2002年4月19日  あなたがいるから





『しあわせな恋をしていますか?』


聴覚を潮騒で満たされて、海からの風に思わず目を細める。
昼下がり。
国道沿いのサーフショップは一番混み合う時間を過ぎて、客足もまばらになっていた。
ポケットから携帯を取り出し、新着メールを確認する。
メールを読むと、口が自然とほころんだ。

何気ない一言でも

例えただのデジタル信号だとしても

こんなに嬉しくなるのは、きっと

他でもない、アイツからのメールだから。

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『しあわせって何ですか?』


ここの部屋の住人は、たった一人。

けれど

一人では多すぎる料理や
必ず二つ揃いの食器

もう少ししたら聞こえてくるだろう車のエンジン音
階段を上がる音

壁に片手をついて靴を脱ぐ仕草も
鳥かごをしきりに気にするその仕草も


皆すべて、普段通り。

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『いっしょにいることって大切ですか?』


三月に入っても、まだまだ冬と言い張れる位の気候。
手を繋ぐと、ぬくもり。

相手の大きな手にすっぽりと収まってしまう自分の手。

北風に手の甲をなでられてふるっと身震いする。
突然。繋いだ手を少し引っ張られた。

相手のコートのポケットに、繋いだ形のまま収まった。
そこはとてもあたたかくて。

うれしくて、にぎにぎとやってみたら、相手も同じことをしてくれた。

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『ふたりでいると、しあわせですか?』


年のわりに随分丁寧な運転だなとは思う。

ダッシュボードに乱雑に置かれているCDも
ドリンクスタンドに差し込んである車用の携帯灰皿も

ぜんぶ、あいつらしくて安心する。

煙草も、いつしか気にならなくなった。

――さぁ、今度は何処に行こうか?


そう言われるのを、待ってる。

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と、いう事で今回は変則的です。
例の2カップルを交互に登場させてみました★
いやぁ違いが良くわかりますね、いい勉強になった♪