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There is no accounting for tastes...real intention or principle? 〜カップリングなりきり100の質問表編〜 ある晴れた日。 いつものように獅子走の家に泊まりに来ていた鷲尾岳は、郵便受けに一通の封筒を見つけた。 何やら嫌な予感がし裏を返しても差出人の名前はなく、消印も馴染みのない地名のもの。歴史や観光等で有名な土地なので、見覚えはある―――見覚えあるどころか先週走の車でドライブに行ったばかりの場所だ。 しかし、そこに住んでいる知り合いも、ダイレクトメールを送ってくれるような行きつけの店も皆無の筈。 「走、変な手紙」 「は?」 岳の手からひんやりとした感触の封書を受け取ったはいいものの、受取人である走にも全く覚えなどない。 しかし、気味悪がっていても始まらないので、とりあえずは開けてみることにする。 「なんだろ…あ、なんか紙入ってる」 鋏をテーブルの上に置いて、封筒の中を覗くと、中には三ッ折されたB5サイズの冊子が入っていた。髪質と印刷の具合と、綴じ込みに使われているホッチキスを見る限り、自主制作のものではなく、何かの組織が制作したものだろうか。 「なになに…『おめでとうございます!このアンケートに答えて貴方もハワイ行き!』」 「胡散くせーなぁ」 横から覗きこんでいた岳が呟く。 「『この冊子に直接解答を書き込めば、憧れのハワイ旅行!』だってさ」 「何が憧れの――だよ。何十年前だっつの」 「寒いなぁ……って岳!!…何鉛筆持ってんのさ!」 「何ィ!?と…とれねぇ!…お前こそなんでペン持ってんだよ!」 おやおや〜どうしたことでしょう。 どうやらアンケートに答え終らない限り、二人の手からペンが離される事は叶わないようです。 がんばれ、ガオレンジャー。 負けるな、ガオレンジャー。 (注:原則として質問の直ぐ下の答は獣医のもの。二行目の解答が鷲のものです。質問ナンバー6番は例外。見辛くてすみません〜!) 1 あなたの名前を教えてください 「基本だね。『獅子走』っと」 「鷲尾岳」 2 年齢は? 「10月18日生まれの24歳」 「10月4日生まれの23歳」 3 性別は? 「二人一緒でいいか。『男』」 4 貴方の性格は? 「偽善者」(にっこり) 「頑固」 「あ、解ってんじゃん岳」 「お前もな」 5 相手の性格は? 「『優しくて紳士で…』っておい走!自分で自分の性格答えてどうすんだよ!」 「まぁまぁ。岳はこれね」 「?」 「『甘いもの好き』」 6 二人の出会いはいつ?どこで? 「どっかの植えこみ」 「同じく。場所は覚えてねーなぁ」 「去年の二月だったよね」 「ガオジャケじゃ寒かったな」 7 相手の第一印象は? 「痛ッ!!」 「へっ。鍛えてなかったんじゃねぇの?」 8 相手のどんなところが好き? 「聞きたいの?五時間はかかるのに」 「和食がうまい」 「ちょっと岳。それないんじゃない?」 「うるせぇ」 9 相手のどんなところが嫌い? 「手厳しい。まあ好きだってだけで何でも許せる程若くないからね。俺も岳も」 「抜かずの三発」 「ほら手厳しいだろ?」 「うるせぇエロ獣医」 10 貴方と相手の相性はいいと思う? 「良いと思う?」 「俺に聞くなって。ああ、でも今までの相手の中で一番長続きしてっかも」 「俺も」 11 相手のことを何で呼んでる? 「岳」 「走」 12 相手に何て呼ばれたい? 「最終的には「おい」「あなた」の夫婦関係に持ち込みたい」 「将来的な展望なんて誰も聞いてねぇよ」 「岳はどうなのさ」 「知らね」 13 相手を動物に例えたら何? 「鷲」 「獅子」 「芸ないね俺たち」 「まぁインパクト強かったからな」 「で、ホントのとこどうなの」 「犬。人懐こいし人選んで懐くから。昔飼ってたのに似てる」 「俺は兎」 「なんで」 「白いから」 14 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる? 「服とかアクセとか見立てるの好きなんで、身に付ける物系」 「料理。あと本皮のキーケース。