飛鳥新社/2000年4月/4-87031-395-2

 作家の値うち 福田和也
 読書ガイドとして効果を発揮

 この本を読んで読書量が増えた。
 ぺらぺらと眺めていると、「これ読んでみたいな。」とか「これも面白そうだな。」と、本が読みたくなってくる。
 元来、現在出版されている岩波文庫を紹介した「岩波文庫解説目録」(タイミングがいいと書店でもらえる)を眺めていても楽しい質なので、そこに主観が入ってくるとまた面白い。
 人にススメられた本はやはり読みたくなってしまう。

 現代作家100人の主要作品574点を、100点満点で採点したブックガイド。 作品の評価を数値化してしまうというのは、賛否両論あるだろうが、やはり理解はしやすく、また数多く作品を扱う場合はわかりやすい。

 低い得点をつけられた作品も数多く、つけられた当人やファンにすればあまりいい気はしないであろうが、作品は作家の手を離れたら一人歩きするものだと思うので、誰にどう批評されようが、後は気にするかしないかという問題ではないだろうか。
 低い点数までしっかりとつけていることによって、相対的に高得点の作品を、より価値のあるものとしている。どれも80点を越えているような点数のつけ方だと、結局どの本をいいと言っているのかわからなくなってしまう。
 この本では60点を越えているぐらいで、十分に読む価値があるという点数のつけ方なので、80、90点を越えているような作品は、かなりのオススメ本ということ。

 現在のように大量の本が出版されていると、その中から良質の本を見つけるのには、技術や運も必要となってしまう。
 何を読もうか迷っている時、オススメの一冊。



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