私が関わることになった動物実験について
1.私が関わることになった動物実験について
2003年、ある動物実験に関わることになりました。それはどういうものかと言うと、貝毒の検査です。「貝
毒の検査って何?」と思われる方は大勢いらっしゃると思います。私自身、貝毒の検査法(昭和55年7月1日
付け環乳第30号厚生省環境衛生局乳肉衛生課長通知「貝毒の検査法等について」による公定法)があることは
知っていましたが、動物(マウス)を使って行うものだとはそれまで知りませんでした。「マウスユニット(MU)」
という単位があります。この単位が使われているデータには全てマウスが使われています。毒性を測りたい物質
をマウスに飲ませたり注射したりして、どの濃度で死んだかにより(匹数も関係します)その物質の毒性を見る
のです。最終的には20gのマウスを一定時間以内(時間は検査によって違う)に死に至らしめる物質の量で示さ
れます。例えば、4.0MU/gと言うのは、マウスを一定時間内に4匹殺すだけの毒性がそのものの1g中にあること
になります。
さて、私が調べることになった貝毒ですが、下痢性貝毒(下痢、腹痛、嘔吐などの消化器系の症状を引き起こ
す)と麻痺性貝毒(しびれ、運動失調、頭痛、言語障害、重症例では死亡)があります。どちらの検査にもマウ
スが使われます。貝を潰して有機溶媒で処理をして得られた抽出液をマウスの腹腔内に投与(注射)して一定時
間内にどの濃度で何匹死んだかで毒の量を決定します。貝毒の作用はマウスと人間に対して同様であるために、
人間を守るためにマウスにまず射ってみて安全性を確かめるのです。
私はショックでした。食品添加物の安全性試験に動物実験が行われることは知っていましたが、添加物でもま
してや薬でもない、日常私たちが口にする食品でさえ動物実験が行われるのです。食べ物の毒見を国全体で公然
と行うようになっているわけです。
もちろん、実際にマウスを捕まえてそのお腹に注射する私は可哀想で堪りません。でも、「嫌だ!」と言って
逃げるのは職業人としては単なる「わがまま」でしょう。私が逃げてもその代わりに誰かがやるわけですから、
逃げれば私はマウスではなく「私自身」を守っただけになります。個人的には「そこまでして貝を食べる必要が
あるのか?」と思います。動物実験に反対の人は主義主張を貫くために、これからは二枚貝を食べることも避け
た方が良さそうです。それ以前に見直した方がいいこと・・・せめて人間が生きていく上で最小限必要な食べ物
くらいは動物実験無しで過ごせないものでしょうか?こういうところから動物実験倫理の「3R(削減:Reduc-
tion、代替:Replacement、苦痛の軽減のための改善:Refinement)」の一つである「削減」を目指せないもの
でしょうか?
幸い貝毒に関してはELISA法などを用いた代替法が研究されてきており、自主検査では実際に取り入れられて
いますので、いずれ公定法として実用化もされるでしょうが、まだまだそこまでの道のりは長そうです。私も関
わった以上、その代替法の研究推進に加わり尽力していきたいと思います。
実験動物の愛護運動はこういったところからではないでしょうか?
2.動物実験に法的な規制は必要か?
