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ONE DAY 〜小山田羅一の場合〜
作
登場人物 |
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ある晴れた日の午後。ランドセルをしょった少年が家路を急ぎ走っていた。 「ただいまー」 少年の名前は春日空。勢いよく玄関のドアを開けた空は、出てきた母親とぶつかりそ うになった。 「あ、おかえりソラ」 そう言った母親はいつもよりめかしこんでいる。 「何やかあちゃん、その格好」 いつもは髪を束ね、化粧っ気のない母が、髪をおろし口紅なんかつけている。 「ちょっと今から学校へね」 「学校?何しにいくん?」 「…今日はORFの集まりがあるげん」 「何やそれ」 「えっと…Oは親やろ、Rは連絡…で、Fは…フェスティバル」 「フェスティバル?何すらん?」 「だから親との連絡フェスティバル」 「?」 「とにかく、お母さん行って来るし。留守番しとってや。おやつはテーブルの上にあるから」 そう言い残し、母はそそくさと家を出て行った。 春日空が家に着いた同じ頃、ソラの親友、笠木和輝ーカンフと呼ばれているー家に向 かっていた。家に着く手前で、カンフは母親と会った。 「あ、和輝。いいとこで会ったわ。留守番頼むわ」 そう言って走り去ろうとする母を、カンフが止めた。 「どこ行くが?」 「ちょっとね」 「ちょっと…って、またパチンコか」 「違うわ、今日は学校でORFあるし…」 「ORF?何ねん?」 「ん…?Oは親、Rは連絡、Fは……フィーバー」 「フィーバー!?やっぱパチンコや」 「あ、フィーバーじゃなくて…ま、とにかく行って来るわ」 「おい、ちょっと待てや」 呼びかけるカンフをおいて、母は走って行った。
�「�「�「�「�「�「立志小学校
この学校の教師、小山田羅一は廊下で教頭に呼び止められた。
「小山田先生、今日はこれから保護者の集まりかね」
「はい。お母さん方が非常に熱心で、開いてくださる会なんです」
「君のクラスの母親は教育熱心だね」
「そうですね。この集まりも今は月1回のペースなんですが、毎週でもいいって言って
くれて」
「ほう、それはすごいな。そういえば、会に名前があったね、確か」
「ORFです」
「意味は?」
「親との連絡フェスティバルです」
「そうだったね。しかし、何でフェスティバルなのかね」
「さぁ…それは、皆さんでつけてくれたので」
小山田羅一が担任のクラス、6年1組の教室はある意味異様な雰囲気だった。母親た
ちが8割方集まり、雑談している。みんながみんな少し着飾って… 。
ガラッ。ドアを開け、ライチが入ってきた。雑談が止まり、静かになった。
ORF 表向きは親との連絡フェスティバル。
しかしその実は、小山田羅一ファンクラブ。
この事実、母親たち以外本人も知らない。
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