ファクス機能完全活用のヒント

はじめに
《このページは作成時点からかなりの年月が経過している上に、記載内容が更新されておりません》
 ファクスの普及率は、現在は家庭でも4割を超えているようですし、会社や商店ではファクスがあるのは当り前です。 パソコンの通信機能を利用している人も増えましたが、パソコンでもファクスの送受信が可能です。 通信費の点からも、以前に比べるとファクスは随分利用しやすくなっています。 この手軽な情報端末機としてのファクシミリの可能性を、あなたは十分に活用されているでしょうか?
 このページでは、ファクスの利便性を向上させるファクシミリ通信網サービスや、ファクスを使った情報提供サービスの活用法などについて、個人的に調べた結果をまとめてあります。 せっかくのファクスの機能を眠らせてしまわないためにも、以下の情報を参考にしていただけましたら幸いです。

Fネットとは

 Fネットは、旧NTTのファクシミリ通信及びファイル転送専用の通信網です。 Fネットの加入者は下記のようなサービスが利用できました。 しかし現在は、Fネットとしての加入受付けは行われていないようです。 今では電話料金値下げなどにより通信料が割高になってしまったため、その利用価値は大きく低下しています。
 Fネットの通信料は、画質モード、距離、時間帯、送信枚数に応じて計算され、付加サービスを利用しなければ月々の固定費はゼロです。

InternetFAX とは

 InternetFAX (iFAX) は、かつて「テガルス」と呼ばれていたサービスが機能強化に伴って改称された、NTTコミュニケーションズのファクシミリ通信網サービスです。 Fネットよりも低料金でのファクス送信と、Eメールの機能を使ったファクス送受信が可能です。 WWWブラウザから情報を入力してファクス送信したり、配送状況を確認したりできるWEBサービスもあります。
 iFAX には、次の三つのサービス形態があります。
 iFAX の通信料は、送信時間帯と送信枚数に応じて計算され、付加機能を利用しなければ月々の固定費はゼロです。 Fネット加入者が iFAX の「グループ指定通信機能」(オプション)を契約することもできるようです。

FネットとiFAXの主な違い

機能など Fネット iFAX(FAX接続型)
一ヵ所への送信操作 161,電話番号 003502,電話番号
電話番号指定同報の操作 162,#213電話番号*...*電話番号# 003501,#213電話番号*...*電話番号##
通信料(B4,A4/Page) 昼間:40〜70円、夜間:25〜40円 昼間:25円、夜間・土日祝日:19円
配送遅延 1時間以内 3時間以内
夜間配送指定 送信開始時刻を指定
配送結果通知 個別に指定(5円) 初期設定は通知なし。通知も可能。
再コール回数 2分間隔で5回(変更可能) 2分間隔で15回
グループ指定通信使用料 月額100〜2800円 月額100円
宛名表示 × 宛先リストの登録時に、宛名指定可能。
親展通信 ×
G4モード ×

iFAXの通信料と通話料金(ファクス利用)の比較

通信時間分:秒
時間帯
距離
原稿枚数
通常の通話料金対比
iFAXの通信料
0033の通話料金
料金は2008年7月時点のNTT国内通話料金に従って算出したものです。(消費税を含まず)
“0033の通話料金”は、マイラインプラスで「プラチナ・ライン」を選択した場合の料金です。

iFAXを使う方が割安になる条件

 iFAXによるファクス送信は、1ページ当りの情報量が多い(送信に時間が掛る)原稿ほど、費用の点でオトクになります。 それは、電話回線では相手との距離の長短に加えて、送信時間が長くなるほど料金も高くなるのに対し、iFAXでは、送信にかかる時間とは無関係に原稿枚数から通信料が計算されるからです。
 従って、iFAXを使うのなら、ファイン(高画質)モードを積極的に使うべきです。 ファインモードを使った場合の送信にかかる時間は、標準モードの1.7倍くらいになるようですが、iFAXでは送信時間・画質モード共に料金に影響しないので、画質の劣化が少ないことを重視すべきなのです。

 しかしながら、iFAXを使うと料金が割高になってしまう場合も少なくありません。そこで、旧来のNTT回線の通話料金と比較してiFAXで送った方が割安になる、原稿が一枚の場合の下限の送信時間を、一つの目安として次の表にまとめました。(割引サービスの利用なし)
 ダイヤルして相手に繋がってから送信が完了するまでの時間が、次の表中の時間を超える場合は、iFAXで送信した方が料金が安くなるはずです。

↓時間帯/距離→  県内60km〜  県外30〜60km 県外60〜100km 県外100km〜
平日の8:00〜18:59 1分31秒 1分31秒 1分01秒 46秒
19:00〜22:59,土日祝日の昼 1分01秒 1分01秒 46秒 27秒
23:00〜07:59 1分31秒 1分16秒 1分01秒 46秒
(2008年7月作成)

 なお、ファクスの送信時間は、原稿の内容と画質モード(=画像化後の情報量)に加えて、お使いのファクシミリ及び送信先のファクシミリの性能や、電話回線の状態(ノイズの程度など)によって変動します。従って、電話回線を利用して同一原稿を複数の相手に送信する場合は、それぞれの送信にかかる時間が明らかに異なる可能性があります。

