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番外編0001 - 0010
ざ・ねば〜えんでぃんぐ・みすてり〜 縮小版



■ ミステリコラムス番外編0001 『ちいさなちいさな』

 日々の生活に追われるばかりで心身ともに疲労し切ったサラリーマンの「僕」と、掌に乗るくらいのちいさな身体で自分と同じくらいのグミベアーに満面の笑みでむしゃぶりつく「王様」の交流を、映画『アメリ』(仏・2001)でお馴染みミヒャエル・ゾーヴァの絵と共に綴った物語『ちいさなちいさな王様』(アクセル・ハッケ作/ミヒャエル・ゾーヴァ絵)は、僕の中の“児童文学への憧憬”を決定づけた作品です。僕はこの本を、京都の古本屋で偶然手にしました。タイトルも内容もまったく聞いたことのない本でしたが、本の表紙にちょこんと立っている王様の姿が何だか妙に凛凛しくて、気がつくとレジまで運んでいました。僕はj決して運命論者ではありませんが、この本と出逢えたことが天の配剤であるというならば、ちょっと信じてみたい気分です。

 それくらい好きな作品なんですが、よくよく考えてみると「王様がちいさい」という設定はそれほど奇抜なものではないんですよね。そもそも“小人”というのは、古今東西メルヘンの象徴として扱わることが非常に多い。有名所ではアンデルセンの『親指姫』、グリム童話『白雪姫』に登場する七人の小人、同じくグリム童話の『こびとのくつや』、何より忘れちゃいけないファンタジーの原点『指輪物語』(J.R.R.トールキン)のホビット族などなど。国内でもっとも有名な小人といえばやっぱり『一寸法師』でしょうか。新しいところでは『だれも知らない小さな国』(佐藤さとる・著)のコロポックルたち、『ガリバー旅行記』(スウィフト・著)のリリパットたち、漫画『銀曜日のおとぎばなし』(萩岩睦美・著)の小人のポー、アニメでは『とんがりぼうしのメモル』なんてものもありましたね。どれも夢満ち溢れる素晴らしい作品たちです。まさにメルヘン小人地獄。<違います

 そうかと思うと「小さい=可愛い」というイメージを逆手に取った作品も数多くあります。ちいさい故に何を仕出かすかわからなくって怖い、というイメージですね。パッと思いつくところでは映画『トイ・ソルジャー』(米・1991)、『ドラえもん』(藤子不二雄・著)てんとうむしコミック第13巻「ころばし屋」『チョコレート工場の秘密』(ロアルド・ダール 著)の黒い小人なんかは結構怖いですね。『南くんの恋人』(内田春菊・著)のように、読了後、呼吸をすることさえ疎ましく感じるような、切ない小人の物語もありました。小人は決して可愛いだけの存在ではありません。勿論、怖いだけの存在でもない。それこそ『ちいさなちいさな王様』十二月王のように、威厳とウィットに満ちた存在でもあり得るのです。

 貴方がもしも現実世界に疲れたなら、ちょっとだけ小人の世界を覗いてみることをお薦めします。そこはメルヘンだけの世界ではありませんが、貴方の心を揺り動かす何かがきっとあるはずです。ちいさなちいさな王様、ちいさなちいさなお姫様、ちいさなちいさな靴屋さん、ちいさなちいさな郵便屋さん、ちいさなちいさなお侍、ちいさなちいさな兵隊、ちいさなちいさな殺し屋、ちいさなちいさな旅人、ちいさなちいさな僕、ちいさなちいさな君、ちいさなちいさな傍観者、ちいさなちいさな格闘家、ちいさなちいさな政治家、ちいさなちいさなサイト管理者、ちいさなちいさな2ちゃんねらー、ちいさなちいさな犯罪者、ちいさなちいさな名探偵、ちいさなちいさな読者、ちいさなちいさな作者。身体が小さいから小さな文字しか書けない。

 あ、そーか。「小文字の作者」ってこのことだったのか。<再び違います





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感想お待ちしてます、いやマジでマジで。