
世間では、製品の保証期間1年が経過して後、故障率が上昇すること。また、その傾向がソニーの製品に多くみられることから、ソニータイマーという表現が定着したらしい。
このソニータイマーでは、製造メーカーが故意に故障し易くする仕掛けがあるのではないかとも世間では囁かれていた。では実際はどうなのであろう。ソニー製品に限らず、私の経験では、製造メーカーが、修理での利益や、買い替えを即すためと推測される意図的な故障の仕掛けの事例が多くあった。
この悪意に満ちた故障発生メカニズムを始めて知ったのはかなり昔である。その機器は、P社製 LD プレイヤーであった。またその仕掛けた場所は、「待機電源部」であった。この待機電源部に故障の仕掛けをする事実は、P社に限ったことではなく、他社の特定メーカーにも多くみられた。
「待機電源部」とは、機器のその動作電源を供給する AC 電源のプラグを抜かない限り、絶えず待機状態を維持する電源部のことをいう。この待機電源で動作する回路は、主電源の ON / OFF や、入出力設定、主電源の基準電圧、リモコンからの信号の受付け、ディスプレイの表示情報の保持など含まれる場合が多い。
要するに、待機電源を供給できないように故障させると、主電源の ON / OFF や、リモコンからの信号の受付けなど、機器を起動するためのルートが断たれてしまうのだ。
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