2002年3月8日  そよ風の贈り物。





春。
野山に緑が戻り。
桜が咲き。
めだかが泳いで。
そよ風が吹いたら。
もう、春です。(入学式かんげいのことば調)

春一番が吹き荒れる中。
ガオズロックの中でも、一人の男が不機嫌の嵐を巻き起こしていました。

「ふぇっくし!へっくし!ぶぇっくしっ!!」

そう。
日本人の15%がそうだというやっかいな症状。

ガオイエロー・鷲尾岳は、花粉症だったのです。


「ふぇっくし!息できねぇ@へっくし!顔がむくむ@ぶえっくし!目がみえねぇぇぇ…@@」

目を守る為に、花粉対策用のゴーグルのような眼鏡をかけ、大きなマスクは必需品。
髪の毛に付着する花粉を防ぐ為につばの広い防止を着装。
そんな孤高の荒鷲を、皆は何とも言い難い表情で見つめていました。

「何とかしないと…」
「このカッコ、怪し過ぎるぜなぁブラックぅ!?」
「あ…あぁ…」
「この前は…オルグと間違えられたのだろう…?」
「そうなのよ…だけどこのカッコじゃなきゃ外に出る事は出来ないみたい」
「ムラサキおばあちゃんの薬も効かないわ…」

「えっくし!おれがえっくし!おるぐぶえっくし!?」

「あ”−!えっくし!目ん玉外してえっくし!洗いてぇっくし!」

かわいそうなイエロー。
くしゃみばかりして、何だか忙しそうです。


「イエロー…俺が…俺が何とかしてみせる!」
弱っている動物を見たら、何とかせずにはいられない性分のレッド。
どうやら手負いの鷲ちゃんの為に、一肌脱ぐ決意をしたようです。


「洗眼ア○リスだ!これで目を洗えば…」

「ん…きもちいー…」

「アル○ードマスク!花粉を99%シャットダウン!」

「おお!くしゃみでねぇ!」

「水なしでどこでも飲めるコル○ンコーワ鼻炎ソフトチュアブル!」

「スッキリ!!スパム!(?)」


……何の事はない、ただ薬局を走り回ってきただけのようです。

でもおかげで、イエローの症状は大分良くなりました。

「ありがとな。助かったぜレッド」

「辛そうなイエローを、何とかしてやりたいと思っただけだよ」

恥ずかしい程の素の会話に、眼を背ける者あり、キラキラしながら見つめる者あり、ぬるい眼差しをむける者あり…


と、突然、泉が反応しはじめました。


「皆!オルグよ!」

「「「「「よっしゃー!」」」」」


「ぶえーっくし!!」




……やっぱりだめでした。