ボクは、たくちんと呼ばれています。
住んでいるところは、静岡。
パパは31歳で、コンピュータのソフトウェア・エンジニアってお仕事をしてます。ママは、29歳。パパが会社に行っているとき、いつもボクのそばにいてくれます。
ボクは、1998年10月に生まれてきたんだ。 生まれてくるまでにもいろんな事があったんだ。
まずは、生まれてくる前のお話をするね。 1998年の2月。ママは妊娠に気づき、病院に行ったんだ。
病院で妊娠と聞かされ、その後の言葉にはあまり気にとめなかったんだ。「少し、出血しているから安静にして、また10日後に来てね」
その10日後に病院に行き、先生から「入院してね」といわれた。そのとき、初めて、「切迫流産」になってるって気づいたママ。先生の行った通りにしたよ。それが初めての入院。
「赤ちゃんが助かるから入院させるのよ」って。それを聞いてボクは安心した。 ママ、無理は禁物。大事にしてね。その2週間後に無事退院。おめでとう。
その後何事もなく、月日は過ぎていき、ママは自転車にも乗ってたんだよ。 転んだらどうすんの?ボク、心配だったんだから。
8ヶ月目に入ろうとしたある日の健診日のこと。 ママのおなかが張ることが多くなっていたんだ。そのことを先生に言ったら、「入院した方が安全ね」の一言でまた入院。それから2週間の予定が、結局2ヶ月にも及んだ入院生活。
ボクもママもさすがにこれにはマイッタ。
でも同じように入院している人とお友達になったんだ。ママは、そのお友達とたくさんお話したんだ。ボクもおなかの中で聞いていたよ。動き回りながらね。
やっとで退院の日も決まり、退院したのが10ヶ月に入った36週の最後の日。「ここまでくれば、いつ生まれても大丈夫」と先生にたいこ判を押されて退院。やっと、ママは解放されたんだ。
でも、すぐ病院に舞い戻るとは、誰も知らなかったけどね。
退院した2日後、ママはちょっと破水感を感じたので、病院に行った。でも違ってたんだ。ママのはやとちりでした。
そのとき先生は、「今晩、また病院に来ることになると思うよ」と言っていた。ママはその言葉を信じていなかったけど。本当に先生の言うとおりになったんだ。
夜中に破水。今度は本当に。ママもびっくりしてた。
実は、この数時間前に、ママはボクにこういったんだ。「ママに分かるように出てきてね。破水でもいいから」って。ボクはママの言うとおりにしたんだ。いい子でしょ?ママ。
破水したママはパパに付き添われながら、病院にいったんだ。
「今度こそ出産ですね」と看護婦さんに言われての入院。 しかし、破水したママのおなかの中でボクは苦しくなっちゃったの。羊水が
何にもなくて。それでママは帝王切開にしたんだ。
そしてボクが生まれた。2448g、44.7cm 男の子。そうボク。やっとで世の中に出れたんだ。ボク、強かったでしょ。
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