(ジョギングコーナー)
(8)千日連続走達成

千日まであと30日となる
異常気象の寒い冬であった。

1月14日、あと30日となる。
   15日、伊那10マイルロードレース。昨年より1分3秒も遅い結果に愕然。
      力はついているはずなのに疲労のためだろうか。
   16日、10キロのジョギングが走りきれずに途中を歩いてしまった。
   17日、氷点下6.3度
   18日、氷点下9度。早朝の一番寒い時間に走るのだから辛い。
   19日、ジョギングの後、菅平へスキー、猛烈に寒い。
   20日、ジョギングのあと妙高へスキー。
   21日、氷点下10度、ジョギングのあと八方尾根スキー。
      くたくたに疲れているのに、せっかくの3連休を休養に
      充てることなく体を酷使してしまう。

1月24日「あと20日」と記入。この日は出勤前、小雪の中の10キロジョギングを終わってから、メモに「がんばっているつもりだがスピードが出ない」と記す。
もう理屈も何もなかった。朝が来た。走らなければ・・・・・。


次の表は最後の20日間のジョギング日誌です。その厳しさを今も忘れていません。
サラリーマンには寒いからといって日中の少しでも気温の上がった時間を選んで走るということは不可能でした。

天候 気温 開始時刻 時間 距離 備考
1月 25日 -8.1 5:50 43分 9キロ 上り坂を3本
26日 ? 5:55 48分 10キロ スピード2000m×1本
27日 -6.9 5:55 30分 5キロ スロージヨグ
28日 ? 5:55 26分 5キロ
16:30 1時間48分 21キロ 体の切れがいい
29日 -6.7 5:45 28分 5キロ 戸隠ヘスキー
30日 -10.7 19:30 17分 3キロ 風邪、嘔吐。やっと走る。
31日 -8.1 6:10 27分 5キロ おかゆ、熱あり
2月 1日 -4.8 5:30 46分 10キロ
2日 -7.7 5:55 34分 7キロ 疲労大、もう少しだ
3日 ? 5:55 37分 8キロ (あと10日)
4日 -9.4 6:00 24分 5キロ 風邪、熱あり
5日 -11.0 6:00 25分 5キロ 今冬一番の冷え込み
6日 -6.3 5:05 1時間11分 14キロ 日中の最高気温マイナス3.6
7日 -7.9 5:30 45分 10キロ 日中の最高気温マイナス4.7
8日 -9.0 5:30 52分 10キロ 日中の最高気温マイナス3.8
9日 -7.5 5:30 46分 10キロ 日中の最高気温マイナス2.9
10日 -6.7 5:50 34分 7キロ 日中の最高気温マイナス1.2
11日 -9.3 5.25 48分 10キロ 志賀高原ヘスキー
12日 -10.9 5:35 1時間6分 14キロ 峰の原ヘスキー
13日 -5.1 6:00 33分 6キロ 1000日達成(あと0日)

ようやくたどりついた1000日
最後の10日間、連日最高気温が氷点下という寒さと降雪。しかも一番気温の低い早朝のジョギングである。このような過酷とも言える厳しい条件は、いくら慣れているとは言ってもさすがに辛かった。その上風邪が抜けずに体調も最悪。これ以上風邪が悪化しないのが不思議でさえある。
しかし私は走った。私とは別の「もう一人の私」がいて、その一人が走っていたのかもしれない。あの日から15年の歳月をして、今同じ条件の中でもう一度と言われても、一日たりと尻込みしてしまいそうだ。あれは私ではなかったのかもしれない。

千日目のメモ
1984年2月13日(月)
ついに千日連続走の最後の日にたどりついた。
10593キロメートル。一日平均10.6キロメートル。
競技者でもない多忙なサラリーマンが、いくら趣味とは言えよくやり通した。
(中略)
 今朝もまた雪降りの寒い朝だった。47歳誕生日前日である。朝6時、1000日目のジョギングへ出発。思えば100日を目指してはじめた連続走だった。暑い夏を乗り切って100日を達成し、200日、1年と目標を延長していった。特に北信濃の寒い冬を、一日も休まずに乗り切るのは厳しかった。
父の死、あるいは風邪発熱で高熱をおして走った日もあった。アクシデントを一切口実にせず走った。

500日を越えて千日を意識した早々、11月の磐田フルマラソンに風邪気味で参加、激しい腹痛、下痢発生のため30キロで棄権したことがあった。このときのメモ「みじめ、ショック、走るのがいやになった。何のために走るのか。気力が湧かない。ジョギングなんか嫌いだ。連続走が何だ。一ヶ月300キロが何だ」
思い返せばさまざまなことがあった。それでも辛うじて乗り越えてきた。
しんしんと雪が降り続いている。積雪は20センチを越えている。足跡一つない新雪がこの日の舞台を作ってくれた。風邪の抜けきらない体を押して、運動公園の外周を、雪を踏みしめるようにしてゆっくりゆっくりと足を運ぶ。一直線のきれいな足跡が延びて行く。
昂ぶった気持もなく、大仕事を終えた安堵感と、静かな満足感に包まれながら6キロのジョギングを終わった。そして1000日走が終わった。
1キロほどの気ままなジョギングからはじめて、4年半の歳月が流れていた。

(この1000日間、5キロ未満しか走れなかった日が21日ありましたが、走らなかった日は1日もありません。最低は風邪高熱のときの2キロでした)
(もどる) (つづく)  
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