 原稿一枚のファクス送信にかかる時間が上記の値を下回る場合には、通信料金の安さだけで判断するならば、iFAXでなく通常の電話回線を使って送信した方が良いということになります。 しかし実際には、相手ファクス機が使用中だった場合や、送信中にエラーが発生した場合の再送信の手間(電話料金も余計にかかる)や、同報で長時間使用するとこちらに送信しようとしている人に迷惑を掛ける、といった可能性なども考慮して送信方法を選ぶ必要があるでしょう。
 また、Fネット/iFAXでは送信データをNTT側で一旦蓄積してから相手のファクスに送信するので、送信した原稿が相手ファクスに送信されるまでに時間差があります。 この遅れは通信回線の混雑の度合いで変わり、通常は問題にならない程度のようですが、送信原稿をすぐに相手先に届けたい時は、通常のダイヤル操作(電話回線)で送信する方が確実です。

画質モードの使い分け

 手書きの、大きめの文字だけの原稿ならば、標準モードで送っても、受け取った人がその文字を判読できないことは少ないでしょう。 しかし、小さな活字を使っている印刷物や、細かな線などを忠実に再現する必要のある図面などを送信する場合には、ファイン(高画質)モードを選択して送らなければ、送信先では内容の判読が難しくなってしまいます。 ファインモードでは標準モードの半分の幅(1/7.7mm)で行を分割して画像化するので、横線が消えてしまったり太くなってつぶれてしまうことが殆どなくなります。 その反面、送信する情報量が増えるため、送信時間は標準モードよりも長くかかります。
 ちなみに、FネットとiFAXには自己宛に原稿を送信する送信テスト機能があり、それを利用すれば原稿が送信先にどのようなイメージで届くのかを事前に確認することができます。

ファクシミリ案内サービス

 このサービスは、情報提供者から送信されたファクス原稿をホスト・コンピュータに保管し、その原稿を全国のファクスで選択的に取り出せるようにした、NTTコミュニケーションズのFAX情報サービスです。 Fネットに加えて、iFAXでも同様のサービスが提供されています。

「ファクシミリ案内サービス」の長所

「ファクシミリ案内サービス」の短所


パソコンのファクス機能の活用

 パソコンで作った文書等をファクスで送信したい時は、FAXソフトを使えば、ペーパーレスで、しかも複数の宛先に自動ダイヤルで送信できるので大変便利です。 FAXソフトには電話帳機能などの便利な機能もありますから、定型業務でファクスを活用される場合には特に威力を発揮するでしょう。
 しかし、FAXソフトを使ったことがある人でも、ファクスの受信に使ったことがある人は少ないのではないでしょうか。 いつ送られてくるか分からないファクスのために、パソコンを常時スタンバイさせておくことはできませんから、パソコンはファクスの受信にはあまり使えません。 しかしながら、自分からダイヤルして欲しい情報を入手できる、取り出し型のFAX情報サービスを利用するのなら、FAXソフトの受信機能が生かせます。 パソコンを使えば、ちょっと見るだけのために紙を消費する必要がありませんし、必要ならばあとで印刷もでき、そのままハードディスクに保存することもできます。
 なお、FAXソフトを使ってファクスの送受信をするためには、FAXモデムが必要です。殆どのモデムにはファクス機能が備わっているはずです。

取り出し型のFAX情報サービス

 取り出し型のFAX情報サービスによって、全国各地でいろいろな情報が提供されています。 このサービスには複数の方式がありますが、多く採用されているのはガイダンス方式です。 ガイダンス方式では、電話がつながるとインデクス(メニュー)の取り出し方などが音声で案内されるので、それに従って希望する情報番号をプッシュし、自ら受信ボタンを押して、即時に送られて来る情報を受信します。 但し、お使いの回線が通常のダイヤル回線(パルス方式)の場合は、ダイヤルしたあとにトーンボタンを押してトーン発信(PB信号)に切り替える操作が必要です。(これはプッシュ回線では不要のため案内されない場合が多い。) ちなみに、トーン発信方式でダイヤルできるようにする(プッシュ回線利用)にはNTTへの申し込みが必要で、月額料金の支払いも必要です。
 大抵の取り出し型FAX情報サービスは、誰でも24時間利用できるようになっているのが普通です。 利用料は、フリーダイヤルによるサービスならば無料ですが、多くは通常の通話料が掛かり、ダイヤルQ2を使った有料サービスもあります。
 NTTの『タウンページ』では、公共機関が行っているFAX情報サービスがいくつか紹介されており、会社などが実施するサービスも見つかるかもしれませんので、一度お調べになることをお勧めします。

 パソコンを使ってFAX情報サービスを利用する時の操作は、まずFAXソフトを手動受信を始められるように準備した上で、ダイヤル操作と情報番号の入力を電話機で行い、ファクスの発信音が聞こえたら手動でパソコンによる受信を開始して、受話器を置きます。 (モデムに切り替われば通話は切れません。) 予めFAXソフトの受信のための諸設定を適切に行なっておくことにも注意が必要です。

ファクスのポーリング送信機能

 これは、ポーリング送信機能のあるファクスで予めポーリング送信の準備をしておくと、そのファクスに他のファクスからダイヤルすることにより、用意された原稿を受信することができるという機能です。
 ただし、ポーリング受信の機能がないファクス及びFAXソフトでは受信できません。 また、24時間、何度でも取り出せるようにするには原稿をメモリーに読み込ませる必要がありますが、そのために、送信できる内容はメモリーの容量によって制約されます。 このような問題点もあるものの、機械任せで大変手軽に情報発信ができるという利点があります。

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