欲しがってたよなお前」 15 プレゼントをもらうとしたら何がほしい? 「別に何でも」 「俺も何でもいい」 「岳は自分にリボンつけてくれればいいから」 「ベタなモン好きだなぁお前」 16 相手に対して不満はある?それはどんなこと? 「別にない」 「ふっふっふ…この質問の為に俺は鉛筆削って待ってたんだ!」 「ていっ」(ぺきっ) 「ああああ…」(涙) 「ほら、はやく次の質問答えなきゃ」(にっこり) 17 貴方の癖って何? 「考え事する時にペンをくるくる回す」 「身体の右側を下にして寝る」 「あーあれ癖だったんだ!通りで左側にいるとき腕まくらし難いと思った」 18 相手の癖って何? 「嫌なことがあると料理の味が変わる」 「何か企んでる時、口の右端が歪む」 19 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは? 「特にないかなー」 「前は煙草。今は慣れてオールオッケー」 「ありがと」 「いや」 20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何? 「シたくない時に誘うと嫌がる」 「当たり前だろ」 21 二人はどこまでの関係? 「やることはやってます」 「後は籍入れるだけってヤツだな」 「ノリいいじゃん岳」 「こうやって書いた方が喜ばれるんじゃね?」 22 二人の初デートはどこ? 「どれが初デートだろ…」 「忘れた」 「海…じゃなかったっけ」 「かもしんねぇ」 23 その時の二人の雰囲気は? 「何、こんなことまで聞かれるの?」 「な。雰囲気もなにも…普通?」(素) 「うん。普通だった」(素) 24 その時どこまで進んだ? 「進むっていうか…デート前に全部済んでた」 「ただ二人で話しただけ」 25 よく行くデートスポットは? 「江ノ島、月麿のプールバー、渋谷とか代官山」 「海が多いよな」 「だよね。たまには山もいいかも。岳がバイク買ったら長野行こうよ」 「ツーリング?いいぜ」 26 相手の誕生日。どう演出する? 「予定が合えば一緒にいる」 「プレゼントくらいは用意してやる」 27 告白はどちらから? 「俺」 「(思い出して僅かに顔赤らめ)…ノーコメント」 28 相手のことを、どれくらい好き? 「手放せっていわれても、ちょっと出来ない」(素) 「居心地良い」(素) 29 では、愛してる? 「うん。今更愛だの恋だのいう年じゃないけどね」 「愛がなきゃしねーだろってこと出来てるから愛してんじゃねぇの?」 30 言われると弱い相手の一言は? 「『チョコ』これ以上食べさせちゃだめだと思いつつあげちゃう」 「…耳元で『岳』っていうのやめろ…」 31 相手に浮気の疑惑が! どうする? 「岳、浮気すんの?」 「何で聞くんだよ」 「や、想像つかないなぁ」 「お互い様だな」 32 浮気を許せる? 「いいんじゃないの一回や二回」 「こいつ相手だと、浮気相手の方が不憫だな」 33 相手がデートに1時間遅れた! どうする? 「携帯でいつでも連絡とれるようにしといて、近場の店ぶらぶら」 「走の仕事が仕事だから、多少はしょうがない。場合によっては飯奢らす」 34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ? 「温度の低い目と鼻の形と、首筋のほくろ」 「目と眉。表情豊かで見てて面白い」 35 相手の色っぽい仕種ってどんなの? 「手の甲を頬に寄せて考え事してる時」 「汗で額にはりついた前髪をかきあげる時」 「へぇ。あの後いつもそんなこと考えててくれたんだ」 「へぇ。俺はやらないように気をつけるわ」 「普段から殆ど無意識でやってるよ、岳は」 36 二人でいてドキっとするのはどんな時? 「二人っきりだと思ってキスしようとしたら、いきなりピー子に髪引っ張られた」 「………」(覚えがありすぎて書けないらしい) 37 相手に嘘をつける? 嘘はうまい? 「得意。でも岳にはつかない。何故か絶対ばれるし」 「つかないし、下手」 38 何をしている時が一番幸せ? 「二人で迎える日曜の朝」 「ば……恥ずかしい事言ってんじゃねぇよ」 「そーいう岳の方は?」 「寝てるとき」 「へぇー。