The Neverending Mystery's Minimum    TOP > 2005年1月
ざ・ねば〜えんでぃんぐ・みすてり〜 縮小版



【2005年1月13日】

 月曜はミステリ系のネット仲間数人を我が家に招き、新年会をやりました。スペシャルゲスト秋山真琴さんイェーイ。鍋つついてボードゲームやって。調理係の方々にはあらためて感謝です。そして電撃hpのバックナンバーが20冊残った。ブギポシリーズが残った。欲しい人、差し上げますんでご連絡ください。

 ところで先日紹介した『キャベたまたんてい なぞのゆうかいじけん』(三田村信行・作 宮本えつよし・絵/金の星社)について、やっぱりこの本はあらすじを紹介しないことにはその魅力を伝え切れないとの結論に達しましたので、以下に書かせていただきます。但し、一般的なミステリ読みであれば、ミステリ読みでなくても一般的な常識を持ち合わせている方であれば、あらすじを聞いただけで真相がわかること請け合いです。叙述トリックではないのですが、とにかく誰でもわかる。わかってしまうのです。ですので、自分の目で確かめたいという方はあらすじも読まないでおきましょう。

≪あらすじ≫
 キャベたま探偵が事務所を構える町で、子供を狙った連続誘拐事件が発生。犯人は6人目の標的であるジャガイモのぼうやを攫おうとして失敗、現場に遺留品を残していました。その遺留品とは大きな袋で、中には強烈な匂いを放つ黄色い粉がギッシリ! これまでに誘拐された子供は、ニンジンの子供が3人と、タマネギの子供が2人でした。犯人は何故、子供たちを攫うのでしょうか?


 スゴくないですか? これはもう間違いなく、この世界観でしかありえない動機です。しかも【ネタバレ反転ここから】カニバリズム【ここまで】ですよ! 子供向けにやるネタじゃねぇだろ! この後に続くキャベたま探偵の事件解決方法もかなりムチャクチャでして、しかもちょっとエロい! エロス〜。どこまで意図的にやってんだかわかりませんが、作者がホラーなども書いている人であることを考えるに、九割方自覚的と推測されます。こういう突き抜けた馬鹿というのは逆に貴重なのではないでしょうか。逆って何の逆だよ。

 ・ ・ ・

 今更ですが、『トリビアの泉』でやっていた「一青窈の『もらい泣き』を80%の速度で再生すると平井堅が歌っているように聴こえる」を聴きました。うわー、気持ち悪いくらい似てるよー。もうアレだよ、一青窈のアルバムをそのまま80%速度で焼き直して、平井堅のニューアルバムとして売っていいよ。

 ・ ・ ・

 『ふたりジャネット』(テリー・ビッスン/河出書房新社)読了。えんじ@SFさんごめんなさい、正直微妙。設定やら何やらは確かに僕の好みなんですが、不思議と最後まで乗り切れませんでした。背筋がゾクッとする奇妙な味の「冥界飛行士」から万能中国人ウィルスン・ウーシリーズシリーズの1作目「穴のなかの穴」の流れで一時的に浮上しかけたんですが、最終的な評価はどうにも微妙。一体何が合わなかったのか、彼是考えました。例えば「英国航海中」は、イングランドが突然“ひょっこりひょうたん島”のように大海原を航海を始めますが、その歴史的大事件も、主人公の老人とその周辺人物たちにとってはあくまで身近な生活を形成するいくつもの外的要素のひとつにすぎない――といった話(少なくとも僕はそう解釈しました)。確かに竹本泉を彷彿させる突飛で不思議な設定なんだけど、論理的な解決があるにせよないにせよ、話の中心がそこにないというのは、どうも。中国人シリーズは中盤でダレました。どうせなら最初の「熊が火を発見する」みたいな話が続く方が良かったかなー。ま、今度えんじ@SFさんと会ったときにジックリお話したいと思います。多分、説教されることになると思う。

