ということで、ハヤブサを手放した。
 足掛け7年間の、ハヤブサとの付き合いは、何だかダラダラと踏ん切りがつかず、新しい方向性を見つけられない自分にとって、自分なりにけじめを付けるのだという、唐突な思い立ちで、終止符を打たれることになった。それが今日だった。
 1年間で走行距離200キロと少しなど、バイクに乗っているとは言えない。少なくとも、僕はもう、ハヤブサ乗りではない。
 バイク屋の査定額に上乗せして、妻の兄が引き取ってくれたのは、やはり後ろ髪引かれる思いだった僕にとって、せめてもの救いだったかもしれない。「乗りたくなったら、いつでも乗りに来ていいよ」と義兄は言ってくれたが、クルマで10分の距離にあっても、もう自分から進んで手を触れることは、ないだろう。

 どこまでも続く道の果てを目指し、駆け続けた日々が、ひとつの旅の終わりを得た。
 形は異なるけれど、僕はまた新しい「旅」へ、駆け出すつもりだ。ハヤブサは、その旅の始まりの地まで、僕を運んできてくれた。
 7年間共に走った鉄馬は、鉄以上、馬以上の存在となって、僕の心に永く残るだろう。
 ありがとう、さようなら、ハヤブサ。




 ……よろしく頼むぞ、DF。