一人で?二人で?」(くすくす) 「………知らね」 39 ケンカをしたことがある? 「しょっちゅう」 「前に比べて減ったんじゃねぇ?」 「愛が増えたんだよ、愛が」 「言っとけ」 40 どんなケンカをするの? 「細かいなぁこの質問…普通の喧嘩だよ」 「殴り合ったり小突きあったり口喧嘩だけだったりな」 「そうそう。手が早いんだよ」 「『専守防衛』の自衛隊だからってなめんじゃねぇ」 41 どうやって仲直りするの? 「チョコあげたり後ろから抱きしめてみたりもー色々」 「自分が悪いと思ったら謝る」 「自然に仲直りしてる場合もあるよね」 42 生まれ変わっても恋人になりたい? 「想像できないなあ。まだ生まれ変わりたくない」 「わかんねぇ。まだ自分でいたいし」 43 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時? 「中に入ってるとき。すごい締めてくれる」 「即答すんなよ。俺は…どこにいても呼べば車で迎えに来てくれる時かな」 「アッシー?」 「うわ古いなーお前」 44 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時? 「無理矢理車で呼び出される時。岳、酔ってる事が多いんだけどね」 「悪かったって。(耳元で)好きだぜ、走」←旦那操縦法 「ん」 「…料理作ってる途中でヤられた時にゃ『こいつ殺す』とか思ったけどな」 「だってこの前は『冷めてもいい』って言ってヤらせてくれたじゃん!」 「この前はこの前!俺が駄目な時は駄目だ。飯まずくなるから」 45 貴方の愛の表現方法はどんなの? 「キス」 「…何かやってる?俺」 「キスなら良くしてくれてるよ」 「そうか?」(素) 46 相手に似合う花は? 「ビンボウグサ」 「(むかっ)ドクダミ」 「岳ー?」(にっこり) 「走?」(にこり) 「…失礼しました。『桜』です」 「花なんて良く知らねぇけど…『ハクモクレン』とか似合うんじゃね?」 47 二人の間に隠し事はある? 「そりゃあねぇ」 「ない方がおかしいっての」 「でも嘘はつかない」 「暗黙のルールってとこだな」 48 貴方のコンプレックスは何? 「童顔。天パ」 「肌。海とか行くと翌日ひどい。日焼けしてみてえ」 「え、いいじゃんそのままで。抱き心地いいし」 「お前が良くても俺はやなんだ」 49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘? 「皆ぬるい目で見守ってくれてる」 「気が付いたら皆知ってた」 「あ、それ多分俺のせい」 「…お前ね」 50 二人の愛は永遠だと思う? 「永遠?」 「最初に俺に振るなよ」 「うーん。でも多分ずっと好きなんじゃない」(素) 「俺も」(素) 「永遠の愛っていうとちょっと気持ち悪いよね」 「あったら恐いな」 ほぼ同時に指からペンを放した二人は、揃って溜息を付いて顔を見合わせた。 「こんなモン…?」 「これなら、どっからが本音かわかんねーよな…?」 「多分、ね」 「さてと。夕飯の仕込みでもすっか」 早々と席を立ち、台所へ向かった岳とは反対に、走はまだ椅子に座っていた。テーブルに肘をついて、さっき放り出したままだった封筒を手に取る。 「あれ……?」 不思議な違和感を感じて封筒の中を覗くと、信じられないことが起きていた。先程アンケートの冊子を取り出して、空になった筈の封筒に、また膨らみが戻っている。 恐る恐る取り出してみると、それはほんの数分前まで自分達が格闘していたのと同じサイズ、厚みの冊子であった。 「『お次はエッチ有りカップル編!頑張って答えてね★』って……マジで?」 TO BE CONTINUED... 2002.10.17. 脱稿 というわけで裏に続く(笑) まだ書いてないけどね。 うちの獅子鷲(夫婦)はこんな感じです。 しかし、どこまでホントなのやら〜。 後半50問が難しいなぁ。 質問は『カップリングなりきり100の質問』様よりお借りしました。 ⇒ブラウザの『戻る』ボタンでお戻り下さい。
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