ビデオカメラは水平に使う物? (C 2)

い話で、笑い話として読んで下さい。カメラマンであるOさんが始めて購入したビデオカメラが、犬のマーク(ニッパー君)で有名な、V社製のBY-110というカメラ。このカメラは色々欠陥があったが、その中の極め付けは、HZ-110という専用レンズでのピンぼけ。このピンぼけアイリスを十分絞っても発生し、その上Vファインダーの解像度が低いため、撮影後に気付く事が多く幾度も再撮影に出かけた。バックフォーカスを念入りに調節してもこの状態は続き、特機サービスに改善を依頼したところ、バックフォーカス調節部が改良型に交換されて戻って来た。これでピンぼけは解消されたと思いきや以前と全く変わらなかった。このどうにもならない事態にOさんは自分で原因を探ろうと今まで撮影したピンぼけ画像を集め統計学的な考査をした。すると仰角画面やチルトアップした画面に関わりがある事がわかった。この様な現象は可動レンズのどれかにピントに影響するガタやアソビがあるのだと思い、次ぎの様なテストをしてみた。
ず、カメラを水平にセットし、数メートル先に焦点対象物を配置する。次にカメラを45度仰角した先に水平の時と同様の焦点対象物を配置する。勿論、カメラ出力はモニターに接ぐ。これで準備は完了。
にカメラ水平状態において、フォーカストラッキング調節を行い、広角端にセット。次にカメラを素早く45度までチルトアップし、焦点対象物を撮像する。するとどうでしょう最初の約1秒間はピントが合っいるが、その後スッとぼけてしまう。その時、レンズからコツンという音が発生する。この状態を前玉から内部を観察すると、ズーム可動部全体が光軸方向にブレる事がわかった。一度変動したその部分は水平に戻してもズーム操作をしないとすぐには元に戻らない。
て、これからがこのお話の本題です。原因がはっきりしたので当該カメラの設計担当者に改善を要望した。すると次ぎの様な返答が来た。ビデオカメラとは水平に向けて撮影する物で、水平方向以外にカメラを向けて撮影するのは使用者の過った使い方でこれを不具合と認めないと言う物でした。今までこの種類のカメラで水平方向しか撮影出来ないなんて聞いた事がありません。ふだんなら猛烈に反論するOさんですが此れには唖然としてしまい、そのパワーすら薄らいてしまった。しかし、最初の経緯で解るように、バックフォーカス調節部の機構関係で作り替えた部品が用意されていたのですから、ピンぼけの生じる問題が潜在していることは認識していたのです。だが、その原因がなんであるか突き止められていなかったのでしょう。
 ここで Oさんの指摘した情報はメーカーの利益になることはあっても不利益になることはない筈なのです。しかしこれを、ユーザーの扱い方が悪いと責任転嫁して己の責任を逃れようとする何と卑怯な対応でしょう(水平に使用していても不安定であったが)。これは担当者の仕事をしたくない為の言い訳だったのでしょうか、それとも本気でその様に考えていたのでしょうか。いずれにせよこの様な人あるいは組織が開発に関わるV社のカメラには興味が薄れ、新製品が出てもチックしませんし、システム設計の相談をされてもリストに加えませんと話していました。どうも最後は愚痴になったようですがこれもユーザーとしての悔しさの現れでしょう。
 後日談としてこのV社の対応には、特機修理担当者も「自社の事ながら情けない」と言っていました。
 このプロの業界でV社カメラが認知されない底辺には、この問題で見られるような企業の姿勢が影響しているのだろうと感じました。欠陥製品であるものを「ユーザーの使い方が悪い」と因縁をつけるのですから。

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