って会場にかけつけたのだった。
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開場と同時に、予想通り!グッヅ購入のすごい列。本日は新DVD2本が同時発売ですからね。開演ぎりぎりまで売り場は大盛況。
ステージを見渡すと、中央に正面向いたキーボード、その後ろにグランドピアノの右胴体がくっつく。舞台左手からそのまま二階へ通じている階段途中にも、キーボードがセットされている。
バイオリンさんの譜面スタンドは左側、右側には前方にギターさん、後方には、たくさんのパーカッションとともに本格的なマリンバも。初めてお目にかかるミュージシャンとのライブ、いったいどんな風になるのか、全く想像がつかない。
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♪〜迫るぅーショッカー♪〜〜
突然会場に仮面ライダーの歌が流れたかと思うと、男性の声で開演に先駆けて案内と注意のアナウンス。これは…cicoさんですね^^。
その言葉の端々、「い」で終わる語尾を中心に、ショッカー言葉「イ〜!」にイントネーションを変えている。相変わらずの芸の細かさ!!その中に一度だけ、仮面ライダー言葉で「トゥォー」なんてのも出てきてた^^。途中お客さんに呼びかけて、みんなに「イ〜!」って言わせようとするんだけど、あれれ?声が小さい。東京のお客さんってシャイなんでしょうか??もう一回やったけどほとんど声が出てないよぅ。
こんなにおちゃらけたアナウンスは久しぶり^^ 健ちゃんったら、出演はしないcicoさんにわざわざ頼んだんだね。いつも協力的なcicoさんに感謝感謝!!そんな気持ちで開演を待ちました。ちなみになぜ仮面ライダーかというと、歌の出だし≒コンサートのタイトル。おわかりですね。
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しばらくすると会場が暗くなりメンバーが位置に付きます。おや?ひとり多いぞ。左奥の、四角い箱型の…昔の足踏みオルガンのようなものが置いてある前におひとり。楽器?それとも…何なんでしょう??どうも cicoさんではないようです。
まず演奏されたのは、インストの A Dancer Unknown〜見知らぬ国で 。健ちゃんはグランドピアノ。初っ端から難曲で、メンバー各人の技をお披露目するかのよう。
続いて早くも Naturalman 。健ちゃんはキーボード。始まったばかりなので、まだ立ち上がって聴くことは出来ないなぁ。個人的には、この曲は後半でたっぷり踊りたいのですがね。もしかしたら歌詞をじっくりと聞かせたいのかな。その気持ちもわかります、はい。
中央にいる健ちゃんは、「カゼカヲル ポスター」から飛び出したさわやかグリーンのシャツに白いズポン、そして足元に見える靴は白っぽい厚底です^^。ほかのみなさんも、同じさわやかグリーンで衣装を揃えてらっしゃいます。男性はポロシャツ、唯一の女性大石さんの上着は少し濃い目の緑色。
今回は早い目にメンバー紹介。待ってました!
パーカッションの大石さん。実は知り合ったのは健ちゃんが17歳の時、大石さんが芸大生で歌手デビュー(!)することになって、そのデモテープ録音でキーボードを弾いたそうな。彼女はみんなの憧れでマドンナだったという話ですよ。
話してる最中に出た大石さんの笑い声に健ちゃんはごだわっていたな。もしかしたらお気に入りなのかも?
