ラインの号数と魚の食い

 魚の食いはハリスの号数によってどの程度変わるのでしょうか?前から確かめてみたかったのですが、実験のやり方をどうするか?結果が出てもそれが号数の影響なのか?単なる偶然なのか?をどうやって区別するか?・・・非常に難しそうです。多分いくらやっても本当のところは魚に聞かなければ結論は出ないでしょう。
 とは言っても、何かやって見ないと見当もつかないので、当たり実験ですが行ってみました。

1.実験の方法
 
1投毎に1.2号と2号のハリスを交換して釣りを行なった。釣り方はダンゴ釣り。底付近をダイレクトに狙うため、沈降速度の影響を無視できると思われる。流れも緩かったので仕掛けのたなびきも気にしなくてよさそう。

(1)使用ハリス:1.2号、2号(いずれもフロロカーボン)
(2)
ハリスにスイベル(7号)を付け、道糸側にスナップ付きスイベルを付けて交換する。

2.釣りの状況
場所 :館山、築港 水深約5m、晴れ、凪、澄み、流れはゆっくり
釣り方:ダンゴ釣り(紀州釣り)、タナ:底とんとん
仕掛け:道糸2.5号、ウキ:田口ウキ(0.8号負荷)、ハリス1.5m(ガン玉無し)、針:グレ7号
状況
釣り開始〜60分までは餌取りがほとんどおらず、餌はそのまま帰ってくる状況。
・約60後からたまにウキにアタリが出るようになる。餌は残ってくることが多い。
・80分後、餌取りが急に増えて餌が帰ってこなくなるが、ウキにアタリはほとんど出ない状況。
・120分後、餌取りはさらに多くなり、ウキにアタリが頻繁に出るようになる状況。

3.結果
 
釣りの状況に変化が出た時刻を表にまとめた。

(1)ウキにアタリが出た回数は1.2号ハリスの13回に対して2号の12回とほぼ互角。
(2)
魚(メジナ)が釣れたのは2号ハリスの時。
(3)釣りの初期(5回の変化)に限定すると1.2号4回、2号1回と1.2号の方が多かった。

 今回、アタリが出たと言っているのはフグ、小メジナなどの餌取りでしょう。そのため、今回の結果を持って本命のクロダイの話をすることは とうてい無理ですが、結果をまとめると

・アタリの回数、魚が釣れたのが2号ハリスであることより、魚の食いはハリス号数にそんなには影響しないようだ。
・食いが悪い状況(初期の5回の変化)ではハリスが影響するかも?

→結局はこの実験だけではよくわからないという結果です。

 

時刻

ハリス1.2号

ハリス2号

14:15、釣りを開始。

餌取りはおらず、餌もほとんど取られない状況。

15:15

初のアタリが出る

 

15:17

 

合わすが空振り

15:19

アタリが出る

 

以降、餌取りが増え、餌はほとんど戻ってこない状況になった

15:35

アタリが出る

 

15:42

アタリが出る

 

15:49

 

アタリが出る

15:58

アタリが出る

 

16:08

 

20cmのメジナヒット

16:21

餌が残った

 

以降、ウキにアタリは出るが消し込まない状況。

16:28

アタリが出る

 

16:29

 

アタリが出る

16:30

合わすが空振り

 

16:32

 

アタリが出る

16:33

アタリが出る

 

16:35

 

アタリが出る

16:38

アタリが出る

 

16:39

 

アタリが出る

16:42

アタリが出る

 

16:43

 

アタリが出る

2バッチ目のダンゴを調製。流れが右→左に変化

16:59

餌が残った

 

17:00

 

アタリが出る

17:02

アタリが出る

 

17:03

 

合わすが空振り

17:04

合わすが空振り

 

17:05

 

アタリが出る

17:07

アタリが出る

 

17:09

 

アタリが出る

17:10   2号のハリスが行方不明になり、実験終了。

 

使える! ハリス交換法
「1投毎にハリスを替えるのは大変だったでしょう。」と言う声が聞こえてきそうですが、実際は楽でした。ダンゴ釣りですので、ダンゴを投げてからダンゴが割れるまでの時間(10〜20秒 )、または仕掛けを流す間(回収直前)に次のダンゴを握ることが出来ました。結果として通常のハリス1本でやるより手返しが良くなりました。ハリス交換法はダンゴ釣りに使える技になると思います。石鯛釣りで次の餌をあらかじめ用意しておくのと同じやり方です。交換しやすいスナップがあればベストなんですが、誰か知りませんか? 

ハリス交換法の使い方として次のようなものが考えられます。
・同じ長さのハリスを用意して手返しを良くする。
・長さの違うハリスを用意してタナを変える。タナ取り糸(ゴム)の位置を変えるより楽です。
・餌を数種類使う場合で餌に合わせて針の大きさを変えたい場合。

問題はハリスの置き方。ハリスは見えにくいので油断すると行方不明になります。また風があると飛んでいく可能性があります。実際、今回の実験でも2号ハリスが行方不明になりました。バッカンに磁石を付けて針を磁石に引っ付けると良いかも。

今後
 
本命が釣れる状況で実験をやる必要がありますが、今のところ実験の第2段は考えていません。明確な結果が出る可能性が低いのが第一の理由です。さらに釣りに集中できないことも理由のひとつです。1投1投 、結果をメモするのは結構面倒で、さらに今使っているハリスがとっちだか判らなくなることがあるので、2号、2号・・・と心の中で言いながらやりました。

 良い状況があり、気が向いたらやってみます。