携帯(電話)カメラの品位を高めよう フリーソフト処理編 1 (M 9)a

 最初にご紹介の画質改善法は「Photoshop」を使用したものであったが、このソフトは高価で、一般的でない。そこでフリーソフトで同等の画像処理が出来ないものかと、ソフトを探し、試行錯誤のうえ完成した。

 この画像処理は、一つのソフトで完結できず、2種類を使用することになった。もっと良い方法があるかも知れないが、取り合えずご紹介する。・・・と書いた後「GIMP」でも可能であることが分かった。

使用するフリーソフト
 Image Analyzer
 Pict Bear
(オプションのトーンカーブPluginを追加する)

 先ずは、作例を見て頂きたい。

作例 (画像にポインターを乗せると補正した画像に切り替ります)



改善方法の実際
用意するもの
  • 画像処理アプリケーション(Image Analyzer 及び Pict Bear)
  • 作例3の方法で得られた画像データー(処理したい画像と同じピクセルサイズのもの)
  • 補正したい画像データー
処理の概要
  • 作例3で得られた画像の階調を反転し、それを補正したい主画像とオーバーレイモードで合成し、ムラなどの歪みを打ち消すものである。

Step 1 (Image Analyzer を使用する)

この作業は、作例3で得られた画像データーのホワイトバランスを調整するための準備。

Image Analyzer に選択範囲指定という手法はない。また、正方形にトリミングも指定できない。仕方ないので、画像を全体表示させ、それを90度回転させ、ウインドウのスライダーで縦方向を中心に移動させ、見えない上下端をトリミングして得られたのが左に示す正方形にトリミングされた画像である。これをホワイトバランスの情報を得るのに使用する。

Step 2 (Color mapper を開く)


これは、トーンカーブで作例3のホワイトバランスを補正するものである。

Step1 の画像を開いたまま、Color mapper を開き、「」から色を選択し、「」の数値が128の近傍になるよう「」のスライダーを動かす。同様にして、RGB各色を設定する。

RGB各色の設定が済んだら、「OK」でいったん閉じ、Step1 で作成した画像を作例3に戻す(アンドゥーで戻る)。

再び Color mapper を開き、「Apply」で確定し、「OK」で閉じる。これで作例3のホワイトバランスを補正した画像が完成したのである。

一度設定した後、すでに設定した別の色に戻ると、その色の設定は戻る前の色の設定に書き変わるという実に変な仕様である。設定を変更したい場合は、一度リセットしてから再度設定しなければならない。しかし、ヒストグラムとトーンカーブが一体になっているので合理的に使用できる。このソフトは、初心者向けの自動機能や高度な設定もこなしてかなり使える。

Step 3

Step2の処理が済んだ画像は、「Invert」で階調反転し、「Smooth」で高周波成分のノイズを消し、いったん保存する。この画像は、次のステップで使用するシェーディング歪み補正用のマスクとなる。

Step 4 (Pict Bear を使用する)

Pict Bear の画面例
Step3の処理が済んだ画像(マスク)は、「オーバーレイモード」で合成する。補正効果の度合いは、「不透明度(右のレバー)」で調整する。

Pict Bear のレイヤー機能は Photoshop とほぼ同様である。

Step 5


Step4の処理が済んで統合した画像は、それで完成なのであるが、モデルにしたA5407CAは相対的にコントラストが強い。視覚的に黒潰れが目立つので上のようなトーンカーブで補正してみた。作例はこのトーンカーブを採用している。

このソフトでは、トーンやコントラストなどのイメージ設定が直接画像に反映されない。つまり、「OK」を押してそのアイテムを終了してからではないと色調の判断ができない。もし、イメージとおりの色調でなかった場合、「元に戻す」で戻って再設定しなければならない。
 問題もあるが、このソフトはぺインターという位置付けであり、その意味ではレイヤー機能が完璧で Plugin も実に豊富で高度に使えるソフトである。

GIMPによる方法はこちら
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