空と文字(FIELD)


− 1999年の旅 −


針葉樹(白) 2000年の旅日記へ
針葉樹(白)
 名古屋の美術館
(1999/12/25)
針葉樹(白) 京の冬の旅 (1999/12/23)

針葉樹(白) 文楽 (1999/12/19)

針葉樹(白) うどんツアーのついでに
(1999/11/21)
針葉樹(白) 紅葉狩り
(1999/11/13)
針葉樹(白) 
正倉院展と国宝 (1999/11/03)

メール アイコン
メール
トップ アイコン
トップ



1999年12月25日(土)

●名古屋ボストン美術館(名古屋市中区 金山駅すぐ)名古屋ボストン美術館

 2日前に急に思い立って行って来ました。別な予定がキャンセルになったためです。
(涙?)
 ボストン美術館は金山総合駅の真ん前にあり、ホテルや他の文化施設と同居しています。世界初の海を越えた姉妹提携美術館ということで、アメリカのボストン美術館のコレクションがここで見ることができるのです。
 2000年3月26日まで「岡倉天心とボストン美術館」という企画展を開催しており、天心が蒐集した仏像や絵画を見ることができます。また、常設展では「古代地中海世界の美術」を開催しており、エジプト・ローマの様々な美術を鑑賞できます。
 今後も、企画展が楽しみな美術館です。


●名古屋市美術館(名古屋市中区 白川公園内) 名古屋市美術館

 1991年に一度来たことがあり、そのときには「フィレンツェ・ルネサンス芸術と修復展」を開催していました。今回は、企画展なしで常設展のみを見てきました。といっても、大半は前回とは違う作品を展示していました。
 その中で、エコール・ド・パリ時代の作品が印象的で、シャガール、ローランサン、藤田嗣治等があり、中でもモディリアーニの「おさげ髪の少女」が好きになりました。モディリアーニの色や構図が精神的にほっとさせてくれる何かがあるように思います。その他、訳が分からないがおもしろい現代美術もあって、入場料300円のわりには楽しめました。



●春日井市道風記念館(春日井市松河町 勝川駅より車10分)
春日井市道風記念館 道風って知ってます?
 実は全然知らなかったのですが、おもしろそうなので見に行きました。春日井市は小野道風の生誕の地らしいのです。
 日本の書道を創設した人といわれ、とても偉大らしいのですが、書道おんちの私には理解が難しいようです。例えば、楷書・行書・草書が並べて書かれている巻物で、楷書はさすがにうまいなと思いますが、草書は何が書いてあるか分からないのも手伝って、うまいんだかどうだかがさっぱりわかりません。ですから、線に味があると言われても、???なのです。
 さっぱり、勉強になりませんでした。(入場料50円)


●豊田市美術館(豊田市小坂本町 新豊田・豊田市駅より徒歩12分)
豊田市美術館 最後に、”トヨタ”の本社がある豊田市美術館です。
 まず感激したのが、美術館の建築です。写真では分かりづらいですが、夕日に映えてとても美しい外観をしています。日が暮れると抑えめのライトアップもすばらしいです。
 さて企画展は「ランゲン夫妻の眼」です。ドイツの実業家の日本美術コレクションで、岡倉天心と同じぐらい質の高い美術品を見ることができます。1960年頃に蒐集したものということですが、なぜにこんな良いものが買えるの?と思うぐらいです。
 とくに、仏画や絵巻物が必見です。普賢菩薩や文殊菩薩の掛け軸が秀逸です。
 また、常設展示やミュージアムショップも充実しています。
 また来たい美術館です。


1999年12月23日(木)

●真如堂付近(京都左京区)

