〔 目次 〕 |
抗がんサプリメントの総合評価 |
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抗がんサプリの種類/レベル/評価のポイント |
はじめに ― 抗がんサプリメントは使い方を間違えると命を縮める! |
- 儲け主義の悪徳業者が生き残る抗がんサプリメント市場
「がん患者の弱みにつけこんで、「がんに効く健康食品やサプリメント」が数多く販売され、 それらを宣伝するための本も数多く出版されています。」
- 宣伝本では副作用など都合の悪い事実は隠される
「がんの種類によっては、使ってはいけない健康食品もあり、 間違った使用により副作用が出る場合もある」
- まかり通る違法行為によってがん悪化や健康被害も
「『がんが治る』という抗がんサプリの宣伝を信じて、西洋医学の標準的な治療を 拒否してしまい、手遅れになることもよく見受けられます。」
- 抗がんサプリの危険性や警告が消費者に十分伝わっていない
「医学の論文を検索すると、健康食品をがん患者に使用する場合の 問題点を指摘した報告は数多くあります。」
- 抗がんサプリの有効性を「星の数」で評価
「本書では、抗がんサプリの有効性の評価を『星の数』で表現するとともに、 抗がんサプリを使用する場合の危険性や問題点をまとめました。」
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1. |
抗がんサプリメントの常識・非常識 ― 後悔しないために、これだけは知っておきたい |
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- 細胞実験や動物実験だけで、人間のがんに効くとはいえない
- 試験管内の作用が人間の生体で起こるのは、ほんのわずか
- ネズミに効いても、人間に効くという保証はない
- 人間を対象にした試験で有効性が確かめられたものは、ほんのわずか
- 抗がんサプリメントの有効性はエビデンスの質のレベルにより「星の数」で評価
- 抗がんサプリだけが、オールマイティにがんに効くわけではない
- 野菜には数多くの抗がん成分がある
- キノコ類や海草類よりも、ニンニク・キャベツのほうが効果は高い?
- 抗がんサプリや漢方薬には、副作用がないというのは誤り
- 健康食品が原因で起こる副作用や中毒症状は稀ではない
- 外国から輸入された漢方薬や健康食品は要注意!
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2. |
成分別 抗がんサプリメント徹底検証 ― 有効性を「星の数」で評価 |
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(1) βグルカン(アガリクス等キノコ類) ― 免疫力を高めると悪化するがんや病気もある |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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- [図解1] がん細胞に対する免疫力(腫瘍免疫)の仕組み
- [図解2] マクロファージによる炎症反応の二面性
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(2) 抗酸化性ビタミン(βカロテン・ビタミンC等) ― 抗がん剤・放射線治療との併用に賛否両論あり |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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- [図解3] 酸化とは?
- [図解4] 活性酸素、フリーラジカルとは
- [図解5] 放射線と抗がん剤の破壊力のもとは、フリーラジカル
- [図解6] 酸化ストレスを増大させる治療は、がんを促進させる
- [メモ1] 酸化ストレスは、がんを悪化させる
- [メモ2] 抗がん剤は、発がん剤という矛盾
- [メモ3] 抗がん剤治療中に抗酸化物質の豊富なサプリメントは有益か有害か?
- [メモ4] 抗がん剤治療中の抗酸化剤使用の是非に関する論争
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(3) 大豆イソフラボン ― エストロゲン依存性の腫瘍(乳がん・子宮体がん等)には、増殖や転移を促す危険性がある |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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- [メモ5] 大豆イソフラボンの成分 ― ゲニステインとゲニスチン
- [メモ6] 賛否両論!! 大豆イソフラボンと乳がんの関係性
- [メモ7] 多くの植物にフィトエストロゲンが含まれている
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(4) 高麗人参 ― 自然治癒を高める一方で、がんを促進する可能性も |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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- [メモ8] 高麗人参(Ginseng)は万能薬
- [メモ9] 乳がん患者に、高麗人参を避ける根拠はない
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(5) サメ軟骨エキス、サメ脂質 ― 胎児の発育、ケガ治癒の妨害の恐れも |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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- [メモ10] がんや炎症性疾患の治療に応用されるサリドマイド
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(6) アポトーシス(細胞死)を誘導する抗がんサプリメント(フコイダン、プロポリス等) ― がんを特異的に攻撃できるサプリはいまだ研究途上 |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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- [図解7] アポトーシスとは
- [図解8] アポトーシスのメカニズム
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(7) ω3不飽和脂肪酸 ― 手術時、抗がん剤治療中の過剰摂取は危険 |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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- [図解9] 不飽和脂肪酸にはω3系とω6系の2種類がある
- [図解10] ω3系/ω6系の比を上げると、がん細胞はおとなしくなる
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(8) 漢方薬 ― 使い方を誤ると副作用、相互作用が害を及ぼす |
- がんに効果があるという根拠は
- がんに対する有効性は
- どんな効果が期待できるか
- 注意すべき副作用や問題点は
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(9) その他の抗がんサプリメント ― 薬剤との相互作用、副作用などに注意し、過剰摂取をさけるべき |
- ポリフェノール類(フラボノイド、茶カテキン、イチョウ葉エキスなど)
- ミネラル(セレン、亜鉛ほか)
- 食物繊維(水溶性食物繊維、キチン・キトサン、フコイダンなど)
- ニンニク、生姜
- セント・ジョンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)
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3. |
これであなたも惑わされない! ― 抗がんサプリメントをめぐるインチキ行為から逃れる方法 |
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- 「がんに効く驚異の○○」は法律違反
- 抗がん作用の宣伝は薬事法や健康増進法に違反する
- “阻止率96.7%”にはカラクリがある!
- 二重盲検を経て、はじめて“がんに効く”と断定できる
- 個人の体験談も“分母”がわからなければ話にならない
- バイブル本は健康増進法違反
- 代替医療の医師は業者に利用されやすい
- 巧みな言葉とデータのカラクリを見抜くべし
- 悪い業者の見分け方
- 被害にあった場合は泣き寝入りせず訴えよう!
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あとがき ― 抗がんサプリメントは、良い面、悪い面の両方をもっている |
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「がん治療において健康食品が良い面と悪い面の両方をもっていても、良い面だけが広まって、 悪い面は闇に葬られる運命にあると言えます。しかし、私のようにがん代替医療の現場にいて、 抗がんサプリメントを使用している多くの患者さんを診ていると、抗がんサプリメントの悪い面の 体験談や実例を多く経験します。」
「抗がんサプリメントには落とし穴もあるという事実、そして、科学的な検証の乏しい 抗がんサプリの情報があまりに多いということを、多くの方に理解していただけたら、 本書の目的は達せられたと思います。」 (本文より) |
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