何度かめまいがするような経験をしました。動物における麻酔法を知らぬままに動物実験を行う実験者。まだ
十分な外科麻酔深度に達せぬのに皮膚切開を始められるラット、途中で麻酔が浅くなったモルモット…。なぜ、
このようなことが起こるのでしょうか?それは実験を行う者が、十分な動物への麻酔法の知識を持たず、またそ
の実践的トレーニングも受けずに実験を行うからです。そのような実験者らは経験を重ねるうちに自分たちにと
って取り扱い頻度の高い動物の麻酔法については分かってきますが、次に後輩に教えられる段階で実験の一般手
技については引き継がれるものの、麻酔法についてはお座なりになっています。実際はまず何よりも麻酔法が確
立されていないと実験データにバラツキが出たり、データ自体が取れないなどの弊害が起き、実験に使用される
動物が増えるばかりでなく、実験自体が非効率的なものになってしまうのですが、国内ではまだそのような認識
が研究者の間にありません。麻酔法、それに鎮痛法がいかに大切なものであるかは海外の科学雑誌に投稿した論
文に対して、その審査者側から麻酔法や鎮痛法についての記載が不十分であることを指摘されて初めて痛感し、
驚き、そして後悔する時に知ることとなります。そのような事態は動物にとっても実験者にとっても不幸です。
英国やアメリカなど先進諸国では、実際に実験を行う者にはトレーニングや講習を受けることが法的に定めら
れており、それらを経ない者は動物実験をさせてもらえません。海外への留学を決めた日本の研究者が留学先で
行うつもりでいた実験について、先方から動物実験を行う視覚についてその経験から受けたトレーニング、講習
について事細かに聞かれて驚き、慌てふためくことはざらにあります。そうやって初めて日本国内の動物実験の
甘さを認識するのですが、そのような国が果たして先進国と言えるのでしょうか?
生命倫理的見地からだけでなく、科学の分野で日本も先進国と見なされたいのであれば、動物実験にも法的な
規制をかけるべきです。実験者への講習(初回だけでなく、継続時にも)およびトレーニング受講の義務は必須
事項です。また海外では動物実験施設には必ず実験動物医学を専門に勉強した認定獣医師の配属が義務づけられ
ています。残念ながら国内ではその専門獣医師なるものの認知度が極めて低く、少人数であることもさることな
がら、その水準も極めて低い。動物の苦痛を軽減することに興味を持った獣医師は是非ともこれから実験動物医
学を勉強して彼らの苦痛を減らし、研究者に助言を与えられる獣医師になろうではありませんか。何を隠そう、
今私が集中して勉強している分野です。いつの日か動物実験が苦痛を伴わないものだけになり、あるいは全ての
動物実験が生体を用いない実験に置き換わり、幸せな一生を送っている動物たちを診られる獣医職へ転職するこ
とを夢見ながら。
3.代替法には3つのRが全て含まれるのか?
2004年5月、イギリスで新しく動物実験代替法研究機関ができることについての記事が掲載されました (New-
Scientist.com “UK boosts quest for animal experiment alternatives”, BBC NEWS “New centre to
reduce animal tests”)。それによりますと、動物の権利を主張する活動団体は「3RのうちReplacement(置
換)だけが真の代替法であり、Reduction(削減)とRefinement(苦痛の除去)は代替法ではない。」と主張し
て、その研究機関の設置に反対しているとのことでした。
私が初めて「代替法」という言葉を知った時、生体を用いた動物実験の完全な置き換えだと思いました。しか
し、この辺りの認識は人によって、と言いますか、研究者と動物愛護提唱者との間でズレがあることに気が付き
ました。日本動物実験代替法学会の研究内容には3つのR全てが含まれます。しかし、3つのRのうちReduction
とRefinementは「動物実験ありき」を前提としています。動物実験がなくなることを夢見る者にとって、3Rの
重要性は大きい方からReplacement>Reduction≧Refinementではないでしょうか。イギリスの活動団体が主張
したように理想はReplacementだけなのです。
