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Lesson 4. Dトリルキー

Date:2001/06/23 Text:トレバー・ワイ 初級用フルート教本 下 p.14

「フィンガリングと拍子感のトレーニングを兼ねて、装飾音符の練習をしましょうか。まず楽譜を一通り読んでみて。」

「『ド−レ−ド−シ−ラ』というフレーズが装飾音を使っているところですね?」

「そう。シの前についている小さなレとドが装飾音。このようにある音符の前にくっついている装飾音を「前打音」というの。」

「前打音を吹くときに気をつけなければいけないのはテンポよ。見た目とは違って、前打音はその前の音のフィールドに食い込ませて吹かなければいけないわ。」

 先生はホワイトボードにテンポのイメージを図示した。

「では吹いてごらんなさい。」

「はい。」

〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜

「うーん、テンポはあっているけど、装飾音のレからドに移る際に楽器が揺れて音が乱れるわね。」

「レからドに移るときに一気に指を離さなきゃいけないから、どうしても楽器がブレちゃうんですよ……」

「レ」の運指
左手 右手
人差し指 親指 中指 薬指 小指 人差し指 中指 薬指 小指
「ド」の運指
左手 右手
人差し指 親指 中指 薬指 小指 人差し指 中指 薬指 小指

「『どうしてもできない』なんて言葉は少なくとも100回は練習してから使いなさい。管を動かさずに指を運ぶことはフルート奏法の基本よ。これくらいできなければバッハやモーツァルトの曲など吹けるわけがないわ。」

 いつになく厳しい口調で先生は僕を戒めた。

「は、はい、すみません……」

「……そうは言っても、たしかにちょっと難しいわね。いいわ、楽な方法を教えましょう。ドの指使いで構えてごらんなさい。」

 僕がドの指使いをすると、彼女は妖しく微笑みながら近寄り、僕の中指をつまんでミとファの間にある細長いキーの上に置いた。

「これが『Dトリルキー』。音を出すとレの音が出るはずよ。」

 息を吹き込むとレの音が出た。

「ではもう一回。通しで吹いてみましょう。」

〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜

「ね。指の動作が少ないからスムーズに『レ−ド−シ−ラ』と運べるでしょう。」

「本当だ……でも先生。こんなキーがあるってことは、やっぱりレからドの素早い運指は難しいって一般に認められているんじゃないですか?」

「……えへへ、実は私もよく使うわ。」

「……」