サイスの古い女神。 ネイト女神の最も古い象徴は、盾に交差した矢をあしらったものであり、好戦的な女神であったことがうかがえる。 ネイトは、通常、下エジプトの赤冠を被った女性として表される。 また、時に有翼の女性として描かれる。 ネイトは古くから鰐神 ソベクの母と見なされた。 ピラミッド・テキスト(NO.606)では、ネイトは、イシス、ネフティス、セルケトとともに死んだオシリスを見守っており、ネイトは死の女神としての性格を持つ。 ネイトは通常死者の棺の東側に描かれ、ドゥアムテフの守護女神の役割を果たした。 また、新王国時代には、機織りの後援者ともされミイラを包む包帯や白布は、ネイトの贈物であり、ミイラは包帯に包まれることにより、ネイトの聖なる力にあずかるとされた。 ネイトの元素は火と水であり、その色は赤である。 ローマ時代のエスナのクヌム神殿の碑文では、ネイトを本来は上エジプトの創造神であり、サイスの女神となったのは後のことであるとされとしてている。 この創造神としての性格を持つネイトは無性の表現されることもあり、原初の混沌の海であるヌンに等しいとされることもあった。 |
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