しかし、現実はどうでしょうか?もちろん理想はReplacementだけなのですが、全ての動物実験を今すぐ廃止
することはできません。その中でReductionとRefinementを軽視することもできません。確かにこの2つのRは
「動物実験ありき」が前提です。だからと言ってこの2つのRを否定してしまえば、重複実験と無計画な実験に
よる使用動物数の増大に歯止めがかからず、また現実に苦痛に喘いでいる被験動物の福祉を放っておくことにな
ります。やはり今の段階ではReductionとRefinementを認めることもやむを得ないのではないでしょうか?もち
ろん、その2つのRが動物実験を行う側の弁護策に使われ、Replacementの研究が進まないようなことがあっては
なりません。そういったことも監視しつつ、将来的には3つのRが完全に1つのR、Replacementに集約されるこ
とを目指していくことが動物を救いたい者の建設的な考え方ではないかと思うのです。
動物愛護の先進国、イギリスで起こったこの騒動、じっと見守りたいと思います。
4.なぜ保健所からの払い下げ動物の実験使用がいけないのか
獣医学生からメールをもらいました。
「保健所から大学や研究機関への動物の払い下げがどうして禁止されているのかどうしても理解できない。確か
に保健所の動物は、実験されるためにいるのではないと福祉的なことを言われてはそれまでだが、払い下げがで
きない分、実験動物として生まれてくる命が増えることは事実だと思う。無駄な死が増えたように思うが、それ
でも払い下げはよくないと思われるか?ちなみに、わが地域では、生態はもちろん死体まで払い下げ禁止となっ
ている。医学部でさえ、死体の受け渡しはされているのに。」
どうして保健所からの動物の払い下げがよくないのかについては、その通り、動物の福祉を考えると人道上極
めてよろしくないからです。それまで人に飼育され、信頼してきた動物を、全く異なる環境に置き、実験に用い
ます。その変化に対するストレスは相当のものです。元々、実験動物として生まれてきた動物はいいのかと問わ
れるでしょうが、実験施設で生まれ育った個体は少なくとも実験施設という環境に慣れている点でましだという
ことです。さまざまな人に扱われることにも比較的慣れています。ところが、もともとある家庭で飼育され、そ
の家族とだけ接してきた犬は環境の変化にも人間の変化にも慣れていません。適応できず、実験動物として生ま
れてきた個体よりも甚大なストレスを被ることが考えられます。私は自分の学生時代、保健所から払い下げられ
た動物を使用していました。どの顔も悲痛そのものでした。人間間にしろ、動物と人間の間にしろ、「信頼を裏
切る」ということがこの世で最悪の罪悪の一つではないかと思います。
もう一つ、払い下げができない分、実験動物として生まれてくる命が増えるということですが、これは間違い
です。研究の予算は決まっています。その予算内で動物を購入し、研究も行われなければなりません。保健所か
らの払い下げ動物は実験用に業者が生産した動物に比べて格安です。安ければそれだけ実験に多く使える。他方、
業者がきちんと管理して繁殖・使用した実験用動物はコストがかかっているだけにとても高価です。例えば輸入
ネコに至っては、10万円以上します。二束三文の保健所の払い下げ猫と比べれば約100倍の価格差となるでしょ
う。きちんとそういった業者から動物を買えば、動物の使用数は限られた頭数となります。そして、何よりも個
体を揃えた動物でないと実験データの信頼性は乏しい。払い下げ動物など種々雑多です。データの信頼性も実験
用に管理飼育された動物ほど当てになりません。当てにならない実験が行われれば、それだけ実験数も増えます。
払い下げ動物を実験に使用するなど、きちんとした研究者がもはややることではないのです。
それから、死体まで払い下げが禁止されていることですが、これは動物愛護団体の目を気にしているためです。
これは獣医系大学の学生が「倫理的死体の利用」を求めているのに、その実施の弊害となっています。移送時の
感染症予防対策は必要ですが、もし死体の払い下げまで反対している団体がいるならば、とても残念です。
何よりも保健所に持ち込まれる動物を減らすこと、実験動物の福祉を考えることは獣医師の責務
