携帯(電話)カメラの品位を高めよう モデル機種 A5407CA (M 8)

 最近の携帯電話のカメラ機能は画素密度が高く、レンズも品質がよくなってきた。しかし、一般的なデジカメには比べればまだまだであるが、少しでも品位を高めようと、携帯電話カメラの多くに見られる周辺光量落ちや変色の改善を試みた。

 その方法は、以前にご紹介したものと基本的に同じであるが、画像そのものにデジカメより癖があり、より確実な方法の試みと処理の説明を分り易くした。なお、この処理はPhotoshopを使用したが、フリーソフトでの方法もこちらにご紹介する。

 先ずは、作例を見て頂きたい。

作例 1 (画像にポインターを乗せると補正した画像に切り替ります)


作例1の等倍画像を用意しました  補正前 補正後
作例 2 (画像にポインターを乗せると補正した画像に切り替ります)
作例 3

 左の画像は、、太陽光で照明されたホワイトボードを、A5407CAで8×のNDフィルターを透過して撮影したものである。

 ご覧のとおり中心部と周辺部とでは、色合い、明度ともかなりの差が見られる。

 今回はこのムラを排除してスッキリした絵にしようと考えた。さらに、A5407CAの画像は通常よりもコントラストが過度なので、若干ソフトになるよう改善を試みた。

改善方法の実際
用意するもの
  • 画像処理アプリケーション(ここではPhotoshopを使用)
  • 作例3で得られた画像データー(処理したい画像と同じピクセルサイズのもの)
  • 補正したい画像データー
処理の概要
  • 作例3で得られた画像の階調を反転し、それを補正したい主画像とオーバーレイモードで合成し、ムラなどの歪みを打ち消すものである。

Step 1

この作業は、作例3で得られた画像データーのホワイトバランスを調整するための準備。

左のように選択範囲を指定し、RGB各色の濃度中間値をヒストグラムで得る。
(ヒストグラム表示例と解説を見る)

Step 2

トーンカーブで作例3のホワイトバランスを補正する。

Rチャンネルの補正量は、
128−116=12
であるから、
入力:231
出力:255
と打ち込み、カーブの中間点の入力値を140 (128+12) にする。

Bチャンネルの補正量は、
128−130=−2
であるから、
入力:255
出力:251
と打ち込み、カーブの中間点の入力値を126 (128−2) にする。

この例ではGチャンネルの補正は必要ないが、誤差が生じた場合は、他のチャンネルと同様に処理する。

Step 3

Step2の処理が済んだ画像は、階調反転し、「ダスト&スクラッチ」処理で高周波成分のノイズを消す。これがシェーディング歪み補正用のマスクとなる。

Step 4
Step3の処理が済んだ画像(マスク)は、「オーバーレイモード」で合成する。補正効果の度合いは、「不透明度」で調整する。

Step 5

Step4の処理が済んで統合した画像は、それで完成なのであるが、モデルにしたA5407CAは相対的にコントラストが強い。視覚的に黒潰れが目立つので左のようなトーンカーブで補正してみた。

 作例2がこのトーンカーブを採用している。


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