■上の図はスイッチング電源回路の一例である。スイッチング電源はその動作理由より多量のパルス性ノイズを発生させる。発生したノイズは他の電子機器にとって有害なため、インダクタとC1からC7で構成されるフィルター回路で外部に出ない様にしているのだ。しかし、全てのノイズがここで吸収され消滅する訳ではないのだ。その一部はC2,C4を除くC1からC7を通ってアースに流れるのである。さて、このアースはどこえ行くのであろう?このアースだけ独立して地中深く埋めた導体に接続されていれば良いのだがそうではない。なんと入出力信号端子のGND (アース) と共通なのだ。つまりAC100Vと入出力信号端子のGNDは8600pFのコンデンサーで接続されていて、そのAC100V電源に含まれるノイズとスイッチング電源のノイズがGNDにウヨウヨしてる訳だ。
今度はこれらのノイズが、どの様にしてノイズ信号に変化するのか解析して見よう
■ここでは例として、上の図の様に装置(A)(B)(C)をシリーズ接続し、(B)(C)が問題のある装置としょう(R1,R2は先に述べた不良構造上の抵抗)。装置(A)の電源部で発生したノイズ電流aは装置(B)のR1により電位に変化し、AIにより増幅されノイズ信号bなる。更に装置(B)の電源部で発生したノイズ電流cは装置(C)のR2により電位に変化し、ノイズ信号bと合成されA2で増幅されノイズ信号dになる。
■この様子を式に表すと d=(a×R1×A1)+(c×R2)×A2 かな?何れにしてもR1,R2の大きさによってはかなりのノイズになることが想像できる。
さて、その解決方法は‥‥

その1、メーカーにお返しして別のものを買う。
その2、メーカーに修理させる(あまり期待できない)。
その3、自分で直す。

■「自分で直す」場合、 要するに有害な抵抗成分(R1,R2)を限りなく0Ωに近づければよい訳だから簡単だ。高感度なテスターを使用して入力端子のGNDと出力端子のGND間の抵抗値を読む。問題があれば、そのGND間を太い導体で接続する。