 児童向けミステリ発掘、今日は『少年探偵ブラウン (1)』(ドナルド=ソボル作 花輪莞爾・訳/偕成社文庫)を読了。“百科事典”とあだ名される10歳のブラウン少年が、父親のブラウン署長から相談される事件の謎を解いたり、探偵事務所を開いて1日25セントの依頼料で持ち込まれる様々な事件を解決する短編集、なんですが――惜しい、惜しすぎる。この本、どうして肝心の解決篇が「解説」になってしまっているんでしょう? 問題篇はちゃんと小説になっていて、しかも結構魅力的だったりするのに、解決篇がこれではクイズ本と呼ばれても仕方ありません。本当にもったいない。しかしまあ、問題篇の部分だけでもちゃんと面白いし、謎の方も結構しっかりしていて、15篇収録されているうちの3篇ほどはマジでわかりませんでした。子供に本格ミステリの楽しみを教えるという意味では最適の1冊です。そこの奥さん、お子さんに是非。


本日の読了本
 『ふたりジャネット』 (テリー・ビッスン/河出書房新社 2004年) (bk1
 『少年探偵ブラウン (1)』 (ドナルド=ソボル作 花輪莞爾・訳/偕成社文庫 1977年) (bk1)
  


【2005年1月10日】

 『キャベたまたんてい なぞのゆうかいじけん』(三田村信行・作 宮本えつよし・絵/金の星社)読了。いやー、これは良いですわ。キャベたま探偵、助手のトマトちゃん、じゃがバタ君たちが連続誘拐事件の謎を追うという、野菜を擬人化した世界のお話。野菜の擬人化というとまず思い出されるのが「サラダの国のトマト姫」ですが、本書のシュールさは余裕でその上を行ってます。僕は基本的に、児童向けミステリというのは一種の特殊設定ミステリ、つまりSFミステリなんかと同じだと思っていて、関係者が野菜なら野菜である必然性を持ったトリック、関係者が動物なら動物ならではの必然性を持った動機、そういうのがあるとメチャクチャ嬉しくなってしまう性質なのですが、そうした観点から本書を見た場合、メインとなる誘拐の動機(ミッシングリンクか?)というのがそれこそ前代未聞の無茶さでありまして、そこが僕のメタ心を必要以上に擽るのです。あー、笑った笑った。子供は絶対にこんな読み方はしていないと思いますけどね。違った意味でオススメ。

 もう1冊、こちらはミステリじゃありませんが『おぞましい二人』(エドワード・ゴーリー著 柴田元幸・訳/河出書房新社)も読了。異色の絵本ということだったんですが、いやもう、本当に異色、異色というか異形でした。読んでてマジで気分が悪くなる。おぞましい二人のおぞましい人生を描いた作品ということで、スズキトモユさん「トラウマ児童文学」にふさわしいなと思いました。もう読みたくないー。


本日の読了本
 『キャベたまたんてい なぞのゆうかいじけん』 (三田村信行・作 宮本えつよし・絵/金の星社 1998年) (bk1
 『おぞましい二人』 (エドワード・ゴーリー著 柴田元幸・訳/河出書房新社 2004年) (bk1
  


【2005年1月9日】

 児童向けミステリ収集を本格的に始動しました。とりあえず先日古本屋で入手した『チュウおばさん なぞをとく』(小沢正・作 石川おさむ・絵/ひさかたチャイルド)を読了。前の持ち主が小学生だったようで(児童書なんだから当り前ですが)、ところどころ漢字にふりがながしてあります。あと、オモチャの一万円札が挟まってた。微笑ましいですな。ネズミのチュウおばさんが警察署長のブタノ氏(当然豚)から相談されて事件の謎を解くという形式で「すきかきらいか 赤い色」、「ポット売り場の怪物」、「たぬきのマント」、「毛糸の玉を忘れるな」の四篇を収録。ほんわかタイプではありますが、最初のなんかはしっかり本格してますね。二本目の荒唐無稽っちゅーか超アンフェアぶりは、まあ、ご愛嬌ということで。

 デジカメで撮影した書影を載せるつもりだったんですが、ちょっと今、カメラとパソを繋ぐUSBコードが見当たらないので、とりあえず携帯で撮った画像だけ載せておきます。昔の児童書の書影って、ネット探しても見つからないもんだしねー。
 

 ところでこの小沢正という人、どこかで聞いたことがある名前だなと思い調べてみたところ、なんと2001年に読んでいた『フクロウ探偵30番めの事件』(ジェームス・マーシャル作/童話館出版)の翻訳者さんでした。他にも『ぶたのフレディ名探偵』(ウォルター・ブルックス作/童話館出版)というミステリ作品を翻訳している模様。こちらも手に入れたいなあ。


 ・ ・ ・

 アニメ『ギャラリーフェイク』、オークションの回を観ましたが――原作と内容(しかもオチ)変わってるやん! しかもつまらなくなってる! 没!


