F社はデーターを読まない

 (1) の画像は、F社の一眼レフ式デジタルカメラ、ファインピクスS2Proの撮影データーである。
 この画像は、S2Pro の作例として、F社のホームページに掲載されていた。RAWファイル形式で撮影されたものであるが、異常に暗く、色調も悪い(色調はグリーン被りのS7000に酷似)。なぜこのような画像になったのか。カメラが性能不良なのか。そうではない。RAW現像処理が適切に行なわれなかったのである。(4) の画像は、この不適切な画像を印刷に最適になるよう管理人が修正したものである。
 (1) の画像の顔部分を拡大したのが (2) の画像であり、そのヒストグラムが (3) である。このヒストグラムによれば、「平均:110.65、標準偏差:37.29」となっている。このうち、平均:110.65というのは中間濃度128 (50%) よりも暗い数値である。標準偏差:37.29というのも、コントラストの低い、広がりの少ないトーンを現わしており、全体的に暗く、コントラストの低い冴えない画像であることをデーターは示している。一方、(6) のヒストグラムは、修正した画像のデーターを示しているもので、「平均:151.98、標準偏差:52.46」となっている。平均:150付近は、中間濃度から1絞り明るいイメージであり、標準偏差:50付近は顔のパーツからしてほぼ良好な数値である。欲をいうなら、55から60程度あるともっと明快になる。(末尾につづく)

(1) C2 Pro 撮影サンプル画像としてHPに掲載されたもの (4) 左のサンプル画像に修正を加えたのも
(2) 上の画像の顔を拡大 (5) 上の画像の顔を拡大
(3) この顔部分のヒストグラム (6) この顔部分のヒストグラム

 S2Pro というカメラはプロ趣向のカメラである。そのカメラの作例として、プロを呆れさせる画像を表示したのである。それにしても、どうしてこのような画像になってしまったのか。その理由は簡単である。「sRGB業界標準」とかいう、F社が基準と考えている高輝度に設定された液晶ディスプレイで出た目の再現印象をそのまま画像テーターにしたからである。だがそのデーターは暗く、カラーバランスも崩れていたのである。おそらくこのデーターの製作者には、ヒストグラムを読む能力がなかったのか、あるいは読まずに無視したのか。このような製作者にはピクセルの色を拾って、マンセル色座標をイメージすることは先ずないだろう。
 このような素人の手法というべき方法で、写真としての色造りの根拠にしていれば、時としてとんでもない発色をするカメラを造り上げてしまうのである。その代表がS7000といえる。
 このS2Pro の作例画像は他の作例を含めてプロの間で話題となった。勿論良いイメージの話題ではない。F社さん、もっと勉強しなさい。モノの真髄を極めなさい。そうでないと、この業界から撤退となる。それは、先ず、S2Pro のような、プロ、高級志向の分野から始まるのではないか。
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