2001年 四国一周セーリング 航海記
 
by HARBOR LIGHT

68歳の誕生日記念にヨットによる四国一周を下記の通り実行しました。四国一周と
いいながら実際はヨットレースをはさんだ次の三つに分かれた変則コースになりました。

         第1部  四国一周前半部分 5月9日香川県仁尾町〜5月20日宮崎市
         第2部  ヨットレース       7月8日  サンマリーナ宮崎オープン記念        
         第3部  四国一周後半部分 7月9日宮崎市〜7月13日仁尾町

 

航海日誌 (見る日をクリックして下さい5月9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日

7月7日 8日 9日  10日  11日 12日 13日

航海一覧表

No

月 日

泊 地

入港

出港

所要時間

航海距離

燃 料

乗 員

 

5/9 水

仁尾

 

11:30

     

3

 

2

5/10 木

高松

15:30

09:00

4,5

20

 

3

 

3

5/11 金

沼島

15:30

07:30

8,5

45

20

3

 

4

5/12 土

和歌山

11:30

08:00

4

20

 

4

 

5

5/13 日

徳島

14:00

07:30

6

30

 

4

 

6

5/14 月

日和佐

13:00

  07:30

5,5

35

20

3

 

7

5/15 火

佐喜浜

  14:30  

7

30

 

3

 
 

5/16 水

佐喜浜

 

15:30

     

3

 

8

5/17 木

高知

15:30

08:00

9

50

 

3

 

9

5/18 金

佐賀

06:00

15:30

5,5

30

20

3

 

10

5/19 土

沖の島

15:30

  22:30

9,5

55

20

3

 

11

5/20日

宮崎

14:00

 

15,5

85

 

 
 

7/8日

宮崎

08:00

15:00

8

15

20

3

ヨットレース

 

7/9日

宮崎

 

09:00

         

12

7/9 月

土々呂

18:00

06:00

9

40

 

3

 

13

7/10 火

伊予三崎

17:30

08:00

11,5

60

20

3

 

14

7/11 水

長浜

15:30

06:30

7,5

 40

 

3

 

15

7/12 木

魚島

17:00

08:00

10,5

50

20

3

 

16

7/13金

仁尾

  11:00

 

3

15

20

   

合計

         

620

160

   

 (注)距離はマイル、燃料は軽油、単位はリットル。

 

                              航海日誌

                     はじめにメンバーを紹介します。

             井上 幹雄  ヨットの超ベテラン  新居浜市   61歳
             森   晴雄  ヨットの超ベテラン  新居浜市   68歳
             沼田 謙三              大阪高槻市 68歳         
5月9日

