薪ストーブと法規制

<現在の日本の法律>

建築基準法施行令(昭和二十五年十一月十六日政令第三百三十八号)
(建築物に設ける煙突)
第百十五条  三  煙突は、次のイ又はロのいずれかに適合するものとすること。
イ  (2) 煙突は、建築物の部分である木材その他の可燃材料から十五センチメートル以上離して設けること。

煙突は壁から15cm離れていればOK、と明記されていますね。
が、それだけだと思いっきり低温炭化します。しかもかなりのスピードで。
しょせん低温炭化という言葉もない昭和25年(古い!)の法律ですが、これが平成の今も現役で生きていますが。
例えば、あなたが大工さんに薪ストーブの設置を頼んで、大工さんがこのとおり壁から15cmで煙突をつけてしまっても、
法律上は文句をいえない、ということになります。
こんなことにならないように、専門の施工業者にお願い致しましょう。

炭化火災

木材などの可燃物がその発火温度に達しなくても、100C゜程度の熱を長期間加えられることにより
次第に炭化し、炭火のように燃えだして火災を引き起こす。
設置の時には、特に気をつけましょう


炭化火災の危険性


写真左右とも、
シングルの煙突に支え足を取付されています。
薪ストーブから、そんなに遠くない位置です。
この場合は、やはり、
炭化火災を念頭に置かなければならない。

煙道火災

低温炭化からの火災とは違うのですが、そこからの火災と同じぐらいのウエイトを占めているのが、
この煙道火災と呼ばれるものです。簡単に言うと、煙突内部に付着したクレオソート(タール)に
火がついて燃えてしまう現象です。クレオソートは一旦火がつくと非常に激しく燃える性質があり、
この煙道火災が発生すると、室内の煙突(たいてい黒)は熱せられて真っ赤に輝き、
外に出てみると煙突の先端から2〜3mもの炎が噴出している例もあるそうです。

こうなると、きちんと遮熱対策をしていても気休めにしかなりませんし、
また、煙突先端からの炎がどこにも燃え移らないよう祈るしかありません。

ただこれは、施工上の安全対策というより、煙突掃除をきちんとやっていれば100%防げます。
クレオソート(タール)が燃え上がるぐらい付着する前に除去してしまえ、ということですね。
さらに言うと、クレオソートは
@乾燥が不十分な薪を焚いたとき、
A火を燻らせたとき、
B室外にシングル煙突を使用し、結露によるタールの付着
この三つの場合に大量に発生します。つまり、きちんとマニュアルどおりにやっていれば、
煙道火災を心配する必要はいっさいナシ、というところですね。



危険度高
煙道火災の危険性。


シングル煙突で施工している例
いつも煙突掃除はしているのでしょうか?
他人事ながら心配です。
&
室内から壁抜きT曲がりまで2重煙突で
立ち上り部分を、わざわざシングル煙突にしている。?
室外煙突(シングル煙突)結露はしないのでしょうか?
メンテナンスは?
せっかくの新築の住宅が大丈夫なのでしょうか?

金額の多少ではありません、施工業者を選びましょう

右写真 室外煙突全景

本体上部から
煙突径を小さくしている。
この施工は論外である。
煙突内部 シングル煙突内部
屋外にシングル煙突で施工後2年目で左写真のようになります。
煙道火災の原因となります。
屋外は2重煙突で施工をお願い致します。

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