2003年8月の修行日記


2003/08/31
 一日中読書に明け暮れる。
 『失敗のないファンクションポイント法』(日経BP)を読了。
 2002年5月あたりから始めた「終末企画 聖書を読む」の方だが、現在『エレミヤ書』の46章。
 昨日の『無伴奏ソナタA-moll』だが、楽譜部分が正味6ページで、申し訳程度に簡単な解説のついた薄い冊子にもかかわらず、1400円もした。出版はドイツの"Breitkopf"社。
 とっくにパブリックドメインとなった古典楽譜を手に入れるために、なぜわざわざ紙メディアをドイツから運んでこなければならないのか? ダウンロード販売でよいのではないか? 日本の出版社は何をしているのか?
 ネットで調べると、「作曲に関する著作権がすでにパブリックドメインになっているものでも、編曲、出版等されると編曲者、出版社に帰属する著作権が発生します。そのためコピーをしてはいけません。」とのことだ。
 これだけではよく分からない。『無伴奏ソナタA-moll』は原曲のままでアレンジはされていないはずだ。例えば私が楽譜の内容をSinger Song Writerに打ち込んで、少し表記を変えて、演奏のノウハウやコメントを加えてPDF化し、Webで300円で販売したらどうなるのだろうか?


2003/08/30
 まだSRを手なずけられないが、テンポを落とすことによってなんとか『ミニオン・エテュード』の最後の2曲を完奏。Altes第一巻修了ということにしてもらいました。
 そして来月以降のレッスンなのですが……
「Altesは第二巻に入ると急に難しくなるの。だからその前に他の練習曲やデュエットをこなしておいたほうがいいわ。やっぱり『31選』(衛藤幸雄編『フルート名曲31選』ドレミ楽譜出版社、のこと。)がいいかしら……あなたどんな曲が吹きたい?」
 仕事でもそうだが、僕は自分のやりたいことを尋ねられると詰まってしまう。
「ええと……、バッハやテレマンかな。」
 とりあえず無難な回答が口から滑り出る。会社で生き残るために身に付けた技巧だ。
「そうなの? そこら辺が好きなんだ。ふーん。」
――見透かされた。
 彼女が不可解そうな顔をしたので僕はそう悟った。
「ではバッハの『無伴奏ソナタA-moll』はどうかしら?」
 彼女は楽器を手にしてその曲を奏でてみせた。
――これはいいな。
 なんとなく、とか、これで構わない、とかではなく、本当に自分に合っていることが感じられた。
 そう、ちょっと考えてみれば分かることだが、一口にバッハといっても多くの作品があり、それぞれ曲想は違う。「バッハが好きです」なんて答えることは、「今日の昼飯どうする?」と聞かれて、「うーん、あっさりしたもの。」と答えるのと同じくらい気合の入ってないいい加減な返事なのだ。
 にもかかわらず先生は、あえて僕の感性を汲み取って曲を選んでくれたのだ。


2003/08/27
 IBM箱崎にて、『徹底検証:DB2とOracle RAC』セミナーを受講。
 Oracle9iのRAC構成は、ノード間でのデータブロックのやりとりにオーバーヘッドがかかり、シングルインスタンス構成に比べてパフォーマンスが落ちるということだ。
 その主張にはある程度の説得力があったが、それに比べてDB2の説明には不安を感じた。
 UNDOセグメントに相当するものがない(更新前データはログにのみ記録される)ので読み取り一貫性が保証されない(!?)とか、SQLにヒント句が使えず実行計画の策定はCBOに任せるしかないなど……
 まずは"Oracle Master Platinum"取得のために努力するか…


2003/08/26
 目下われわれがシステム構築の提案活動をしている相手先企業の社長について、よからぬ情報が入ってきた。
 株・土地取引の不明瞭な点を監査役に追及され、社内での地位を追われたとのことだ。
 ところが、わが社のプロジェクトメンバー達はそういう情報を全く意に介さず、提案書作りに必死になっている。そして疑惑の渦中にいる社長になんとかコンタクトをとろうとしている。(逃げ回っていてなかなかつかまらない。あたりまえのことだが……)
「そこまでして仕事が欲しいのですか? われわれはコンサルタントやエンジニアである以前に、よき市民なのではありませんか? こんな仕事はやめましょう。」
 ……という趣旨のことを言ったが聞き入れてもらえなかった。
 社長が休暇から戻ったら直訴してみようか。


2003/08/25
 1年前退職した同僚がブラジルより帰国。(2002/09/03の日記参照) 話を聞きに行く。
 貧困地域でストリートチルドレンの更正のサポートをし、「社会企業家」になるためいろいろ学んでいたとのこと。
 「社会企業家」とは一般的には非営利の利他的活動(福祉、環境保護など)を営利事業として営む人のことらしい。
 そう聞いて私は、アダム・スミスが「共感」理論を基盤に社会分業論を構築したことを思い出した。
 対価を取るか取らないかという違いはあるにせよ、「他人が何を喜ぶか」、「社会で何が求められているか」を探り出すことが必要という点で、慈善と事業は共通している。
 それゆえ他人や社会のニーズに関心がない人は、慈善家にも企業家にもなれない。上司や客の指示に従って行動するサラリーマンにしかなれない。
 自分にしか関心を持たない人は、結局自律的に行動できないというこのパラドックス。
 そしてこれが今の私の姿だ……


