ラインを斬る!

 内部を中空にして比重を軽くしたフロートラインが実用化されている。ラインの比重を測定していてサスペンドライン も中空構造になっているのか気になっていた。以前購入したUSB接続の顕微鏡(CCD)を引っ張り出してラインの断面をCCD観察してみた。安物だけど一応使えた。ラインは安全カミソリでスパっと切断した。

 

 まずは実際に中空ラインを謳い文句にしているフロートライン の断面をCCDで観察した。このラインの比重(実測)は1.05であった。謳い文句の通り、きれいな6つの穴が空いていた。 よくこんなにきれいな穴が空くものだなと感心した。中空部分は普通の空気かな?ヘリウム入れたらどの程度比重が軽くなるか? 尚、このラインは鮮明な黄色だがCCD観察ではわずかに黄色か?と思える程度であった。

 

   

 次に一昔前に「フロートライン」として売られていた比重1.13(実測)の黄色のラインについてCCD観察した。「フロート」の名称は誇大表示にあたるため、 現在では使えないとのこと。今で言うとサスペンドラインの範疇に入るラインである。驚いたのは表面のみが黄色で中は透明であることだった。表面のコーティング剤にのみ染料を入れて製造されている。屈折率の 影響で中が透明に見えるのでは?とラインを斜めに切断して断面を観察したが、やはり表面部分だけが黄色であった。メーカーも色々考えているね!

 

   

 他のサスペンドラインも5種類ほどCCD観察を行ったが、いずれも中空ではなかった。例として同じメーカーのグリーンとオレンジが選べるサスペンドライン を示す。これらのラインの比重は1.15だった。これらは表面も中も均一な色目のようであった。左はほとんど透明に見えるが肉眼で見ると鮮やかなグリーン。右も肉眼では鮮やかなオレンジ色。

 

   

 次に落とし込み用の白黒のゼブララインの断面写真。ベースは白であり、定間隔に黒の塗装でマーキングしているラインである。左が黒い部分、右が白い部分の断面写真。黒い部分は表面に黒の塗装が施してあり、若干黒っぽく見えている。中身の白い部分は同じはずだが光の当たり具合で 左右の写真は別物のように見える。

 


   

 その他、ナイロンとフロロカーボンの複合ライン(左写真)をCCD観察したが、継ぎ目らしきものは確認できなかった。

右写真は100円ショップの黄色の蛍光ライン。まさか表面だけ塗料を塗るなんて手の込んだことはしていないと思いつつ観察 したが、やはり・・・何もなし!

13角?のラインを観察してみたいが、最近はなかなか売っていない。誰か持っていたら1cmで良いから提供して欲しいです。