小学生や中学生のころ、私は格好悪いこと、みっともないと思うこと、を極端におそれていた。

　身のほど知らずにも、ニのセンで、シリアスに生きてけるんだって、どっかで信じてたんだろうなぁ。

　周囲の目が絶えず気になっていたし、他人の考えを推し量っては、なんとか好かれようと、よく思われようと必死だったような気がする。「バレーボールが大好きだった」に書いてた中学生の頃は、あんまり好かれようとは思ってなかったのだろうけど、それでも群れるのが格好悪いって思ったからこそ（不良だったって意味ではなく）つっぱってたわけだし。そういう意味では他人の目を一番気にしてたのも、あの頃だったんじゃないかって思う。基本的なところは、ずっと変わってなかったんだろうな。

　実像はさておき、とりあえずおとな相手にしたらそとづらは良かったし、近所でも評判の「いい子ちゃん」だった。多分。

　そういうのって、ずっとやってりゃ、もう条件反射みたいなもんになるし。それほど苦でもなかった。というか、それが普通だって思ってたんだろうな。

　そうしてなにがきっかけだったのか、なにが転機になったのかはまったく思い出せないのだけど、いつかそういうのが面倒くさいと思うようになった。他人の目を気にするのがたるい、って思うようになった。

　ぶっちゃけた話、結局こういうのって開き直った、ということなんだと思うんだけどね。

　私は開き直った。

　そして、もう格好悪くてもみっともなくても、なんでもいいやって思うようになった。

　で、いつのまにか、それどころかドジをふんで笑われても「へへん。笑いをとってやったぜ！」なんて得意な気持ちになったりするようになってしまった。ドジをふんでも暗〜い顔して俯くかわりにでへへ、と笑って頭をかいてられるようになっちゃった。

　「ステキな人」とか「格好いい人」とかよりも「面白い奴」と思われたい。

　そして、これは楽だって気がついた。格好いいとかかしこいとか、そういう印象を他人に持ってもらうには努力がいるけど、単に面白いだけなら間抜けな地でいけばＯＫだから。

　楽だってのはいい。日々は生きやすくなった。つっぱることも背伸びすることもいらない。

　さて、これは大人になったってことなんだろうか？　それとも、努力することを放棄した、単なる怠け者になったってことなのか？

　どっちだかは、解らない。ときには見栄はってみることも必要かも知れない。多少の努力もＴＰＯを考えた背伸びだって、大事なこともあるのかも知れない。ここいっぱつ、この人にだけはよく思われたいって気持ちは、今となってはとても新鮮で貴重なものにも思えるから。

　ただ、そういうのは「いつも」じゃなくていい。ここぞってときだけ頑張ればいい。

　昨今よく耳にする「ひきこもり」なんて言葉のせいで考えた。

　対人関係が苦手なのや、苦手だと自覚してないけど不器用で下手くそなのは、子供だけじゃない。大人だって、正直過ぎたり、言葉が足りなかったり、感情が先行しすぎたりして周囲といまいちうまくやってけてない奴なんかやまほどいる。

　みんな開き直ってしまえ！

　と、無責任にも考えてしまう。もっと、楽をしようよ、って。

　もちろん「格好いい人」や「ステキな人」が、世の中から一掃されてみんながみんな「面白い奴」ばかりになってしまったら、日々は明るく楽しくなるかも知れないけど、ちょっと潤いが足りなくなる。このあふれる煩悩が行き場を失くす。

　それは困る。大変困る。

　だから開きなおってもいい「みんな」のなかに火村は入れてあげない。

　ほかにも、あの人やこの人や・・・。入れてあげられない人はたくさんいる。

　気障な格好つけでも、そうしててもらいたいって思う人もいる。

　それにきっと、地でいって開き直っても生まれつき格好いい人だってたまにはいるんじゃないかと思う。そういう人は、そのまんまで無理なく格好いいんだろう。ただ、火村はけっこう、地でいったら面白そう、と思ってしまったりするから・・・。

　だけど火村だって、アリスのまえでだけなら開き直ってもいいよ、って思う。

　アイドルや俳優だって、営業用と私用をしっかり分けてくれれば文句はない。オンとオフのめりはりがきいてるほうが、誰だって魅力的に見えるだろう。

　いろんな事情があって、うまくやってけない人、ひきこもる子供。そんな単純な話ではないのかも知れない。たいした悩みもなく育った私あたりが、こんなことを言ってるのは不謹慎なのかも、とも思う。

　だけど、難しく考えるから、問題はますます複雑に錯綜していってしまうってこともあるんじゃないかな？

　解りやすいのが一番、楽しいのがなにより、見栄はらないで地でいきゃあいいよ。

　いい歳して●●●が好きだなんて、恥ずかしくて大きな声ではとても言えない。な〜んて、考えも、とっくに捨ててしまった。（●のなかには、好きな文字を入れて遊んでください）

　そんなわけで、今、私には好きなものがたくさんある。なにが好きかは、掲示板や日記にやまほど書きまくってて、それがまた楽しい。

　みんな地でいって、参加してくれると嬉しい。なにが好きか、教えてほしい。面白いことがあったら、聞かせてほしい。

　気楽にいこう！　ここのサイトへの参加も、オフ会への参加もみんな。（もしかして、オフ会終わってからここを読んだかた、いたらごめんなさい。またそのうちやると思うので、そのときはよろしくです）

　結局、言いたいことはそれかい。て思われたかな？

　まぁ、そんなもんです。明るく楽しく、面白おかしく。きっとそれは簡単なこと。

2000年3月4日