| canopus のアナログ技術 (検証編 C9) |
| ■ DVRaptor のアナログ出力がTVモニタを誤動作させる原因を検証 |
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● 検証の方法 |
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検証に必要な2種類のテストチャートを製作。 |
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● テストチャートの仕様 |
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→ ■映像平均レベル 約95%
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← ■映像平均レベル 約5% |
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● 検証データの解析 |
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DVRaptorのアナログビデオ出力には次のように3点の問題がある。 |
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正常波形 |
異常波形 |
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同期・バースト信号の異常 |
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アンダーダイナミック用チャートの出力波形である。正常な同期信号の振幅電圧はおよそ0.3Vであるが、異常波形は45%に減少している(A2)。さらに、バースト信号も負側が60%に減少している(B2)。 |
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正常波形 |
異常波形 |
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映像ハイライト部分の異常
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正常チャート画像(部分) |
異常チャート画像(部分) |
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チャートのグレースケール部分を拡大 |
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同期信号潰れに対するカノープスの改修はビデオ回路の動作原理に基づかない物であった為、新たな障害が発生した。 |
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● 原因の解析 |
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DVRaptorのボードから回路図を起こし、原因を解析した。 |
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原因は何処 |
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1,同期外れの原因(その1) 本機のビデオ出力カップリングコンデンサー(C3)は100μFが使用されているが、この時のカットオフ周波数は約10Hzである。 一般にトータルでの低域帯域は2Hz(-3dB)以上がが良いとされているようだ。帯域が高い方に上がると、レベル差の大きい信号間で映像が切替ると急激なベースラインのレベルシフト(サグ)が発生する(正弦波のような正負対象波形でないのが要因)。 急激なレベルシフトは直流再生回路のクランプや同期信号の分離等の各種動作に障害をきたす。本件問題もTVモニタの同期分離処理がスムーズに行われないのが原因だった。 話しを戻すと、先に本機のはカットオフ周波数は10Hzと書いたが、クランプ動作が不完全なので、入力信号に含まれるサグも加算される可能性がある。したがって、実際は10Hzも維持出来ていないと思われる。一般的な多くのビデオ装置ではこの部分に470μF以上が使用されている。470μFのカットオフ周波数は2.25Hzである。 メディアコンバータとして使用しているNV-DM1にもサグが多いようでこちらも一度検証する必要がある。しかし、本件のクランプ回路が確実に動作すれば直流再生が行われ、出力コンデンサーも十分な容量があればトラブルは起きなかった筈だ。
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3,カノープスの改修後に新たなトラブルが・・・ カノープスに対し本件問題の原因ヶ所を特定して、改修をお願いしたところ、同期信号潰れのみを改修した。 その改修は回路図(2)の様に行われた。見て分かるように D3 を追加し、ジャンクッション電圧を2倍にして同期信号潰れを阻止した。これはこれで解決にはなっているが、本来の保護回路としての役目に疑問を感じる。本来なら回路図(3)の様に改修すべきである。
さて本題ですが、その新たなトラブルとは「映像ハイライト部分の異常」に示した現象だ。 この現象は同期信号潰れを回避する改修により、今まで潰れて損失していた電圧に相当する分が、回路図(1)の C2 に深く充電される。その状態で、暗い映像に切替った時、C2 の放電が間に合わず、ビデオアンプのクランプ動作が一時的に外れ、出力信号は正方向に大きくシフトする。この時、映像中に明るい部分が含まれているとビデオアンプのダイナミックレンジを越え、その明るい部分は飽和し、「映像ハイライト部分の異常」に示した様に潰れてしまう。 この問題は入力信号にサグが全くなければ発生しない。だが、ここの信号はACカップリングで受け渡されるのだからそれはあり得ない。 通常 C2 の容量を決定する際、入力信号に含まれるサグの時定数よりも、C2 の放電時定数を短くするのが理想とされる。しかし設計条件がかみ合わず長くなる事がある。しかし、この様な時でも2倍程度に留める。この場合ハイライト潰れは発生する場合もあるが短時間なので問題になりにくい。この種類のクランプ方式は同期信号端が正方向にレベルシフトするサグには無防備であり、先の説明のようにそれぞれの時定数を最適にしなければならない。また、簡易式である認識から直接映像の表現に関わる部分には使用されず、もっぱらダイナミックレンジを確保するために多用される。 さて、本機には外部機器に接続するという条件があり、入力信号のサグの時定数は接続される外部機器によって一定ではない難しさがある。だが、目安として470μF×150Ωの時定数=70msを基準にして良いではないだろうか。 本機の C2 =4.7μFの放電時定数は約1800msで、時定数差は1800/70=約25倍となり話しにならない。カノープスの設計はこのクランプ方式の動作原理を全く理解していない。呆れるばかりだ。なお、上記の条件で算出した C2 の適正な容量の範囲は0.47μF前後である。 この問題にカノープスの回答は「IC メーカーの推奨回路に従った」というもの。これは「メーカーに従ったのだから当社は関係ないよ」という意味か。だが、IC メーカーにある回路は推奨回路ではなく試験回路と解釈すべきだ。従って試験回路に入力される信号はサグの含まれていない理想的な信号が使用される。しかし実用面ではサグの多く含まれた信号が対象になる。カノープスは実用の現場を理解していなかったのだ。
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2,同期外れの原因(その2) 実装したチップを保護する目的で、 回路図(1)の D1、D2 のような接続で実装する場合がよくある。本機も入力端子から侵入する静電気等の電気的ショックからチップ(デコーダ/U8)を守るため同様に実装されている。 しかし、本機に実装配置した保護回路はその目的を達成でぎず、逆にビデオ信号に歪みを加える結果を招いたのである。 一例として映像平均レベル95%の信号が入力した時、その信号はベースラインより負側に約0.72Vの振幅電圧をもっている。一方、本機入力信号のベースライン電位はグランドであるから同期信号端の電圧は−0.72Vになる。そこで気になるのが 回路図(1)の D2 の存在である。 D2 のアノードはグランドに接続されているからカソードの電圧が−0.5〜−0.6V(ジャンクッション電圧)を越えると電流が流れる事は推測がつく。このカソードには入力信号が接続されていてその同期信号端の電圧は−0.72Vである。この事は0.72Vから0.5〜0.6Vを差し引いた0.22〜0.12V分の信号は D2 に流れるのを意味している。 カノープスは何故この様なミスを犯したのだろうか。それは入力信号の1Vppは正負それぞれ0.5Vの振幅をもった信号としか認識がなかったのではないのか。 ところが実際の映像には0から100%のレベル変化がある中で、平均レベルが5%であっても小さい面積で100%のレベルに近いトーンが含まれれるのも通常性のある信号で、これらを考慮(正負非対称波形信号の AC カップリングによるベースラインの変動)すれば、ピークツーピークの電圧は1Vではなく約1.7Vになる。カノープスはこの電圧を認識していない。つまり、認識不足の設計不良だ。その根拠はこの問題を指摘した時、「通常使用では考えにくい信号レベルに対する可能性は否定できません」と回答した事にある。 別ページの「canopusu のアナログ技術お粗末編」で示したトラブルは、何も加工を加えていない通常のTV放送信号で出現したものであるが、それを「通常使用では考えにくい・・・」と言えるだろうか。 |
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