このキット(AE-CPG)は安価で良いのですが、試験の基準装置としての実用性はほとんどゼロでした。欠陥であるYCタイミングの不一致と色縁歪みを改善し、最悪のビデオ特性であるCXA1145(エンコーダIC)のコンポジット出力の使用をやめ、別途のSYNC、Y、C、コンポジットのマルチ出力に作り変え、実用性を向上させました。 ■ YCタイミングの不一致について キットの説明では、クロマのBPFは遅延が全くないので、Y信号にディレーラインは必要ないとしています。しかし、これは誤りです。帯域制限がある以上遅延は発生します。中心周波数(約3.58Mhz)の位相にズレがないことで勘違いしたようです。 Y信号遅延時間は後記のBPF改善に従い、100nsとしました。 ■ 色縁歪みについて キットに使用されているBPFは中心周波数(約3.58Mhz)の前後で全く対照的な位相特性を持っています。この事は、必要とする帯域内で群遅延特性の悪化を招きます。実際に秋月の回路で現れた現象がそれを物語っています。そもそも、上記「YCタイミングの不一致」を含め、秋月の回路で性能が出せるのなら、コスト高になるメーカーの推奨回路は無意味になでしょう。 ここで使用するフィルターは定番の回路があるのですが、今回は簡単に済ませました。それは、中心周波数を低い方に移行させただけです。必要な帯域内で群遅延特性と振幅特性の劣化を何とか我慢できる周波数として、約2.8Mhzを選びました。 ■ ご注意 1, コンポジット出力レベルはYCセパレート出力端からミックスしたので、YC出力端子の使用状態によって若干変化します。 2, 製作に使用されたディレーラインは現在製造されていません。代わりに簡易ディレーラインを紹介します(右下図参照)。 3, キットのカラーバーにある IQ 出力は正式のものでないので正確ではありません。本来はIQの搬送波をそのまま出力するのですが、キットでは、RGBから作っていて正確ではありません。 4, キットのグレースケールも階調がデタラメで、リニアリティやガンマカーブの目視検査(波形観測)に使えません。 ■ 調 整 C 出力:0.286Vpp(75Ω終端)バースト波 Y 出力:1Vpp(75Ω終端)白100% コンポジット出力:1Vpp(75Ω終端)白100%
簡易ディレーライン(LPF)
↑ 製作例 外観
製作例 内部 →