獣医師として
獣医師というとどんなイメージを思い浮かべますか?「犬や猫を診てくれる動物のお医者さん?」多くの方は
そう思われるのではないかと思います。でも、獣医...、特に日本の獣医師はそんな「動物のお医者さん」になっ
ている人は少ないんです。日本の獣医師はいろんなことをしなければなりません。飲食店の衛生指導や屠畜場で
食肉の検査をするのも獣医だと知っている人は少ないのではないかと思います。私は今までに、獣医師として保
健所勤務を経験しました。その時の仕事の一つに狂犬病予防業務というものがありました。
保健所の獣医師は公衆衛生獣医師として狂犬病予防業務に携わらなければなりません。この業務は表向きには
「狂犬病予防のため」に野犬の捕獲、やむを得ず飼うことができなくなった犬の引き取りと引き取り希望者への
譲渡を行うことになっています。しかし、実体はに飼わ
れてしまった犬猫たちが「不用犬猫」として何のためらいもなく連れて来られ、殺されることです。手放した飼
い主達は自分たちが飼っていた犬猫が殺される瞬間を目の当たりにすることはありません。それを逃げ場にして
避妊手術もせずに何度も子犬子猫たちと保健所に連れてくる無責任な飼い主があとを絶たないのです。
私は動物を飼うのにも、人間の道徳と同じように倫理観が必要だと思います。無責任に飼われて無用に殺され
ていく動物たちが少しでも減るといい、そう思ってここでは私なりの動物飼育の資格について説いていきたいと
思います。