  いよいよ出発。午前11時仁尾マリーナをスタート。天気は曇りから晴れになり風は南西

  5メートル前後の追手で波は無く連れ潮にも助けられ午後2時瀬戸大橋通過。21マイル

  を3時間で走破し午後3時30分高松のマリーナぺラガスに着岸。今日の行程を終了。

  近くの温泉「神様の湯」で汗を流しビールで乾杯。

5月10日

  午前9時出航。天気は曇りから晴れに変わり快適な航海となる。5メートル前後の南西風

  で波も50センチ。今日も追手で潮が渦巻く鳴門海峡を午後3時に通過。三角波が一面に

  立ちヨットは木の葉のように揺れ船体を叩きつけられて飛沫をかぶる。ビールで海峡通過

  の祝杯をあげたあと沼島に午後5時30分着森さん差し入れの地ビール「富士山ビール」

  2リッター瓶を3人で平らげて祝杯。今日はオートパイロットが故障して3人で交代の手動

  操舵となり先が思いやられる。

5月11日  沼島港を7時30分出発。穏やかな海面をすべるようにすすみ午前11時に

        和歌山マリーナシティーに入港。黒潮温泉で入浴後ビールとラーメンで昼食。

        ゲストを迎えて黒潮市場で刺身その他材料の仕入れをしてヨットの上で宴会。

        このマリーナはゲストに対するサービスが悪い。ゲストバースには電気も水道も

        無く受付も無愛想でただ”泊めてやる”といった感じ。同行のクルーも二度と行か

        ないとカンカンであった。

5月12日  午前8時和歌山マリーナシティーを出発。北東の風5〜7メートル。セーリングに

        は持ってこいとなりエンジンカットして帆走を楽しむ。後半西風10メートルに変

        わりクローズホールドでスプレーに見まわれ軽い塩鯖状態。午後2時竹内氏の

        誘導で徳島ケンチョピアに繋留する。ヨットクラブのメンバーと情報交換して近く

        の風呂屋で入浴。台風1号が発生したとの情報で対策検討して今日は終了。

5月13日  午前7時30分徳島出発。今日も快晴で穏やかな航海。嵐の前の静けさと冗談

        が飛び交う程。しかし台風1号のことが気になり楽しさも半減する。今日は予定

        を変更して台風に強いと思われる日和佐港に午後1時入港。この港はうなぎの

        寝床のように細長く周囲を山で囲まれ又静かで良港である。ここで様子を見る

        ことにする。千羽温泉で入浴。近くの店で惣菜を買い船内で宴会。

        明日は波も2メーターぐらいなので牟岐大島や出羽島経由左喜浜を予定する。

5月14日  午前7時30分日和佐港出発。予想に反して海面は静かで鏡のようである。

        少しうねりがあり5度ぐらいのローリングが続く。天候は曇りである点を除けば

        楽しい航海である。途中牟岐大島に立ちよりポンツーンで休憩その静けさと

        素晴らしい環境の良さに一同感嘆しながら近くにある出羽島の港をみて

        左喜浜港へ午後2時入港。入り口は狭いが中は広い。漁師に聞いて漁船の間

        に槍ずけする。水道は使えるようである。漁師の話では明日は沖が荒れて4メ

        ートルの波が有り雨も降るので出航を見合わせて休養することにする。この港は

        台風に強いとのことで日和佐と同様今後の参考にする。地元漁師の話では前の

        海が静かでも沖に出ると大荒れで苦労するよとアドバイスを頂く。おそらく風向き

        により室戸岬の影になるせいらしい。明日は休養日とするか。

5月15日  早朝晴れて風も雲も無く出航も考えたが7時ごろ西から黒雲が押し寄せてきた

        のでやっぱり休養日にする。

5月16日  午前6時30分左喜浜出港。港の外へ出るとさすがは太平洋である。大きな

        うねりが押し寄せている。波高は2メートルぐらいで大したことは無い。ローリン

        とピッチングを繰り返し室戸岬を回り高知の宇佐港を目指す。岬を回るとうねり

        は南から風は北方向から吹いていて波が悪く飛沫と揺れに見まわれる。微風

        であった風も西から強くなり8〜10メートルぐらい。高知沖で鯨の群れに遭遇

        潮目のあたりに多数いて潮を吹いたり立ちあがったり又尻尾を見せたり圧巻

        であった。また大き海亀がすぐそばを泳いで行きさすがは太平洋と感心する。

        午後3時30分宇佐の竜漁港に入港。知り合いのダイビングショップ森沢氏の

        おかげで繋留も終わりシャワーをいただいて宇佐の料理店”新漁丸”で乾杯と

        懇親。この地はジョン万次郎が船出をしたところであり相撲の朝青龍が近くの

        青龍寺で毎朝階段を走りトレーニングをしていた関係で四股名を朝青龍にした

        とのことである。