 JRの広告ではないけれど、「冬の京都」は良いです。特に、大晦日の京都の寺院は閑散としていて、ほっこりします。(うるさい修学旅行生がいないのが特にいいねぇ) 毎年、この時期に『国宝、重要文化財の前で昼寝』を目的に冬の京都寺院散策をしています。
真如堂付近 今年は、突然思い立って、真如堂付近をのんびり散策してきました。
 岡崎神社から北に上がり、まず金戒光明寺。思ったより大きく、京都市内だというのに静かなたたずまいが気に入りました。そしてその北に、真如堂。正式には真正極楽寺。紅葉の名所」で有名なお寺です。


真如堂







 紅葉はすでに終わっていますが、その雰囲気をまだのこしていて、のんびりするにはいい場所です(少し寒かったですが)。拝観料は500円。一人でのんびり襖絵、涅槃の庭などを見てきました。吉田神社大元宮本堂の内陣の作りもすばらしかったです。


 さて、真如堂から10分ほど歩くと、吉田神社に着きます。ここは、唯一神道という宗教で、日本の宗教の集大成みたいな所だときいています。特に大元宮(国重文)は八角形のおもしろい形をしています。
 ちょっと早いですが、縁起物の来年の干支”竜”の置物を買ってきました。

 今回から、ようやくデジカメの映像付きで「旅日記」をおおくりすることができました。

 どうぞ、ご感想をお寄せください。

 なお、この日の夕方のα-Station公開ライブの模様は、別途掲載しますので、お待ちください。


1999年12月19日(日)

●京阪文楽(守口市京阪百貨店内)

 大阪に転勤になってから見たいと思っていた、文楽を見る機会がありました。人形浄瑠璃です。
 大阪日本橋にある国立文楽劇場ではないけれども、なんと2000円という格安の料金で、しかも解説付き。
 実は、人形浄瑠璃(文楽はその一ジャンル)とは何なのかまったく知らずに、どしろうと。義太夫語りがいて、三味線がついて、人形遣いが一体に3人つく。(義太夫は、落語のなかで出てくるが)そんなことも知りませんでした。
 そうして、太夫(義太夫の語り手)が、あんな大きな声で、表情豊かに語る姿を見て、うむむとうなりつつ、驚きとうれしさ?で、なんともいえないいい気持ちになりました。さらに、人形の動きの妙。人形遣いの魂が人形に乗り移っている(人形遣いは極めて無表情) ありきたりの感想ですが、非常に美しいです。
 今年は、春に狂言を見たので、あとは歌舞伎を見ることができれば、日本の古典芸能はばっちりです(落語や能はずいぶん前に見た。長唄とか講談が残っていますが)
 私の性格からいうと、また見てしまうだろうなぁ。だって、すばらしいんだもん。
 3月26日には、すぐ近くで”ロック曾根崎心中”(宇崎竜童作曲)があるそうなので行くつもりです。



1999年11月21日(日)

 うどんツアーの行き帰りに、鳴門市(というより鳴門海峡間近)にある「大塚国際美術館」と「四国霊場第六十六番 雲辺寺」に寄ってきましたので、その感想なんかを。

●大塚国際美術館(鳴門市)

 全部見終わった今の感想は、おなかいっぱい。
 いくら絵が好きな私でも、日本一広い美術館に西洋画のほぼ全ジャンルにわたってこれでもかーと並べてられていると、鑑賞の焦点が絞れなくて困ってしまいます。また、ほとんどが陶板製なので、近くで見ると絵の微妙なタッチは感じられません。
 まぁ、この設立母体の会社はあんまり好きではない(むしろ嫌いなほうだ)し、入場料も3150円、美術館から徒歩5分もかかる駐車場料金が200円(逆側に無料駐車場があった)と、あんまりいいイメージが無いからなのかもしれません。(おまけに美術館でボンカレー売るなよ!)
 パンフレットによると、1400点ぐらいの絵画や壁画が展示されています。特に、入ってすぐの環境展示は特筆・圧巻で、教会に模した雰囲気で壁画が見られることです。また、展示も時代毎、作者毎に実物の大きさで展示されていますので、西洋美術の勉強にはいいかもしれません。しかし、本物を知っている目から見るとものたりなさがあります。(なんでだろう?)  ちなみに、彫刻や日本画、工芸品は一切ありません。
 もし行かれる方があるのなら、アドバイスですが、鑑賞には3時間以上必要ですので、時間には余裕をもってください。また、宗教画が多いのでキリスト教を知っている人と一緒の方が楽しいかもしれません(または、1時間毎に解説のツアーがあるので参加されるとよいです。これのみ無料)


