あるデジカメの修理顛末記 (C 11)

 あるフイルムメーカのデジカメが購入から一年足らずの間に、6回ものトラブルを繰り返した事件をお話ししましょう。このカメラは、一眼レフ風(光学式でない)の製品で有効画素数は220万です。

1回目のトラブル (色調不良)

 最初のトラブルは、購入から3ヶ月を経たあたりから内蔵ストロボの撮影でやたら赤く発色することが度々起きた。そんなもんで最初の入院となりました。

正常時 異常時


2回目のトラブル (色調不良)

 10日後、退院してきたカメラ・・・早速テスト撮影。さてその色は・・・ぞーとするくらい真っ青。あきれ果ててしまいました。こんな修理をするサービスは根源から信用できないのと、メーカの突発的に出るトラブルで対処できないという理由で代品と交換。

修理前 修理後


 上の画像は部屋の片隅を撮影したもので散らかり放題でお見苦しいのはご勘弁を!
 修理後の発色はかなり青が強いです。人物も血の気のない幽霊のように写ります。



3回目のトラブル (ゴミ混入)

 代品を使い初めて5ヶ月が経過したころ、画面下中央の右側になにやら影のようなモヤッとしたものが写るようになりました。絞りを11にして撮影してみると、それはゴミの影とはっきり認識できました。どうやら光学部の気密性が不完全でゴミが侵入したようだ。

 この代品には、元々片ボケ(長形方向に、左右約25度の左後ピン、右前ピン)という問題もあり、この不具合も含め、代品、初めての入院となりました。
この片ボケ画像を見る、、、上のフレームに表示されます)

全体画像 ゴミ部分拡大

 上の画像は空を撮影したものです。矢印の先がゴミの部分です。他にも2ヶ所ありますがこの画像では分かり難い。


4回目のトラブル (フレアー発症)

 10日後に退院できました。東京銀座のサービス窓口から品物を受け取り、銀ブラを兼ねながらテスト撮影。

 帰宅後、早速開いてみる。ゴミはない。しかし、画像の隅のほうが何か変だ。コントラストがなく、暗く滲んでいる。

 そこで問題のポイントを重点に再度テスト撮影。それを詳細に観察すると、見事にフレアーを生じていた。レンズにグリスが付着している感じ。早速サービスにクレーム。サービスの説明では、「レンズとCCDは一体のユニットであり、そっくり交換した。レンズ内部には触れていない。」という。その日のうちに再入院。呆れたもんだ。

全体画像

正常な例

左下のフレアー 右上のフレアー

 上の画像は「全体画像」の囲み部分を拡大したものです。それぞれ、車輌後部とビル壁面にフレアーが確認できます。


5回目のトラブル (片ボケ発症)

 10日後、退院。港区海岸のサービスへ受け取りに行く。その足で竹芝桟橋あたりを散策しながらテスト撮影。帰宅後早速開いてみる。問題の箇所は直っている。しかし、望遠で撮影した画像の上部がなんかピンが甘い感じ。 翌日再撮影して検証してみるとビックリ!・・・完全な片ボケでした。もう怒り心頭。サービスの技術が低いのか?。部品そのものが手抜きなのか?。またまた再入院。

全体画像

正常な A 部分 ボケている B 部分

 相当にレンズの組立精度が悪いようです。中心部でもジャストフォーカスするポイントがありません(中心部よりも下側の方がピントが良い)。さらに左右方向にも片ボケがあり、右側に寄るほど更にボケが増す。


6回目のトラブル (色調不良)

 今度は2日後に修理完了の連絡があり翌日受け取りに行く。この日は雨でテスト撮影できず、2日後、時間がとれ、テスト撮影。

 早速検証してみた。ほぼ問題ない。今までの細かい問題も解消されている。OK,OKと喜んだのもつかの間、念のためと、室内でカスタムホワイトバランスを設定して撮影したら、露光オーバで黄ばんでなんかおかしい。

 確証を得るため再びテスト撮影。快晴の風景をオートホワイトバランスと白紙の反射を基準にしたカスタムホワイトバランスで撮影した。・・・やはりどうしようもなく黄ばんでいる。原因は修理の際、モジュールを壊してしまったようだ。しかし、なぜ、修理完了後の各部点検で気付かないのだろう。もしかしたらそんなことやってないかも知れない。

オートホワイトバランス撮影 カスタムホワイトバランス撮影


 これまでのこのカメラの経験では、光源の条件が最適な場合、オートもカスタムも発色にあまり相違がなかった。右の画像は人間の記憶色から判断しても狂っているし、歩道のタイルの色は淡いレンガ色なのです。




 もうここまでくると怒りを越えて失望だけです。このフイルムメーカはプロ機材の関係から馴染みは古く、親しみを持っていたのですが、こんなデタラメなことをやられては開いた口が塞がりません。みなさんがこの事件の当事者だったら、この後どう処理されますか???。

 技術的な結論をいうと、出先の修理部門では設備が不完全で、工場出荷時のような調整とか、確認とかできないのが真実らしい。・・・ということは、修理の内容よっては、購入時の性能に戻らないといえます。

[その後]
 6ヶ月ほど前デジカメ購入を知人に頼まれ、ここで問題になっている同型機をセット(本件ゴミの問題が生じる前)したのですが、最近知人のそれの画像を見る機会があり、「3回目のトラブル」と同じようにゴミがあるのを発見しました。本件とほぼ同じ位置にゴミの付着があり、更に、右側にもゴミが付着していました。カメラの液晶ディスプレイで十分確認できる大きさで、本件よりも悪化したものです。
このゴミ付着画像を見る

 本件機種の中古販売品で「ゴミ写りあり」などと表示されたものがありますが、これもここで指摘したトラブルと同様に思われます。このゴミは一度付着した後、流れたような痕跡のあるものもあることからレンズの可動部に使われている油が飛び散るのが原因でしょう。

 本件トラブルはまだ解決していません。その後、本件機種の上位機を代品として渡されたのですが、これにもゴミが1ヶ所に付着していました。しかも最近再度テスト撮影したところ、ゴミの付着が2ヶ所に増えていました。それも先のものより2倍くらいの大きさです。ホトホト呆れました。「3回目のトラブル」以外に4回目、5回目のトラブルを考え合わせると、本件の光学系は簡単に解決できない構造的欠陥(幾度改善を求めても解決できない)があると断言できるでしょう。このゴミの付着は一度付着したあと成長(流れて)してその面積を広げるし、カメラを動作(ズームやフォーカスやレンズ固定動作)させると更に付着する可能性があるのですから継続的にこの問題を回避できません。
このゴミ付着画像を見る) (レンズ組立精度の検証例を見るこれは おまけ

 本件ゴミ問題と同型のレンズを装着したカメラは現在3機種発売されています。購入の際は十分注意しましょう。購入後も絶えずチェックを欠かさずにしましょう。構造的欠陥が原因ですから、補償期限が過ぎていても無償修理が当然でしょう。

他にもあった同一機種連続トラブル (他社製カメラのお話)

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