です。このメールの送り主が良識ある獣医師として成長してくれることを止みませんでした。
5.日本代替法評価研究センター発足
2005年の終わり、国立医薬品食品衛生研究所内に日本代替法評価研究センター(Japanese Center for the
Validation of Alternative Methods: JaCVAM)が設立されました。ヨーロッパにおけるECVAMおよびアメリカ
におけるICCVAMに相当する機関であり、現在の動物を用いた実験に代わる方法がこれまでと同じ信頼性で用いら
れ得るかどうかを審査する機関です。動物実験代替法の研究について質が高いと評価されていながら、自ら評価
する機関を持たなかった日本にとって、これは大きな前進であり、喜ぶべきことであると思います。動物実験代
替法というと、動物愛護に関心を持つ人だけが歓迎すべきことと思われていますが、実はそうではありません。
実験動物はコストのかかる材料です。そんなコストのかかる生体を用いた実験よりも、時間もメンテナンスも手
間暇かからない安価な方法があるならば、経済的に見ても企業、研究機関、そして消費者が歓迎すべきことなの
です。
が、このJaCVAMにもまだ問題があります。それは国の機関の一部、つまり国家権力の支配下にあるということ
です。ヨーロッパのECVAMは完全に中立な、つまり企業からも消費者団体からも、そして国からも影響を受けな
い機関となっています。一方、アメリカのICCVAMは米国環境健康科学研究所(National Institute of
Environmental Health Sciences: NIEHS)という国の機関の一部です。日本は前者ではなく、後者と同じよ
うに国の機関の一部であり、今後JaCVAMも政治的圧力の影響を受けることになるのです。BSEなどで「食の安心
・安全」が問題になった2003年に規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基
づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行う機関として食品安全委員会が内閣府に設立されましたが、この機関
と同じように中立な機関としてJaCVAMが位置づけられるようになるといいと思います。「それだったら、最初か
ら中立な機関にすればいいじゃないか。どうしてそうしないのか?」と怒る方もいらっしゃるでしょうが、それ
は財源確保の面から仕方がなかったことだろうと思います。日本人は動物実験代替法への関心も薄く、日本動物
実験代替法学会の会員も200人程度(2005年現在)しかいないほどです。今後、日本国内でも動物実験代替法へ
関心と期待を寄せる人が増え、予算も増えてくればJaCVAMの完全中立化も夢ではないでしょう。動物実験に心を
傷めるあなた。動物実験を行っている企業などの研究機関にクレームをつける方法ではなく、代替法の動きにつ
いて情報を収集し、新しい方法が出たら関連実験を行っている企業・機関に紹介したり、日本動物実験代替法学
会の賛助会員になることを申し出るなど、動物実験代替法確立を更に進める助けとなってもらえませんか?ある
いはこれからの将来を考えているあなた。動物実験代替法の研究に携わって
みませんか?力のない一学会員としては切実にそう思うのです。
参考:2007年第6回国際動物実験代替法会議のスポンサー企業です。この中には「動物実験を行っている」とし
て動物愛護活動家からターゲットにされている企業もあります。「動物実験を行っていると聞いたから、このメ
ーカーの商品は買わないことにしている」という消費者の方もいらっしゃるでしょうが、その不買運動の対象と
なっている企業もあります。しかし、そんな企業の中にも動物実験代替法の研究に予算を割き、質の高い研究で
もって生体を用いない実験方法の開発に大きく貢献している企業があることも事実です。そんな企業について、
不買運動ばかり続けば、代替法開発への予算も減ってしまう、あるいは代替法研究について優秀な企業が倒産し
てしまうこともあるかも知れません。消費者として選択する際に考慮に入れる一知識として参考にしていただけ
れば幸いです。
【スポンサー】
プラチナスポンサー
ロレアル
日本製薬団体連合会
Colgate-Palmolive Co.
