2001年11月26日  君がうまれたこの日に  〜心こめて〜





ガオズロックの岩陰に身を潜めた俺の、向かい側の岩には、同じように身体を小さく屈めたレッド。
右手にある物をぎゅっと握り締めた後、ウインクをする。レッドもウインク。
さっすがリーダー。コンビネーションばっちりだぜ。
その後ろにはホワイト。抱えている笊からは、赤・黄・青・黒・白・銀の紙ふぶきが、零れ落ちそうだ。
それから俺の後ろ、ちょっと離れたところにはブラック。黄色い紐に両手でしがみついてる。お前デカイ音に弱いからなー…紐を引くタイミング、間違えるなよ。
泉の横にはテトムとシルバーのユニット。入り口から影になってて見えない所に並んで立ってる。シルバー、笛落とさないようにな。音合ってるのかなあの二人…

…と、入り口のほうからガサガサとビニール袋の音がする。
『作戦、開始!』
皆と、顔を合わせて一斉に頷く。

「ただい…」

  パァン!!

両端からのクラッカーと紙吹雪攻撃。それと同時に割れるくす玉、シルバーも笛を吹きだし、テトムの歌がそれに続く。


『Happy Birthday To You〜♪』


う〜ん♪俺が考えたにしては…上出来?
くす玉だって、中にブラックが作ってくれたイーグルの人形(かわいい)が入ってるんだぜ?
ふふん。イエロー、驚いた?


「…ッ!?卵、割れちまうじゃねぇか!」

「まぁまぁまぁ。今日はイエローの誕生日パーティだよ♪ちゃんと頼んでおいた物、買ってきてくれた?」

「…(忘れてた)…薄力粉、ブラックチョコ、卵に杏ジャム、砂糖。みんなあるぜ。何、作るんだ…?」

「ザッハトルテ!!やっぱ誕生日にはケーキがないとね★」

「って…これからケーキ作んのかよ」

「行き当たりばったりの俺達らしいっしょ?もちろん、イエローも手伝うんだよ〜」

「しかたねーなぁ、付き合ってやるよ」

  ※    ※    ※

「この茶色い物は、何だ…?土…なのか…?」
「ぃよっしゃぁ!やる気まんまんだぜ〜♪」
「あー…レッド、粉入れてからはこねないのよ〜…」
「この杏ジャム、美味いな、ブラック」
「うっし!」
「あ〜あーたーしーもー」
「こら!そこのネバギバ、摘み食いしない!テトムも乗らない!」


  ※    ※    ※


…お好みで、生クリームを乗せてお召し上がり下さい。



『HappyBirthday Dearest…』



『ありがとな』



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