Quest 32.5  〜We’re never going keep me down〜





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We'll be singing
When we're winning
We'll be singing

I get knocked down
But I get up again
You're never going keep me down

Pissing the night away

He drinks a whisky drink
He drinks a vodka drink
He drinks a lager drink
  He drinks a cider drink
He sings the songs that remind him
Of the good times
He sings the songs that remind him
Of the better times:


 "OH Danny Boy..."

(TUBTHUMPING/CHMBAWAMBA)

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「テトム、ちょっとこれ持ってくれないか」
そう言ってレッドが差し出したのは、コンセントの先端。
「いいわよ」
テトムが握ると、CDラジカセの電源が入った。

再生ボタンを押すと、騒々しい音楽が流れ出す。それは今日、ラセツに大敗したメンバー達の耳に、ひどくささくれ立って響いた。

…けれど。


「…あっ!タブサンピング!!この曲、今の俺達にピッタリじゃん!」
それまで、メンバーのなかでただ一人泉の間にいなかったブルーが、足を踏み入れるなり、嬉しそうに、そして懐かしそうに声をあげた。
「レッド、何でチャンバワンバなんて持ってんだよ!?」
「あ、俺昔バンドやってたから」
「マジで!?俺もこの曲踊れる〜♪」

そう言って、ブレイクダンスを始めたブルー。
チェア―、フロア―トラックス、ウインドミル、ベビーウインド、エリオ…次々に技を決めていく。その軽妙な動作は、身軽なブルーにとても良く似合っていた。




I get knocked down...But I get up again.. You're never going keep me down..


「『ぶっつぶれたって、また立ち直る、やられっぱなしにはならないぜ』」


We'll be singing...When we're winning...We'll be singing...


「『歌っている、勝利を感じながら…』か…確かにな」

そうイエローが直訳し、ブラック、ホワイト、テトムも頷く。

「あ〜なんか私も踊りたくなってきちゃった!」
「じゃぁディスコダンス、教えるよ!これなら皆踊れるし!」

「よっしゃぁ!そうと決まれば…!」
ラジカセの近くで、一人皆の様子を見守っていたレッドはボリューム調節の摘みを捻って、皆の輪へと加わっていった。


――――かくして、ガオズロックは即席ディスコへと変身したのであった。


「ダンスって楽しいねぇ〜♪でもブラックのダンス、なんだか張り手みたい」
「自分は…これでもちゃんとやってるつもりなんだけどなぁ…」


「イーエーロー、何度言ったらわかんだよ!腰の動きはこ・う!!…ったく…これだからイエローは…ホントにジェットパイロットだったの?情けなさすぎ〜」
「…ッるっせぇ!!しかも関係ねぇ!!」


「テトム、手、離しても音鳴ってるぞ…?」
「あ、電池入れたのよ。さっき」
「……」


    ※    ※    ※

同時刻、河辺にて。
「ウルフローダー…?どうしてそんなに袖をひっぱるんだ…?」
(ぐいぐい)
「わかった、行けばいいのだな?連れてってくれるか…?」(なでなで)
「アォォォォ〜ン!!」

    ※    ※    ※
 


踊りつかれて宴も終わり、皆が自室に引き払った後…

レッド、イエロー、ブラックのアダルトチームが泉の間で酒を酌み交わしていた。


「…な〜んてね★三人だけに美味しい思いさせるかっての♪」

「「「ブ…ブルー!!?」」」

トラブルメイカー、ブルーが寝付いたかどうかは、ブラックがちゃんと確かめた筈。
そう思ってレッドとイエローがブラックに非難がましい視線をぶつけたのであったが…

「ふふ〜ん♪だって俺この曲ソラで歌えるくらい歌詞知ってるもん♪」
ちっとも悪びれずそう言ってのけたブルーは、先刻まで泉の間を埋め尽くしていた曲の、ラップ部分を歌い始めた。


He drinks a whisky drink
He drinks a vodka drink
He drinks a lager drink
  He drinks a cider drink



「そんで、皆で歌を歌うんだろ?」
イエローがグラスを片手に言う。

"OH Danny Boy.."

ピタリと重なる四人の声。ニヤリと笑い、見交わす男衆。

「あーあー、しょーがねぇなぁ。仲間にいれてやるよ」
「やった★」


    ※    ※    ※


三人にブルーも加わり、男達だけの秘密の宴会。
と、そこに新たな訪問者。

「「「「シルバー!!」」」」

「ウルフローダーが…ここへと…」

「来てくれて嬉しいよ♪男同士、一緒に飲もうぜ★」
入り口の辺りでいささか所在無げにしているこの長身の男に、最初に声をかけたのは世話焼きリーダー、レッド。シルバーの腕をひっぱり自分の隣に座らせる。

「まぁまぁ。まず一杯」
「あ…すまん」

ブラックのお酌で、シルバーのお猪口に波々と注がれる液体。


乾杯の音頭を取るのも、もちろんレッドで。
「ガオレンジャーのこれからに、乾杯!」
「「「「乾杯!!」」」」



………………。


…………………………。




「うわぁ!!シルバーが倒れた〜っ!!」
「…だぁぁぁ!!?コイツこんなに酒弱かった…って…おいコレ、ウォッカじゃねぇか!しかも原液だとぉ!?」
「お酌、したのは…?」
「「「ブラック」」」
レッド、イエロー、ブルーの三人はブラックをビシィと指差した。…しかし…当の本人は…
「えぇ〜…?自分がぁ〜?…あははははしーるーば〜…たおれた〜〜♪」(ぱちぱち)

…ものすごいはしゃぎっぷりである。


「ぶ…ブラックぅ!?」
「コイツ…見ためよりかなり酔ってやがる…」

「シルバー!?シルバーだいじょぶかぁーーー!!!?」



――――こうして、ガオズロックの夜は更けていく…―――――――






                END?




2001.11.30. 脱稿

や…書きたかっただけ。
曲を聴いてたらつい…ダンスミュージックもいいよな。
特にCHUMBAWAMBA(チャンバワンバ)は好き。この間アルバム買ってしまった。
次はペットショップボーイズかなんかで書きたいです。
それにしてもブルーに愛だね。私。

ダンス中の会話は、テトムとレッド、ホワイトとブラックの会話が書いて見たくて挿入。
そのけっか微鮫鷲に…

そして良く呑むな…ウチのガオは…
歌詞まずいのでソッコー下げます。