稽古場から(2)

いい芝居を創るつもりで稽古場にいます。

その手応えが無ければアマチュアの芝居なんて意味がありません。
その返す刀でカラオケ演劇になってしまっていないかどうか、検証・吟味・点検を繰り返しながら。
そうやって世に問わなければならないし、また、世を揺さぶらなければならない。
「公」なものですから演劇は。

この「まじめにともだちをかんがえる会の短い歴史」は今までの劇団110SHOWの芝居とは幾分毛色が違ってみえるかもしれません。似ているものを挙げるとするなら「枯れない」あたりの感覚に似ているかもしれません。

人間の心の機微や琴線、揺れ。

それに踏み込むのはもちろんのこと、あえて直裁な物言いをして「考えること」を諦めるな!とお節介にも叱咤してくる。

市民劇場で「遺産ラプソディー」というたしか青年劇場だったと思うけど凄く充実した現代劇をみたことを思い出します。
あのとき「ああ、実は何にも知らなかったんだぁ」という物知りになった感じと「まるで本当の家庭のようだ」と思える自然な演技。極めて良くできた芝居でした。
あの感覚を頼りに模索しています。

Sat, 23 Jun 2007
Shinichi TAKATA

金沢市民芸術村HPより