ハリスの色と魚の食い

 先日、愛知のTさんからメールにて「アオリイカやカレイを釣る時に、ハリスやショックリーダを黒色にすると良いと聞いたんですが、黒鯛釣りのハリスに使用して、釣果が上がるのでしょうか?」との質問をもらいました。また、最近は赤いハリスも売っており、「日曜大工的黒鯛釣りの薦め」のみやちゃんからも○゙○゙○カラーがいいとの情報も聞いていました。

 ということで「ハリスの号数と魚の食い」と同じやり方でハリスの色について実験を行ってみました。

1.実験の方法
 
釣り方はダンゴ釣り。
1投毎に透明、黒、赤のハリスを交換して釣りを行なった。個人的には○゙○゙○カラーが一番気になるものの、色についてシンプルに比較したかったので今回は残念ながらパス。色はマジックインキで塗った。
 

2.釣りの状況
場所 :館山、築港 水深約5m、曇り、凪、澄み、流れはゆっくり
釣り方:ダンゴ釣り(紀州釣り)、タナ:底20cm〜はわせ
仕掛け:道糸2.5号、ウキ:田口ウキ(0.8号負荷)、
    フロロカーボンハリス1.2号、1.5m(ガン玉無し)、針:グレ7号
付け餌:オキアミ、ボケジャコ、岩イソメ、練り餌(亀練り)

状況 :餌取りが多く、殆ど餌が帰ってこない状況。途中からボラも寄ってきた。
  
 

3.結果
 
釣りの状況に変化が出た時刻を表にまとめた。表にないものは全て餌は取られて帰ってきたということ。

(1)餌が残ってきた回数は透明ハリスが1回で、黒ハリス(5回)、赤ハリス(4回)よりかなり少なかった。ここまで差があると有意差と思われる。
(2)アタリの回数、釣れた魚の数(黒ハリスは針外れによるばらし)には殆ど差はなかった。

魚は色盲との話なので、赤、黒という色がわかる訳ではないでしょうが、着色している(透明ではない)ことは認識しているようです(*)。

*気になるのはマジックインキの臭い。色ではなく、臭いが魚の食いに影響を与えた可能性がある。

 

時刻 透明ハリス 黒ハリス 赤ハリス
6:55

釣り開始。開始時から餌取り多い状況。

7:16 オキアミ     餌残る
7:26 オキアミ     餌残る
7:29 オキアミ 餌残る    
7:33 オキアミ     合わせ シマダイ
7:44 ボケジャコ   合わせ 針外れ  
7:46 オキアミ     餌残る
7:47 オキアミ   餌残る  
7:54 岩イソメ   餌残る  
8:01 岩イソメ   餌残る  
以降、餌取りさらに増え、気配なくなる。
8:20 オキアミ   アタリあり  
8:31 オキアミ   小さなアタリ  
8:41 オキアミ 小さなアタリ    
8:53 オキアミ 小さなアタリ    
8:57 オキアミ     アタリあり
9:01 岩イソメ   アタリあり  
9:13 オキアミ     アタリあり
9:19 オキアミ アタリあり    
9:30

1バッチ目のダンゴ終了。

10:25

休憩後、ダンゴを作り直して再開。依然として餌取り多い。

10:29 オキアミ     餌残る
10:30 オキアミ 食い上げアタリ    
10:31 オキアミ   餌残る  
10:33 岩イソメ     食い上げアタリ
10:40 オキアミ 合わせ ゴンズイ    
10:48 ボケジャコ     合わせ、空振り
10:53 オキアミ   アタリあり  
11:00 オキアミ アタリあり    
11:02 オキアミ   餌残る  
11:03

気配が出てきたため我慢できず終了。
→11:20にカイズ(27cm)ゲット。やはり地合いだった。


4.釣れるハリスとは?
 
以下、「ハリスの号数と魚の食い」の実験結果と合わせて強引に推測してみました。

 魚に餌を自然に食わせるためにはやはり透明なハリスが好ましいようですが、餌取りが多い場合は、付け餌を本命(黒鯛)の目の前に到達させることが魚の食いより重要になると思われます。着色ハリスは餌取りに強いハリスと言えるのではないでしょうか?

 →「ズバリ、餌取りの多い時は色付きの太ハリスだ!」

 ・・・果たして真相は如何に? 餌取りが多くてどうしようもない時、だまされたと思って試してみてください。