本日の読了本
 『チュウおばさん なぞをとく』 (小沢正・作 石川おさむ・絵/ひさかたチャイルド 1985年)


【2005年1月5日】

 同僚の家に「オレオレ詐欺」の電話がかかってきたそうです。対応に出た奥さんが「折り返すので電話番号を教えて下さい」と言うと、相手は「××署の○○です」と警察官を騙っていた(この段階で既に“オレオレ”じゃないけど)にも関わらず「えー、0120の……」などとフリーダイヤルの番号を答え出したので、一発でそれとわかったそうです。それでも念の為、警察に電話を入れて事情を話し、「警察はフリーダイヤル使ってませんよね?」と尋ねたところ、受話器の向こう側はそりゃあもう大爆笑だったそうで。怖いんだか微笑ましいんだかよくわからないエピソードでした。

 読了本、富士見版が見つからなかったので復刊版で済ませました。クレギオンシリーズの(今のところの)最終巻ということで、うーん、メイちゃん萌え。SFの下地も相変わらず絶妙だし、何よりエンターテイメントとして抜群に面白い。このシリーズはホントにレベル高かったです。続刊、出して欲しいもんですなあ。


本日の読了本:
 『ベクフットの虜』 (野尻抱介/ハヤカワ文庫 2004年) (bk1
 


【2005年1月4日】

 既に三箇日を過ぎていますが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 今年の大晦日→元旦も例年通り実家でゴロゴロしていたわけですが、折角のお正月、ただゴロゴロしているのなんだか勿体ないと思い、15年振りに“たこあげ”をやってみることにしました。近所のコンビニでポケットモンスターのゲイラカイトを購入(さすが田舎のコンビニだ)、ちょうど自転車で5分ほどのところにサッカーグランド建設予定地があったので、そこで小一時間ほど童心に返ってピカチュウ飛ばしまくり。偶にはこういうのもいいもんですね。来年の元旦には独楽を廻したいですね。えなりかずきには負けとうなかとです。

 2日はカラオケ初め、3日もカラオケでした。今年もカラオケ全力投球です。

 ・ ・ ・

 年越しの一冊は……何故か『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』でした。なるほど、これは来るものがありますねぇ。紛れもないライトノベルのレーベルから刊行されながらも、ライトノベルではまず扱われたことがないであろう題材をモチーフにしているところからしてまず膝を打つわけですが、さらにリッパーさんの感想滅・こぉるさんの感想で言及されているように、某海外作家のオマージュになっていること(勿論自分では気づけませんで、読後に感想サイトを巡回して知りました)などを知るにつれ、なるほど騒がれるだけのことはあるなと深く肯いちゃったりする次第。puhipuhiさんの感想で言及されている伏線は僕の大好きな「読者が解き明かしてあげるべき伏線」でこれまたベリグ。気づいていない人がほとんどだと思うので、読了者は要チェックであります。
 内容の方に目を向けてみると、悲劇的な結末を辿るライトノベルというのは過去にもいくつか存在していて、自分の経験からすると例えば冴木忍の某作品などはちょっとしたトラウマになっていたりします。幸せな結末(from大滝詠一)を期待して開いた本が極めて不幸せな結末であったりしたら、そりゃあ驚きますよ。水戸黄門の終盤、印籠を出そうとした助さんがその直前に背後から斬り捨てられて黄門様ご一行全滅!なんて展開になったら、そりゃあ誰でも驚くって。ただ、本書はそうした奇を狙っただけの作品ではありません。如何にもライトノベル然とした風体で登場した海野藻屑が、ファンタジー(虚構)ではなくミステリ(現実)の世界の住人として文字通り“解体”する――物語の過程において読者と共に進められる、海野藻屑の“虚構”を“解体”していく作業にこそこの作品の真髄があるのだ、と勝手に思い込みました。実際のところは知りませぬ。
 とりあえず誰かと語り合ってみたいなーと思える作品でした。グッジョブ。

 『ふたりジャネット』は半分くらいまで。「えんじさんは絶対好きだよー」と数名の方から言われていた作品ですが、うーん、これは微妙に違う気が。後半の巻き返しに期待します。


本日の読了本:
 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』 (桜庭一樹/富士見ミステリー文庫 2004年)




TOP > 2005年1月
過去を懐かしんでいるわけで。