●雲辺寺(四国霊場六十六番)
 四国霊場八十八カ所で一番標高が高く、約1000m。かつ、ロープウェイがある。(このロープウェイもすごい!)と、期待をしていたのだが、境内もロープウェイのBGMもなぜか喜多郎のシンセサイザーが流れている。なんでだぁ?
いたるところ工事中で、山奥の割には荘厳さがなかった。
しかし、景色は良かった。



1999年11月13日(土)

櫻はよく見に行きますが、まじめに紅葉を見に行った記憶がない。紅葉
 今回は、洛北よりもっと北、常照皇寺と峰定寺に行って来ました。
 今年は、1カ月前までは気温が30度近くあったので、あまり紅葉はぱっとしません。赤、黄、緑がばらばらになっています。写真的には今年は不作ですね。
 しかし、稲刈りも終わった田舎の風景は、のんびりしていて、京都の冬を迎える正しい農家そのものです。なぜ京都にこだわるかというと、京都市の北にある京都市北区、京北町、美山町の風景は美しく、たぶん戦前の日本はこんな風景がどこにでもあったんだろうと感じさせてくれるからです。いつまでも大切にしたいものです。
 今日は、いい日を過ごせました。

 (お知らせ:近々デジカメを買う予定ですので、旅日記にも写真が入る予定です。おたのしみに)



1999年11月3日(水)

 毎年恒例の正倉院展を見に、奈良国立博物館へ行って来ました。
 今年のみどころは「鳥毛立女屏風」です。多くの教科書に 載っているので、見たことある方も多いかと思います。 しかし、現在はやまどりの毛はほとんどなくなり、 素描画のようになっています。しかし、往時の雰囲気は 充分残っているんじゃないかな。ちなみに、この屏風は6枚(扇)構成ですが、女の人が立っているのはそのうちの3枚です。
 (閑話休題:昔は”とりげだちおんなびょうぶ”と読んでいた。無知そのもの!)
 また他には、螺でん箱なんかがあってこんなの一生さわれないんだろうなぁと。(←貧乏人のつぶやき)

 正倉院展のたびに感じるのですが、当時の意匠デザイナーのセンスの良さに脱帽します。
 また、お客さんの中でその連れに一所懸命解説している人がいますが、結構専門的でおもしろい話なので、私はおもわず聞き入ってしまいます。また、いつもながら虫眼鏡やマグライト持参の方もいますので、考古学人間ウォッチングもおもしろいです。

 午後は、京都の建仁寺に行きました。春と秋の2週間だけ本坊を公開しているからです。場所は、祇園の一力茶屋を南に行ったどんつきです。実はこの日まで知らなかったのですが、建仁寺にはあの「風神雷神屏風(俵屋宗達)」があるんですね。京都国立博物館にあるとばかり思ったものですから、レプリカかな?と思ったぐらいです。写真で見るよりは結構汚れていました。それよりも、海北友松の「雲竜図掛軸」のほんがずーっと迫力があって、今回の”目からうろこ”の美術品でした。私は、葛飾北斎の「冨士越龍」にビリビリさせられてから龍の絵が好きになりましたが、今回もぞくぞくさせられました。

 と、最初から美術の話でしたが、いかがでした?難しく考えないでくださいね。私も、ただ”善し悪し・好き嫌い”で見ているだけですから、お気楽なもんです。名前や年号なんか関係ありません。今後も、気持ちのいいものを見てゆきたいと思います。




トップ アイコン
トップ


空と文字(FIELD)