長野電鉄


 77年の春、何度か通った尾小屋鉄道も遂に最後の時を迎えていた。尾小屋行きはいつも急行〔越前〕を使っていたが、この時は夜行の急行〔信州〕で友人と長野電鉄に寄り道してから行った。
 当時地方私鉄では珍しかった有料特急に惹かれて訪ねたか、その頃話題になっていた“日本一大きな入場券”を買いに行ったか、この辺は記憶が曖昧だ。
 確か東急5000系が地方譲渡第一弾として長電に入った頃だったと思う。


   今は地下に潜ってしまった長野駅。電車越しに見える当時の駅舎が懐かしい。
 初めてこの特急に乗った小学生の時分、先頭で湯田中までかぶり付きをやったのだが、田舎電車(地元の方には失礼だが)という先入観があった為か結構飛ばすのに驚いたと同時に感心した事を覚えている。
 この電車が今だに現役なのも、考えてみれば大したものだ。
 今は大都市圏から300q位の移動手段は新幹線と車に完全にシフトしてしまった。ここ長野駅でも夜行列車が集中して到着していた早朝5時前後のあの独特の賑わいは消えてしまっているのだろう。
     
   どこで撮ったか忘れたが、朝早く靄をついて走るOSカー。この当時の長野で20m4扉車は新鮮に映った記憶がある。この線内を走る20m車はこれと国鉄から乗り入れの169系急行だけだったと思う。
 結局ここを訪れた目的は上の特急やこのOSカーだったわけだが(本人はそう思っているが、同行の友人は何というか知らない)、相対的に両数はそんなに多くなく、この訪問では旧型車もいくつか写っていて、今となってはそっちの方が貴重になってしまっている。その結果的に貴重となった写真もその時はあくまでついでに撮ったものなので、当然に出来は良くない。“資料的価値”という美名の下、控えめにその存在価値を主張しているようにも見えるので、それはいつかまたの機会に取り上げたいと思う。

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