5月17日  宇佐の龍港を午前8時出港して高知の佐賀港へ向かう。今日の天気は薄曇で

        涼しく海も穏やか。東の風1〜2メートルゆったりとしたうねりに乗って走ること

        約5時間眠気をこらえて午後1時30分佐賀港に入る。町の探索をしてガソリン

        スタンドから燃料補給や食料の買出し等。今夜も外食 居酒屋”鬼守家”にて

        うつぼの天ぷらや鰹のたたきでメートルをあげる。

5月18日  午前6時出港。薄曇で寒くジャンパーを着込む。北東の風3〜7メートル。波

        うねり共に少なく今日も昨日同様のんびりセーリング。しかし足摺岬通過時は

        うねり 波とも大きくなり潮流の関係もあって船足が進まなくなる。ローリング

        ピッチングを繰り返し約1時間格闘して岬を回り込み静かになる。午後も涼し

        く快適。四万十川の有る中村市を右手に見て進行し沖ノ島に15時30分到着。

        本港は狭く着けられないので手前の岸壁に舫う。水はものすごくきれいで水深

        7メーターでも底がクッキリ見えるがうねりが入ってかなり揺れる。

        明日は予定を変更して宮崎へ直行する。理由は宮崎記念ヨットレースに出場

        するため。ただヨットは宮崎マリーナに置いて帰り7月に来てレース後 残りの

        コースを回って四国一周を終了する。それまでお預け。

5月19日  5月18日午後10時30分沖ノ島母島を出発。出発前風は西10メートル強 

        波も高かったので全員防水装備。案の定天国と地獄を味あう(チョットオーバー)

        結果となった。海は2メートルほどの波とうねりで強烈なローリングとピッチング。

        時々3メートルほど持ち上げられて叩きつけられ北極の鯨の胴体着水よろしく

        飛沫をあげ強いショックを受ける。ラットを持つ手も真剣である。全員コックピット

        で夜明けまでワッチ。朝になって分かったが一面三角波と大きなうねりである

        とにかく波が悪く艇は木の葉のごとく振り回される。耐えること10時時間余り

        ようやく穏やかな海面に変わり真夏の如き太陽の元やっと食事に有りつく。

        夜に見た夜光虫は蛍が乱舞しているようで幻想的。汚れた海とは様子が異

        なる。正午頃目の前に宮崎シーガイヤの雄大な姿が浮かびやっと着いたと

        いう感じ。今日のトピックスとして宮崎の手前で鯨を発見。一頭が艇の前を

        ジャンプして横切りこれを機に探したところいるはいるは潮吹き3連発まである。

        そして艇のすぐそばに水中の白い鯨を発見。艇上は大騒ぎとなった。

        午後2時宮崎サンマリーナ着。タクシーで温泉たまゆらの湯へ3日振りの風呂と

        焼き鳥”鳥の里”で入港祝いをして今回の四国一周前半を終わる。しばらくお休

        みしてまた7月にお目にかかります。今回の航海中お世話になった徳島の竹内

        さん宇佐ダイビングの森沢さん 宮崎の大野さん 野島さん 石川さん その他

        マリーナや漁港の皆様に厚くお礼申し上げます。 有難うございました。

7月7日  遅くなりました。今日から再開です。

       18:00から宮崎シーガイヤサミットホールにて艇長会議とウエル

       カムパーティーがあり石原東京都知事と俳優の館ひろしが来場し

       会場は盛り上がる。石原知事から最近のセーラーは軟弱になって

       いる。最近は横断歩道や歩行者天国のようなレースになっている。

       夜間航海を含む潮気のあるレースをもっとやれ!と檄が飛ぶ始末。

       さて、シーガイヤは松林に囲まれその眺望は素晴らしく、内部は

       豪華でサミット会議のテーブルも展示されている。テーブルは意外

       と小さくまさしく膝突き合わせての会議をうかがわせる。

7月8日  今日はサンマリーナ宮崎オープン記念ヨットレース。参加艇はAクラス

       15艇Bクラス60艇Mクラス3艇の計78艇。我々はBクラスで参加。

       9時20分スタートしかし風が無くスタートラインは団子状態でゼネラル

       リコールをかけられ再スタート。お互い必死で場所とりに懸命、手や

       足を使って船を押し合い攻めぎあう。いつものことながらスタート前は

       緊張で胃が痛み喉がカラカラになる。スタート後も無風の中じっと我慢

       の子、我慢に我慢を重ね第一ブイを回った頃から時々微風があり辛抱

       の末、午後1時43分フィニッシュ。すぐ缶ビールで乾杯。いつもは半分し

       飲めないのにこの時はいっきに空けてしまう。そのうまかったこと!