新井さんは元々佐橋佳幸さんのアシスタントで、今はスキマスイッチのバンドでツアーにまわってるそう。「ツアーのスキマを縫って」今回出演してくれたんだとか。健ちゃんの説明に対して、「それ(スキマ)が言いたかっただけ。」と新井さん突っ込む(笑) 「ラーメン」てあだ名がついてるんだって。もちろんラーメン好きで(と言ったと思うが自信なし)。健ちゃんたら「この先新井くんが売れた時に、『なんでラーメンなんだろう?』って笑われそう…」みたいな変な冗談も言ってました。ひょっとして、このあだ名の命名は…健ちゃんだったりするのかな^^
新井さんは随分若いらしく、健ちゃんが時々すっごい昔の流行歌や人について話しても「古すぎてわからない」的な反応をちょこちょこしていた。いいキャラです。
森さん。相変わらず髪の話かい?「普段は伸ばすのがめんどくさいので剃っているけど、今日は剃るのもめんどくさい」って。ぉぃぉぃ。。どのくらい伸びているのか見たいけどまるで隠すようにベレー系の前つば帽子(ハンチング帽)を被ってる。残念。
「こう見えてムードメーカー」だそう。かなりおもしろいみたい^^
わざとなのか天然なのかわからない、というようなことも言ってた気が(単に気のせい?)。
森さんは本日はうん千万円(?)のバイオリンと、ひとまわり大きくて低音も出るビオラを演奏。ビオラの音もとてもいい音色でしたよ。
そしてもう おひとかた、海津賢さん。足踏みオルガンではなくて(^^;)、マニピュレーターだそう。効果音やコンピュータの音担当。タイミングを見計らって的確に音を出してくれる。これはかなり念入りな打ち合わせが要りそうだね。重要人物だ。
今回ケンさんがたくさんいるけど、海津さんは「かしこい」ケンさん。新井さんはケンではなくて「たけし」さんだそう。
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このあとの演奏は、 みち草 、 東京という街で 、 きっと夢を見ていた など、どちらかというと 懐かしい作品が多いなぁ、という印象。
実はどの曲もイントロが元の曲とは全く違っていて、考えても予想がつかない程なのだ。歌い出しを聴いてみないと答えはわからずなのでした。昔のライブでは曲当てクイズを密かに楽しんだりもしたけど、今回は難問だらけ(+_+)
そのほか、 OCEANUS〜オケアノス・海の守り神 、これは印象に残ってますよ。楽器メンバーが順繰りにメロディを担当して見ごたえあるぅ^^。歌が入ってないとみなさんの演奏に集中できるから、これもまたよしなのです。
しかし、考えたらすごいよ。大石さんはマリンバ中心に演奏してるし、森さんは原曲どおりの演奏もある一方、音にははっきり聞こえないがピチカートっぽく弦をつま弾いてることも多い。新井さんも意外と目立たずだけどしっかり演奏されてる。
これは全くの新アレンジなのかも…健ちゃんが譜面書いたんだよね?ただでさえ忙しかった上に今回のための時間もかなりかけたのだろう。そう思うと、初めはさほど気にならなかったお顔の様子が気になり出す。これで十分寝てるってことはありえない、なんて勝手に思ってまじまじ見ちゃった。「今回しっかり リハーサルをやったよね。」なんて始まってすぐメンバーに確認するように話していたけれど、もしかしたら回数のことじゃなく一度にかける質のことだったのかも。
その上、新曲もちゃんと作って来たって(@e@)かなり驚く。忙しいのにそんなのいいのに…私の気持ちをよそに、健ちゃんからは曲の説明が始まるのでした。
失恋を歌ったんだそう。詞の雰囲気は…なかなか難解。哲学だな〜。これは何度もじっくり聴きたい。そんな印象。
バンドさんが裏に引っ込む。すると「もう一曲新しい曲ができた」って。新曲が2曲も(極驚)!?