Kimberly-Clark
ファイザー製薬
P&G
マンダム
ゴールドスポンサー
ユニリーバー
Humane Society of the United States
Alternatives Research Development Foundation
チャールズリバー社
日本化粧品工業連合会
ジョンソン&ジョンソン
エクソンモービル
シルバースポンサー
ARI
グラクソスミスクライン社
The European Cosmetic Toiletry and Perfumery Association
カネボウ
アストラゼネカ
資生堂
大野先生
花王
ブロンズスポンサー
財団法人食品薬品安全センター秦野研究所
財団法人残留農薬研究所
日本メナード
コーセー
Mary Kay
ノエビア
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
富士バイオメディクス
慢性疾患リハビリテイション研究振興財団
BioReliance
住友化学
(敬称等略)
6.安楽死方法を知らない獣医の大学教官
抱水クロラールという鎮静・催眠剤があります。獣医学領域でも用いられていましたが、安全域が狭いため、
今ではほとんど用いられていません。私が学生であった1990年代前半に薬理学の講義で聞き、そして、国家試験
の勉強以来の懐かしい名前です。私自身は動物に対して鎮静・催眠の目的で使用したことはありません。7つ年
長の実験動物系の獣医師にも後で尋ねてみましたが、その人も学生実習でカエルに使用したことはあったが、そ
れ以来使ったことはないとのことです。
先日、この薬剤を安楽死薬として、ある国内の獣医系大学の研究室で使用したと聞きました。この薬剤により
動物を眠らせ、その間に塩化カリウム溶液を投与して心臓を停止させたのだそうです。その様子は、とても”安
楽死”と呼べるものではなく、動物は苦悶死ながら息絶えたということでした。当該教官に依れば、抱水クロラ
ールを選択した理由は、「安価だから。」ということでした。
実験動物の安楽死方法については、「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」(昭和55年3月27日 総
理府告示第6号 平成14年5月28日一部改正)の第5条第2項第2号により「実験等を終了し、又は中断し
た実験動物を処分するときは、速やかに致死量以上の麻酔薬の投与、又は頸椎脱臼等によって、実験動物にでき
る限り苦痛を与えないようにすること。」と定められ、さらにこの指針の解説の中で安楽死の具体的方法につい
て解説されていますが、その中では抱水クロラールについては実験動物の具体的安楽死薬として挙げられておら
ず、また、「動物の処分方法に関する指針の解説」(内閣総理大臣官房管理室監修、動物処分方法関係専門委員
会編、(社)日本獣医師会発行、平成8年2月)の中の実験動物にも適用される愛玩動物(一般)の処分方法の
中では「使用すべきではない」とされています。参考までにアメリカ獣医師会の安楽死に関するパネルレポート
(2000年)では、その680ページ目に「抱水クロラールは大脳の機能抑制が緩慢であり、それゆえ個体によっては
保定に問題が生じることがある。呼吸中枢の抑制による低酸素血症により死亡に至り、喘鳴、筋痙攣および発声
が先行する。推奨:抱水クロラールは大動物に対する静脈内投与による安楽死にのみ条件付きで適用可能であり、
上記の望ましくない副作用を減弱させるため、鎮静処置後にのみ投与されるべきである。抱水クロラールはイヌ、
ネコおよび他の小動物については、副作用が重篤であり、反応が見た目に好ましくないため不適当であり、他の
薬剤を選択すべきである。」とあります。すなわち、国内の法規制およびルール上においても国際的な獣医学的
見解においても抱水クロラールを安楽死薬として用いることは適切ではなく、既述した獣医系大学教官が言った
「安価だから。」という理由だけで動物の安楽死に単独で用いるべき薬剤ではありません。
この教官だけでなく、現在の国内の獣医系大学の多くの教官は、その立場にも関わらず、動物の安楽死方法に
ついて何も知らないのです。知識が欠乏したまま大学という高等教育の場で教えることの恐ろしさ、それができ
てしまうこの国の獣医学教育の恐ろしさを考えた場合、やはり私は動物の好きな人にこの国で獣医系大学に入学
し、学び、獣医になることをお薦めできません。この現状が変わらない限り、より高度な海外で教育を受けるこ
とをお勧めせざるを得ないことがとても残念です。教育を施す者自身がせめて実験動物の苦痛を減らす方法につ
いて自らを教育し、学ぶ学生に疑問符をつけられないような尊敬に値する指導者が増えてくれることを願って止
みません。