安物デジカメの使いこなし (シェーディング編) モデルカメラ FPS602 (M 6)

光学系シェーディングの補正例 画像にマウスポインタを当てると補正結果を表示します

 レンズの宿命として、周辺光量の減少は止む得ない。特に広角レンズや絞りが浅いときに影響が大きい。しかし、周辺光量がバランスよく減少し、色ムラ等が伴わなければ、我慢できる場合もある。
 一般的なデジカメはかなり手抜きなレンズが使われ、画像の片方がやけに暗かったり、周辺部に色ムラが出たりして、大きいサイズにプリントするとかなり醜い場合がある。これら歪みの原因は光学系のほか、CCD等の電気系にもその要因がある。スッキリした画像を求め、これら問題を解消するより完璧な方法を検証してみた。なお、サンプル画像は絞り開放(F2.8)で撮影したものである。
 当処理方法は複数枚の画像をつなぐパノラマ写真の合成にとても有効である。


シェーディング歪みを解決する


光学シェーディングは焦点距離、絞り数値によって影響が異なる。補正の必要な画像と同じ焦点距離、絞りで均一に照明された白ボードを撮影する。この時、ピントをボカシして白ボードの質感が写らない様にする。露光は中点濃度(128/255)になる様に決め、WBも確実に決める。実際は完璧に撮影できないので、データーをフォトショップのヒストグラムで確認しながら補正する。左の画像の平均濃度は115であったので128に補正し、カラーバランスも中心を基準に補正した。
上記で完成した画像を階調反転し、画像に含まれるノイズ成分を消すために、フォトショップの「ダスト&スクラッチ」を実行する。設定値は半径:5〜7、しきい値:0 が適当である。
 この後、この画像ファイルを「補正マスク」として使用する。

(ヒストグラム表示例を見る)

フォトショップでレイヤー合成する
ここまで準備ができれば、後は簡単だ。補正したい画像の上に上記で完成した「補正マスク」を重ねる(レイヤー1)。レイヤーのモードはオーバーレイに設定する。補正の度合いは不透明度を調整する。この作例では60%が最適値となった。
 後は画像を統合し、必要なファイル形式で書き出せば完成である
 シェーディングむらの原因には、光学系だけでなく、実は電気系処理においても発生している。電気系シェーディングむらは、四辺周辺に現れ易く、さらに設計が未熟だと、左右あるいは上下に非対称な色むらを発生させるときがある。本処理法は、これらすべてのシェーディングむらを補正することができる。
 以下に、電気系シェーディングむらを再現してみた。
一見むらの見えない原画像 彩度を強調してみると、、、
 四辺周辺に現れるシェーディングむらは、何故かF社製のカメラに多い、、、
 ビデオカメラで発生するこのような現象を「額縁歪み」とか「ウインドウ歪み」と表現している。

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