不景気とプリント基板 (C 4)

近、ビデオカメラ等でモジュールのサーキットパターンが切断するというトラブルが多発している。切断とはいっても数Ωから数百Ωの抵抗成分がある場合が多く、その抵抗成分は一定でない為、一見直ったかなと思ったらまたおかしくなるという様なトラブルが多い。また、この様なトラブルでメーカーに修理を依頼しても『パターンが切れていたのでジャンパー線を張りました。』などという修理報告書を出しません。通常の使用状態でパターンが切れる事などメーカーの恥じなので結局、『××IC不良、交換しました。』という様なウソの修理報告書になる訳です。この様な訳でパターン切れトラブルの実体は隠されている。

の図はランドとライン(問題になるのは幅およそ0.5mm以下のライン)の接続形状を示した物である。ディスクトップパソコンの様に、室内の一定環境の中で使用される機器の場合、figAのパターンでもトラブルの発生は少ない。ところがビデオカメラの様な、多様な環境で使用される機器での切断トラブルは100%figAのパターンである。原因は振動や筺体内の温度変化によるプリント基板の歪みと思われる。
の問題は古くからあり、信頼性を高めるにはfigBのパターンが採用されている。設計者も分かっていると思うのだが。不景気でコストの低減が優先されるからか!それもあると思う。だが、そう高価でもない機器も含め、目にする機会のある機種全てがfigBのパターンを採用しているメーカーもある。その様なメーカーの製品は、雑誌(パソコン関連)などの人気投票でも上位にランクされる。その人気はパターンの形状に見られる様に、随所にその精神が発揮されているからだと思う。要するにメーカーの姿勢の問題だ。
のトラブル、経年が多い程発生する。ユーザーの皆さん、今後電子機器を購入する時は、補償期間終了後の出費を少なくする為に機器の内部を覗いてから決めたらいかがでしょうか。とは言っても中々覗く機会がないですねどね。

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