★博物館
【ThinkPad701C/CS】
この機体も、國王が外貨を稼ぐ為に、とあるプラント会社に勤務していた際に出会いました。
海外を飛び廻るプラント・エンジニア達用の貸し出し機として使用され、大活躍していた機体です。
この機体の特徴は、小さなサイズに秘められた、19mmピッチのフルサイズ・キーボード。
キーボードにこだわるIBMは、このフルサイズ・キーボードを付ける為にすばらしいギミックを用意しました。蓋を開くと、キーボードが開く、TrackWriteキーボード(トラック・ライト・キーボード)を搭載。このキーボードは、発表当初、そのキーボードの開く様子から、“バタフライ・キーボード”とも呼ばれていました。
また、この機体には、当時としても結構大きめの10.4インチ液晶を搭載。(TP701CはTFT。TP701CSはDSTN。)このサイズがTrackWriteキーボードのサイズともなっています。
そのほか、当時の最新のCPUであるIntel80486DX4-75MHzを搭載したり、HDDに720MBという大容量のE-IDEに対応していました。この辺からも最新の技術を惜しげなく使われている事が判ります。
このThinkPad701シリーズですばらしいのは、ハードウェア面だけでは、ありません。
今でこそ、PCMCIAカードのプラグ・アンド・プレイは、簡単に行えるようになりましたが、当時のWindows3.1では、PCMCIAカードを認識させる為には、それぞれのカードのドライバを手動で組みこむ必要がありました。しかし、IBMは、その手間を簡易化させる為のソフトウェアを標準で添付していました。その名も、“PCカード・ディレクター”です。
なお、このソフトウェアは、ThinkPad用の簡易版のようで、“PlayAtWill”というちゃんとしたソフトウェアも販売しています。(最新版は、3.0だった気がします…)
この機体は、貸し出し機引退後も廃棄するにはあまりのも出来の良い機体だったので、プリントサーバーとして使用する程でした。(1990年代末期)
この機体に関しては、他機と比べ、思い出ふかいエピソードもあります。
ノート・パソコンというものは、高価なもので、この機体もまた、しんくぱっどの中でも高級機の部類に位置し、約50万近くもしました。
通常購入するには、あまりにも高い機体でしたので、当時としては、高値の華でした。しかし、生産も収束された頃、市場に安価で出まわりました。
この頃の企業の事情としては、20万円が固定資産のボーダーラインでした。その時代背景を汲してか、時の販売店では、19万8千円という破格値で販売されました。
当然、この価格に跳びつかない話は無く、すぐに担当の営業が店頭に走り、両手に抱えながら701Cを購入して来たのを覚えています。
デザインにこだわるIBMの機体だけあって、数々の受賞(Award)もしています。“グッドデザイン賞 MITI Japan”・“PC Magazine UK Technical Innovation Award, Best Portable System”そして、何よりもすごいのは、“ThinkPad 初、ニューヨーク 近代美術館に永久保存”ということです。
それだけ、世間に衝撃を与えたデザインだったのです。
そんな古き良き時代の名機です。
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