WSHを導入するには?
では次にWSHをどうやってインストールして、どうやって使える状態にするか、そして基本的な使用法について述べたいと思います。2001/11/07現在、Windows Script5.6に含まれているWSH5.6が最新バージョンです。
※まず、何はなくとも、Microsoftの公式ページを「お気に入り」に入れておきましょう。
各OSでのインストール方法
Windows95にインストールする場合
OSR2.0未満の場合、Internet Explorer4.0以上もしくはDCOMが必要です。まずはインストールしておいてください。
続いて Windows Script5.5のダウンロードページでWSHをダウンロードします。
(DCOMのページは、このページのリンクからたどれます)
WSH5.6は、どうやらWin95はサポート対象外になったようですので、WSH5.5をお使いください。
WindowsNT4.0にインストールする場合
Windows ScriptのダウンロードページからWSH5.6(scr56jp.exe)をダウンロードします。
Windows98にインストールする場合
WSH1.0があらかじめインストールされていますが、Windows ScriptのダウンロードページからWSH5.6(scr56jp.exe)をダウンロードしてアップデートすることを勧めます。
Windows2000にインストールする場合
WSH2.0があらかじめインストールされていますが、Windows ScriptのダウンロードページからWSH5.6(scriptjp.exe)をダウンロードしてアップデートすることを勧めます。
WindowsMEにインストールする場合
WSH5.5があらかじめインストールされていますが、Windows ScriptのダウンロードページからWSH5.6(scr56jp.exe)をダウンロードしてアップデートすることを勧めます。
WindowsXPにインストールする場合
最新版のWSH5.6がインストールされています。
ヘルプについて
ヘルプは、Windows Scriptのページに、日本語のものがあります(scd56jp.exe)。このヘルプには、VBScript、JScript、WSHのリファレンスおよびサンプルが含まれています。
基本的な使い方
インストールはうまくいきましたか?エクスプローラでWindowsフォルダを開いてみてください。「wscript.exe」というアプリケーションがあると思います。これがWSHの実行ファイルですね。コマンドプロンプトから使用する「cscript.exe」もあります(%Windir%\command\にあります)。
次にサンプルスクリプトを使ってみましょう。サンプルスクリプトは、%windir%\SAMPLES\WSHにあります。ここには、拡張子jsのファイルと拡張子vbsのファイルがありますね。*.jsは、JScriptで書かれたWSH用のスクリプトファイルで、*.vbsはVBスクリプトで書かれたWSH用のスクリプトファイルです。これらのファイルはどちらも前述の「wscript.exe」に関連づけされているため、ダブルクリックして実行させると、「wscript.exe」にスクリプトファイルが読み込まれ、その内容が実行されるようになっています。
では、shortcut.vbsを実行(ダブルクリック)してみてください。このスクリプトは、デスクトップにメモ帳のショートカットを作るものです。説明のダイアログで「OK」を押すと、デスクトップにメモ帳へのショートカットが作成されたと思います。
また、スクリプトをDOSプロンプトで実行させることもできます。shortcut.vbsの右クリックメニューから「MS-DOSプロンプトで開く」を選んでください。DOS窓が開き、このスクリプトが実行されます。一部のメッセージはDOS窓に直接表示されるのがおわかりいただけますでしょうか?(表示が一瞬なのでわかりにくいですが)
ちなみにこのとき実行されているのはcscript.exeですが、このプログラムはWin32アプリなので、DOSモードでは動作しません。
cscript.exeにはいくつかのコマンドラインオプションが存在します。DOSプロンプトで、cscript.exe
//? と入力すると、オプションの一覧が表示されるので参考にしてください。また、
ここにオプションの詳細な説明を書いておきました。
次にshortcut.vbsには何が書かれているか、ちょっと見てみましょう。shortcut.vbsをメモ帳等で開いてみましょう。先ほど作成したメモ帳へのショートカットにドラッグアンドドロップしてもいいですよ。このvbsファイルは、テキストファイルなので、テキストエディタで編集することができるのです。はじめての方は、見ても何がなんだかわからないかもしれませんが、ここではvbsファイルがテキストファイルであることがわかればOKです。
スクリプトを書くのに最適なエディタは?
次に、スクリプトを記述するときに使うエディタを用意します。
VBScriptやJScriptを書くのは、テキストエディタであれば基本的になんでも可能です。メモ帳でもできることはできます。しかし、メモ帳は本当に基本的な機能しか持っていないので、他のエディタを使った方が効率アップすること間違いなしです。
では、どんなテキストエディタがスクリプトエディタとして優れているでしょうか。
1の機能を持ったエディタは数多くありますが、2の機能をもったものはそうありませんね(EmEditor、K2Editor、ViVi、秀丸、WZEditorなど。結構あるじゃないか(爆))。3の機能は、エディタのマクロ機能で実現できる場合もあると思います。フリーや安価なシェアウェアでマクロをそなえているエディタってそうないですよね。
まあ、メモ帳ユーザーの方には、とりあえず自動インデントのできるエディタに乗り換えることをおすすめします。皆さんもおすすめのエディタ(できればフリーの)があれば教えてくださいね。おまけ(笑)
VBやOfficeを持っている方は、VB(VBA)のコードエディタでVBSを書くという手もありますね。VBとVBSの仕様の差がネックになりますが…。
Office2000にはMicrosoft Script Editorというツールが付属しているそうで、これを利用するのもいいでしょう。
また、Visual Studio(Visual Basicはこれの一部です)にも同様のエディタが付属しているそうです。
WSHに適したエディタのあるページへのリンクをまとめました。リンクのページへどうぞ。
WSHファイルについて
最後にWSHファイルについて説明しておきましょう。まずは、先ほどのshortcut.vbsを右クリックして、プロパティを出してください。すると、「全般」タブの他に「スクリプト」タグがあります。では、「指定した時間の後、スクリプトを停止する」にチェックを入れて、「OK」してみます。すると、同じフォルダにショートカットのマークがついた、「shortcut.wsh」というファイルが作られます。このファイルは、対応するvbsファイルやjsファイルの動作を規定するファイルです。この場合、「起動して10秒で処理を中止する」という動作になるわけです。shortcut.wshを起動すると、shortcut.vbsが動作しますが、10秒間ほっておくと、ダイアログが勝手に消えるようになります。まあ、WSHファイルは、vbsやjsファイルの一種のショートカットファイルといえると思います。
このWSHファイルはテキストファイル(INIファイルに似ている)なので、直接テキストエディタで書き換えることもできます。
なお、wscript.exeをオプションなしで実行すると、スクリプトのプロパティと同様のウィンドウが表示されると思いますが、ここで設定した内容は、すべてのスクリプトの動作に影響するようになります。
さてさて、これでインストールもできたし、スクリプトを書く環境も整ったし、基本的な使い方もご理解いただけたんじゃないでしょうか。次は、WSHで使用する言語のうち、「VBスクリプト(VBS)」について解説していきたいと思います。