2003/08/24
 早速(といっても夕方だが)SRを携えて公園に練習に行く。
 屋外で吹くとSRの音の力強さが際立つ。近くにトランペットを練習している人がいても、こちらの音はまったくかき消されず、自己主張する。
 だが他方で、いくつか不都合な点も見えてきた。
 まずリングキーのコントロールの難しさは、第一印象よりはるかに厳しい。昨日は音階練習だけだったのでそれほど感じなかったのだが、いざ曲を奏でようとすると、D、Eの音出しが頻繁に失敗してぜんぜん通しで吹けないのだ。
 次に、息の消費量が多くて、いつものブレスポイントまで息がもたない。
 さらに、管体が重くて右手の親指が痛くなる。
 吹きやすさという観点から言えば、これまでの211SUの方がよかった。
 しかしSRは、私の奏法の欠点をストレートに表現しているに過ぎないのだろう。ごまかしの効かないこの新しい楽器で、また基本レベルからやり直すしかない。


2003/08/23
 "MURAMATSU SR" 納品!
 2001年11月に発注してから1年9ヶ月、長かった……。
 それだけに感慨もひとしお。
 早速組み立て…ようとしたが頭部管と胴部管がうまく合わない?
 戸惑っていると先生がくすくす笑いながら声をかけた。
「頭部管にキャップが嵌っているのよ。」
 注意して見るとなるほど、薄いキャップがかぶさっている。ということは?と胴部管の足部管との接合部を見るとこちらにもキャップがはめられている。
 組み立てた楽器を構え、リップ・プレートに唇をあてると銀の香りがした。
 練習用のフレーズを吹いてみる。確かに音がいい。息を強く吹き込んでも音が割れない。低音部は厚みがあるし、高音域のFisを出すのに困難を感じない。
 こいつはいいな、と調子に乗って吹いていると、ふと音が鳴らなくなった。
 息をいくら吹き込んでもかすかで頼りない音しか出ない……!?
 先生が近寄ってきて僕の右手の中指に彼女の指を添えた。
「さあ、もう一回吹き込んでみて。」
 指をあてたまま彼女は言った。
 息を吹き込むと再び手ごたえのある音が出た。
「リングキーは、フィンガリングが少しでもずれていると音が出なくなるのよ。」
 結局、今日のレッスンは音階練習で終ってしまい、エチュードには入れなかった。
 帰宅後、新旧のフルートを並べて記念撮影。上が新の"MURAMATSU SR"。下が旧の"YAMAHA 211SU"。
 写真ではまったくわからないが、Eメカニズム・インラインの精巧さにはしばらく見とれてしまった。


2003/08/19
 プロジェクトメンバーと飲みに行く。
 皆、無理してでも高い収入が欲しい、いい車が欲しい、などと思っているようで、これでは私がうまくなじめないはずだと実感する。無理するくらいなら金がかかることはあきらめるからな、私は。
 でもこのような考え方は、このサイトの趣旨に反するのではないか……
 サイトをたたむか、あるいはサイトの趣旨をもっとまったりとしたものに変えるべきなのではないか。


2003/08/16-18
 4年ぶりに福岡県田川市の祖父母の家に帰省。
 会ってしばらくのうちは、「大学時代よりも立派になった」、「そりゃもう必死だから顔つきも変わるよ」といった和やかな会話が続いたのだが、やがて話題は結婚のことに移ってきた。
 祖母は「5年以内に結婚せい」というが、まったく無茶な要求だ。
 日々の仕事のために精神力の8割方を消耗しており、とてもじゃないが女の子とつきあう(つきあおうとする)余裕などない。
 また子供を育てるだけの収入も多分得られないだろうと思う。
 毎月30万円以上の年金を受けている立場から見れば、私の給料などまだまだ少ないと見えるらしい。
 だが私自身の見解としては、就職後ここ数年の年収増加ペースは人生最大の好景気の産物であり、今後は低成長時代が到来するだろう。
 要するに、収入、名誉、家族といった世間的観点からは、私の人生はしょぼいものになることが、ほぼ確定していると言ってよい。(なにしろもう30歳が間近に迫っているのだから先も見えるというものだ。)


2003/08/10
鬱な気分を吹き飛ばせ! ラテンジャズのストリートライブに行ってきたよ! の巻
 ……というわけで友人O氏を拉致誘って海ほたるまで車を飛ばし、「ボンコ・ラテンズ」のコンサートを見てきました。
海ほたるは東京湾に造られた人工島。残念だが軌道エレベータはない。
「ボンコ・ラテンズ」演奏写真1。巡回しているフルート関係サイトでこのライブの情報を入手した。特に演奏者と面識はない……
「ボンコ・ラテンズ」演奏写真2。ひょっとしたらMURAMATSU-PTPではないか?
某商業高校の吹奏楽部演奏。ねらってはいなかったが偶然出くわす。海ほたるはさまざまなミュージシャンに頻繁に利用されているらしい。
 ちなみに撮影には「Canon IXY400」を使用。サイズを縮めたため画質が落ちているが、元の写真は高画質です。


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