無理しなくても…さっきの曲で もう十分だと思ってるのに。。。でも欲張りだから楽しんじゃうよ(ころっと変わる^^;;)。このピアノ弾き語り、大まかな印象では、最新曲『カゼカヲル』のパート2って言ってもいいような、もしくは類似品にご注意(?)、そんな雰囲気も(内容は既に記憶になし)。メロディは全く違うんだけどね。でもよくあるんだな、第一印象と実際は全く違うってことが。だから当てになんない。
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このコンサートでは、お話も充実していて、2007年の前半を振り返りつつ、こんなことも話してくれました。
刀@MCから
去年12月から今年1月にかけて自分のライブをやった。メンバーからの影響もあるしお客さんの反応などでも、一回ごとに演奏は違う。そんな中で「カゼカヲル」と言う曲をやってみて、曲が育てられていくということを実感した。
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2月はラグフェアのレコーディングがあった。
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3月は石井竜也さんのオーケストラの譜面をまる1ヶ月かけて書いた。大変だったけど、勉強になった。
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つい2週間前には、スタレビのアリーナでのイベントに出させてもらった。さいたまのアリーナへは何度か見に行ったことはあったけど、自分が出演したのは初めて。そこで「Stars」という、スタレビ時代に自分が作曲してメンバーで詩を書いた曲を歌わせてもらった。
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また、小田和正さんのシングルのレコーディングで、コーラスを担当した。(大石さんもよく小田さんのレコーディングをしてるそうで、同意を求めつつ)現場に行くと、レコーディングをする前から、既に小田さんの声でちゃんと出来上がったものがある。それ以上コーラスを入れる必要はないと思うんだけど、「他人の声が入るのがいいから…」と録音していく。例えばラグフェアのレコーディングでは歌う人が6人もいるから、残念ながら自分は歌には入れない。でも小田さんだけは唯一、歌で自分を呼んでくれる。有り難いことだ。
小田さんとは、スタレビの共演がきっかけでお知り合いになった。何年か前に、大きな事故をしてニュースにもなったけど、そのすぐあとに自分たちとのコンサートを控えていた。スタッフたちは、出演は無理だろうと口をそろえて言っていたが、歌は歌えるから 小田さんもやろうと言ってくれた。
そのステージのことを歌ったのが「The Sepermber Song」という曲。ちょうど今日DVDが発売になって、(「Sepermber Song コンサート」のDVDを取り出して)この中で歌ってます(としっかり宣伝^^)。
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音楽というのは、意外と、自分の中から出てくるのではなくて、誰かと出会ったり話をしたりして、それに影響を受けて生まれて来るもの。
などなど。
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そんな話のあと The September Song 。発売日のお披露目に、しっかり乗せられちゃった(笑)。健ちゃんの話は聞きごたえがあるわ^^。
続けて間髪入れずに Stars 。…重くて深かった。こないだのスタレビコンサートで歌えたからこそ、今回きっと歌えることになったんだよね。とうとう解禁なんだね。そんな大事な日に目の前で聴けたよぅ。。
…なんて感慨にふけってる客席に向けて、もう次の曲で挑む健ちゃん。スタンディングを促され、ここで最新シングル カゼカヲル! 宣伝がうますぎるよ。曲が浮き立つじゃないですか!確かにCDでは妙にリズミックだから、立ち上がって手拍子もOKだけど…とやかく考えず吹っ切って楽しみましょう!
以降そのまま、ずっと立っていられる曲が続くのでした。
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南風〜Hae コーラスのゲストに「風かをる」さんという方が出て来て、客席を2パートに分けた音のひとつを担当する。まず笑ったのは、かをるさんの いでたちで、首から上はキューピーちゃん(頭からすっぽり面を被ってる)そしてパジャマ姿って。。。この会場のこと「東京ねまき倶楽部」て名前だと勘違いしてるし。でも舞台での動きがすごく可愛かったので許しちゃう。
Cry'n smile 今回はヘビーロックじゃないよ。アコースティクな Cry'n smile。健ちゃんは最初立って歌ってた気がするぞ。途中間奏にさしかかり、全速力で階段途中のキーボードへ。そこで弾きまくる^^
世間She Loves You 特別ゲストに「ショッカー」が現れて、のりのりダンスでコーラス^^。とってもいい人っぽい踊りに好感度アップだよん。でも間では健ちゃんと格闘の場面も。結構本気(>_<)。
ラストの ♪ぱぱぱ ぱやぱぱ〜 のアンサンブルは4人の声だから! 新井さん→大石さん→ショッカーさん それに ♪世間She Loves You〜〜 と乗っかる健ちゃん。
僕はピアノが好きなんだ 一番は普通に歌ってたけど、 チャールダッシュ が挿入されて森さんと大石さんが掛け合いに。二番は、ギターを三線に持ち替えた新井さんの伴奏で、健ちゃんが沖縄民謡風に歌う。なんで沖縄なのかは疑問が残るんだけどね。
突如効果音(蜂が飛ぶ羽の音)が聞こえて、健ちゃんは見えない蜂を目で追っかける。そんな中演奏は 熊ん蜂の飛行 に切り替わって大石さんのマリンバがスピード全開!!
