9月22日OA



 
木村世治&赤羽根謙二(ZEPPET STORE)


今週のゲストは9月6日にAl「GOOSEFLESH」をリリースしたゼペットストアから木村と赤羽が登場。この夏のライブイベントは"ロックロックこんにちは"の1本だけ。ゼペットはスピッツに天然パーマネタでかなりイジられたらしい。通算4枚目のアルバムをリリースしたばかりなのだが、タイトルは「鳥肌」という意味。感動や感激からくる鳥肌ではなく、恐怖などからくる鳥肌を指す。

先行Sg「PRESENSE」は泣ける曲。今年に入って3枚目のシングルだが、歌詞的にどこかつながっている。3枚ともラブソングではるが、今作では"行き方"を語りにはいった。自分も一番きれいなところを見て欲しいし、相手の一番かっこいいところをみたいという気持ちは誰にでもあるはず。
赤羽根は木村の詞を読んでたまに木村と価値観が似ていると思うことがある。木村にしてみれば歌詞は産みの苦しみではあるが、つきつめて吐き出した歌詞が共感を呼ぶのかもしれない。
「PRESENCE」のプロデューサーは渡辺善太郎。「PRESENCE」は渡辺の王道的な部分が散りばめられている。Al「GOOSEFLESH」には他に朝本浩文と會田茂一が参加。アイゴンこと會田茂一はどこか味のある侮れない人。ゼペットのメンバーが気づかないところを指摘してくれたり、繊細な部分が随所に表れている。エルマロ的な音を想像しながらPLAYボタンを押すと意外な感じがするかも。エルマロというよりかはFOE的な感じがする。

1曲目の「BLACK」にはDJも採用。ギターは好き勝手に弾いているし新しい試みとしてサンプリングを多用してみたりと、新境地の開拓に手を伸ばしているものの、2曲目以降はゼペットらしい曲が続く。
今作のコンセプトは強いて言えばライブ感を出すことぐらい。

赤羽根のヘアスタイルは木村のようにエンジェルヘアにしようとしたら対極にあるデビルヘアになってしまった。新幹線に乗っても周りにいるおばちゃんが声を上げて指を指すようになってしまった。

以前ゲストで来たとき、赤羽根はギターに関してはまだまだ納得していないと言っていたが、ライブを見る限りではかなりバンド感が出ている。今年に入ってからはバンドのグルーヴ感が一段と増していて、バンドとしては"いい感じ"の状態になっている。
今現在の進化しているゼペットを出し尽くした新作ではある。このアルバムを引っさげてのライブツアーがこれから始まる。ツアーの中には学園祭も入っており、学園祭が終わるとライブハウスツアーが立て続けに入っている。大阪は10月9日の(月)の梅田HEATBEATと2001年1月4日(日)の大阪厚生年金芸術ホールが予定されている。

ゼペットストアからオリジナルTシャツを2名様にプレゼント。FAXは06-6229-7671。E-mailはezm@fmosaka.co.jp。ハガキは〒530-8285 FM大阪 EZM「ほぼ月一回お会いしているような…」係まで。




9月15日OA



 
ヒダカトオル&ウムヤシキミツタカ&アラキタカユキ&タイヒロユキ(BEAT CRUSADERS)


のっけから動物園のような阿鼻叫喚を上げながらの登場のビークルの面々。EZMリスナーの中にはビークルファンが隠れているらしく、早い時期に「ビークルが"変な"カバーアルバムを出すらしい」とかタレコミがあった。

ビークルの面々は個性的。ヒダカ「没個性的ってことですか?」。岸本の印象はヒダカは「しゃべらなければ普通の人」。こういう言い方をすると他の3人のメンバーがキワモノのように思われるが、実はその通り。
ビークルはオシャレな話ししかしないと思っていたが、TUBEばりに"夏を抱きしめて"を体現するバンド。
9月20日にはレジストレイターズとのスプリット盤「POWERED BY PUNK vol.1」がリリース。オリジナルがないもんだからまたもやカバーで。7月に出たカバー集「HANDSOME ACADEMY」も好評。岸本「すっごくカッコイイ」→ヒダカ「原曲がいいですから」→岸本「ハハハハ、あ、笑うとこちゃうわ」。

トークではセックスマシンガンばりのおとぼけトークで攻めるビークルだが、音楽に対する姿勢は真摯で確固たるポリシーを持っている。ヒダカ「第二のミスチル目指してます」。ありそで絶対見かけない目標を掲げている。

7月20日に出した「ハンサムアカデミー」には堀内孝雄から有頂天まで幅広くカバー。メンバーの出身地は千葉・広島・三重とてんでバラバラ。アラキはMCを聞いていると名古屋っぽいがあれは汚い広島弁。タイは表情が和み系だがナゴム系でもある。
結成は約2年前。初めはヒダカと別のドラマーの2人組でBECKみたいな音を出していたが、サポートを入れていくうちにドラムが辞めて今のメンバーに固まった。メンバーは顔で選ばれているはずなのに、メディアに露出するときはお面を被せられている。ライブのときは素顔でやっているので素顔が見たけりゃライブに行けばいい。
お面の下はどんな顔なのか興味津々の人もいるが、見てみると意外に(笑)普通。ヒダカ「意外にって!(笑) でもママスタジヲには負けます」と今日は徹底的に他バンドを引き合いに出す。

