やがて電車が動き出し

ある場所からだんだん離れてゆくと

その土地は

遠く、小さくなっていって

やがて

確実に、完全に見えなくなる

私の心の傷も同じで

あなたを失っても

無惨にも

確実に

時は流れ去り

だんだん痛みは小さくなってゆくでしょう

そして何も知らない人たちは

もう完全に消えてしまったと思うでしょう

でも

たとえ自分の目で見えなくなっても

との土地は永遠に存在しているように

私の受けた傷は

一生心にのこるのです

そして

戻ろうとすれば、いつでも戻れるように

思い出そうとすれば確実に、傷が痛むでしょう

私はそれが嫌で

固執し、一生そこに留まろうとするでしょう

私にはあなたを思い出に変えてしまうなんて

到底できない事なのです

私を一人で生かせないで

私をおいて逝かないで

私と一緒に歩いて欲しい

愛している、愛している、愛している









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