記憶障害者の職業リハビリテーション

 

●記憶のモデル

              (覚え込む) (蓄え維持する) (思い出す)   

 
 記銘 
 
 
 保持 
 
 再生 
   

入力(刺激)→→                                  →→出力(反応)

 
コード化 
 
 貯蔵 
 
 検索 
   

        (記憶痕跡の形成)(記憶痕跡の保存)(記憶痕跡へのアクセス)

 

外界の情報    →       

感覚記憶 

→→
注意

短期記憶(作業記憶)
 

→→応答(再生・再認)

                        転送↓ ↑

            (リハーサルと体制化)↓ ↑検索

 
 
長期記憶  エピソード記憶
意味記憶
手続き記憶 

個人の生活史、出来事の記憶
知識、概念の記憶
技能、習慣、手順の記憶
 

 

●頭部外傷者の記憶障害の特徴 エピソード記憶に関する前向性健忘が主体

 

・即時記憶はほぼ正常

・遅延や注意をそらす過程が入ると思い出せなくなる

・新しい事柄を学習するのが難しい

・ヒントが想起の助けになる。

・日常の事項に関する前向性健忘は残存。逆行性健忘は、徐々に縮小する。

 (古い過去の記憶は温存されるが、新しい情報の記憶形成が困難)

・宣言的記憶は、手続き記憶よりも、障害されやすい。

・エピソード記憶が、意味記憶よりも、障害されやすい。

 

●記憶の訓練アプローチ

損なわれた脳機能の直接的強化を目指す治療的アプローチには限界があり、

メモ帳の活用等の外的補助手段の獲得を目指す、代償的アプローチが、有効である。

   ↓↓

職場復帰を成功させる要因

(1)内省・洞察が得にくい本人の障害の認識の徹底

(2)外から見えにくい障害に対する周囲の理解の促進