一段落すると、熊ん蜂の飛ぶ音を真似て健ちゃんが唇を鳴らす。新井さん→大石さん→森さんと順番に唇を鳴らす。一回りしたら今度は全員がおもむろに水を飲む。なんだろ??健ちゃんはなんと うがいを始めてしまう。これもまた熊ん蜂の飛ぶ音なのだ^^またまた新井さん→大石さん→森さんとまわり、再び健ちゃん→新井さん→大石さん→森さん。二回もまわったよ!!これはやる側はきついなぁ…。自分もうがいを連続でやってみたことあるけど、一回口に入れたら大変息がしにくい。長時間そうやって口に含んだままもう一回ってのはかなり大変なんだから。メンバーを観察していて二度飲みしている人はいなかったし、こりゃーすごい!!アイデアに大笑いしつつも、舞台人根性に感心しまくりの私。
で、ようやく元の曲(僕はビアノが好きなんだ)に戻って健ちゃんのピアノで間奏。いつものフレーズは奇妙な和音で装飾され、不安を煽る煽る。もちろん素敵なソロでございました。そしてこのあと沖縄のナゾがついに明かされる…!
さーて、なぜ沖縄なのでしょう?これはみなさんも考えて下さい。ヒントは歌詞にありますよ。
以上。
こんな終わり方だったんで、興奮状態のままお客さんだけ置き去りに…。すぐさまアンコールの催促。もちろんオールスタンディングのまま。
♪ アンコール ♪
再びみなさん定位置に。メンバー紹介をしながら健ちゃんは最後にゲストを呼び込む。cicoさんがご本人で登場。衣装はやはり緑系の服^^ もうおわかりでしょうが、先の 風かをるさん も、ショッカー もすべてcicoさんのしわざ。お疲れ様でしたm(_)m 大石さんの横で一部パーカッションを借りて 君の育った街へ に参加。
メンバーさん退場で健ちゃんひとりに。いろいろ話してくれて「今日は新しい光田健一の誕生コンサートって言っていいかもしれない」なんて言葉も飛び出す。「誕生」にかけて ずっとHappy Birthday!! 。
健ちゃんが言う「新しい自分」、なんとなくだけどわかるなぁ。新メンバーに新アレンジ、そして新たな気持ちで歌う「Stars」も。
再びのアンコールを求める拍手が続く中、そのままコンサートは終了しました。
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とっても特別なコンサートだった。忙しさを思いやって何の期待もしていなかったことが、驚きを大きくさせたのかもしれない。コンサートから帰って、自分のHPに「新曲たくさん聴けるかな〜」なんて平気で載せてたのを見てびっくり(はずかしぃ)。さらに改めて見てみると、公式なライブ予告案内(このページの冒頭、タイトル下の文章)には、まさしくこの日のライブを象徴する内容が3月の時点で既に宣言されていたのだ!そのことにおそろしく感心してしまった。
今回は、光田氏が心の内を赤裸々に言葉に乗せ、音楽とお話の二重攻撃でお客さんを取り囲む作戦だったようだ。もちろん、時間をかけて音楽を組み立てていったことは十分承知。しかしその音楽以上に、ひとつひとつの話も興味深かったし、その言葉には気持ちがしっかりこもってるのがわかったから、余計に深く届いた。
こんな風に、時間のない中がんばってる姿が見て取れるコンサートって、なんか昔にもあったような気がする。ちょうど「あの頃」こんな感じだったよなぁ。…スタレビの合間に、ほんの少しの回数開かれていたライブ、あの時の空気がふとよみがえった。
(6.4,10,16,17 そにあ)