ヒダカは元々インディーズレーベルのマネージメントをしていた会社員。そこからわらしべ長者のごとくステップアップして今の地位にまで上り詰めた。ラストラムレコードの所属バンドが当時少なかったことからひょんなところからCDリリースが決定。インディーズなのに8インチシングルを出してみたりするなど異端児活動を活発に行っている。
噂によるとビークルのライブはアツいらしい。人気も徐々に上がっているものの、生活に直接反映するような変化はなし。今でもバイトが生活の基盤となっている。

今回一緒にスプリット盤を出すレジストレイターズは海外でもライブをするなど精力的な活動をしている。彼らの偉いところは日本に来るパンクバンドと仲良くなって向こうに呼んでもらうという努力をしていること。
メジャーしてオイシイことはライブで自腹切って(ノルマを払って)やることがなくなったことぐらい。ライブをやってギャラがもらえるのが素直に嬉しい。地方は北海道以外はあらかた行った。この勢いを胸にこれからは海外を目指していた。「海外でわんこそば大会!」(ヒダカ)と目的はライブではなく大食い大会の開催。メンバーでわんこそばを食いに行ったのだが一番食べたのはアラキ。ヒダカは歳をとっているので食欲も性欲も衰えてきている。

10月5日(Thu)に心斎橋クラブクアトロで「ストラビンレビュー」というラストラムレコード主催のイベントがある。ラストラムはレーベルとしては新しいので方向を模索中。マグネットコーティングはエモっぽかったりレジストレイターズは初期パンクだったりドミノ88はスカだったりとバラバラ。その中でも一本筋の通ったバンドが多い。が、一番ちゃらちゃらしているのがビークル。
このあとの予定は年内にもう一枚シングルを出したい。「でも無理っぽい」(ヒダカ)とのことなのであまり期待はできないかも。9月20日に発売されるPV集「EYEBALL EXERCIS」は価格がなんと3,000円(!)。ポットショットもびっくりの高コストパフォーマンス。




9月8日OA



 
中村一義

久々の登場となった中村一義。その間にお茶だけ飲みに遊びに来たこともある。そのときはなぜかカバンにイヌのヌイグルミを忍ばせていたりしていた。9月5日にはAl「ERA」をリリース。各方面で絶賛賞賛の声が出ている。
シングル「ジュビリー」をリリースした後にアルバム作成に取りかかったので、レコーディング時間はかなりかかっている。中村「構想で言うとデビュー前からこういうのを作りたかった」。
ブックレットも袋とじ仕様になっていてちょっとイジワル。関西人にはおなじみの太陽の塔で撮った写真もある。岡本太郎の作品が好きだったので、いつかはジャケットで岡本太郎作品を使いたいと考えていた。東京にある岡本太郎記念館に交渉して撮影許可をもらった。しかし太陽の塔での撮影は「こっそり」と。ビルの爆破シーンと岡本太郎作品を対比することで「創造と破壊」をイメージ。まさに「芸術は爆発だ」である。

先行シングルとしてリリースしたのは「1、2、3」。これがレコード会社移籍後初のリリースとなった。1st Al「金字塔」が1998年10月のリリース。この間に精神的にも自分で歌って自分に跳ね返ってくる自己循環の詞のスタイルでなくなってきた。「根源的なこと」がテーマになっている。だんだんと相手に投げかける詞が多くなってきた。今作は20曲収録しているが、曲を追っていくにつれて「聖なるものが宿り出す」(中村)感じになっていく。
聞いているとドキッとする言葉が散りばめられていて、聞いている側にも過去を振り返らせるような曲もある。

また、いつになくゲストミュージシャンが多数参加している。高野寛は1stからのつきあい。くるりからは岸田繁が参加。中村「ヘンタイといえばヘンタイなんで、ふたりとも」。下町に大衆料理を食べに行ったりする間柄。びっくりするところでは真島昌利もギターで参加。中村の中でのロックンロールは真島昌利。他人のレコーディングに積極的に参加するタイプではない真島昌利をオトすのに3ヶ月かかった。細野晴臣もベースで参加。普通はベースやギターは弦を張り替えるのだが、細野はスタッフが弦を替えようとすると怒る。この辺の異質な感じが中村と波長が合うらしい。中村「いい意味で職人気質を持つ人が集まった」。

「ショートホープ」(「ERA」の7曲目)には岸田がギターで参加しているが、フレットのないところをスライドさせて演奏するもんだから、二度とできない録音ができた。岸田「もしかしたらできないかもしれないです」→中村「そこは頑張ってください」とテクニックを無視した無茶な要求を出していたらしい。
19曲目には「21秒間の沈黙」という曲が入っているが、人間の耳には聞こえない低音が流れているので「無音」ではない。さらにはクラシックの名曲「威風堂々」をアレンジ。

中村個人的には「ERA」の正しい聞き方は1曲目から通して20曲目まで聞くのが好ましい。前回ゲストで来たときは「ライブはしたくない」発言があったが、最近はチラホラとライブをやることが増えてきた。初めてのバンド形態でのライブ活動も構想中。これだけのアルバムを作ってしまったので、次作はおそらく2〜3年後になるだろう。「年内の予定は?」の問いに、中村「もういいです疲れました、休みます」と休養宣言。じっくり休んでから21世紀に突入する。




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