戦後の果実は、もうほとんど三丁目あたりにおいてきてしまったようだ。
考えたり、思ったりする時間を奪われ、 ただ機嫌の悪い沈黙がのしかかっている、かの地の人々。 彼らにこそ立ち止まり考える時間が必要。
ゲームを止め、テレビを消し、街へでてみると・・・ ・・・あれれれ「大人がいない」。
街はうつろに、らしかった頃の幻を見せよこたわる。 急ぎ足で駆け込んだ芝居小屋で、耳を澄まし、目をこらし、風にあたれば香りに気づく。
この芝居にはそれがすこし滴っている。