       おっと!レースの結果を忘れていました。60艇中完走は43艇、その中で

       不本意ながら36位でした。残念ながら惜しくも優勝を取り逃がしましたが

       またの機会に挑戦することにしましょう。

       宮崎最後の夜を楽しむために市内へ出てデラックス風呂(ソープではあ

       りませんぞ)にて入浴,地鶏焼きで有名な丸万で夕食。極楽極楽 Hi

7月9日  午前9時サンマリーナを出港、北東の風10メートルを正面から受けセール

       は揚げずに機走で延岡の土々呂港に向かう。曇りで涼しく波高1メート

       ルの中ゆりかごに揺られているようで気持ちの良い航海でした。午後

       6時延岡市の土々呂港到着。逆潮の関係で平均4,5ノットしか走らず

       効率の悪い航海でもありました。船上で鯵の干物を焼き、ささやかで

       幸せな夕食でした。

7月10日  5時30分パンと豆腐と言う風変わりな朝食。6時出港。風も波も無く涼し

       い航海。予定を変更して伊予三崎に向かう。静かな海面をのんびり走

       るが風が無いので暑くなり少し汗ばむ。午後5時30分伊予三崎港に入

       港。早速近くの店「東洋軒」にてビールとイカ刺身定食そして何と豪華

       「アワビ」のバター焼きで歓談。一足先に着いていた宮崎で一緒だった

       「SONIA」(7ヶ月の赤ちゃんと若夫婦が乗っている)と合流しエールの

       交換をする。

7月11日  午前8時出港微風波静かであったが佐田岬を回った途端強い吹きおろ

       しがありエンジンを止め帆走を楽しむ。フルメインとジブで10メートルの

       風の中10〜15度のヒールと時々来る15メートルくらいの強いブロー

       に30度近くヒールしながら久しぶりにヨットらしい走りを満喫する。

       しかしジブにトラブルがありメインのみの機帆走を楽しみながら途中

       三机港に入港してそうめんで昼食後15時30分長浜港に入港。長浜町

       浴場「なぎさの湯」入浴。炭火焼肉店「あかのれん」でスタミナ回復を図

       る。

7月12日  午前6時30分先に出た釣舟3隻が波が高く引き返してきた。ここはヨット

       の本領発揮とばかり出港。曇り空が雨になり今回はじめての雨中航海。

       釣島水道から船折れ瀬戸を通過して午後3時30分魚島に入港。観光セ

       ンターで5時から入浴と食事。8時までの3時間着任早々の肝っ玉かあさ

       んの暖かいもてなしに全員感激して飲みに飲みダウン。魚島の評価は

       急上昇。

7月13日  午前7時観光センター肝ママの計らいで朝食。8時出港。針路90度で一

       直線に仁尾へ向かう。海面は鏡の如くべたなぎの中、午前11時仁尾マ

       リーナへ2ヶ月ぶりの入港。帰港届を済ませてビールで乾杯。午後は

       琴弾回廊で入浴と昼寝。午後6時から新橋亭でうまいトンカツを食べな

       がら反省会と称してまたまたビール。そしてクルー2名は新居浜の自宅

       へと帰る。今夜はヨット泊まり。明日は船内を片付けて深夜のフェリーで

       帰ることにする。

       今回のセーリング全体を通して言えることは梅雨の中で雨に降られることが

       ほとんど無く曇り空のため概ね涼しい航海だった。また宮崎のヨットレースに

       参加しシーガイヤに行けたことはラッキーでもあった。そして今回は外食が

       多くなり出費も増えたがこれも旅の楽しみのひとつと割りきる。

       なんといっても一番は全員健康で事故無く無事に帰れたことである。

       来年は3人合わせて200歳となるので記念行事は何にしようかな?  以上