モニターレポート1996
[事例1]名古屋市総合リハビリテーションセンター

事例2へ 1998年3月4日掲載 home 


事例1−1(モニター期間:1996年12月〜1997年8月)

  1. 電子メールと私(2月24日)
  2. ホームページと私(年5月30日)

事例1−2(モニター期間:1997年2月〜8月)

  1. モニター応募動機(1月31日)
  2. 感想:インターネットモニターに参加して(5月29日)

事例1−1(モニター期間:1996年12月〜1997年8月)

1.「電子メールと私」

 私は脳性麻痺による言語障害があります。その為、コミュニケーションがうまく行かなかったり、誤解されたりが度々です。
 電子メール導入によって**先生(注1)とのこれからの訓練計画とか、今の私の考えなどが正確に伝えられるようになりました。それだけではありません。インターネットで見つけた専門学校へメールで問い合わせることや、レコード店にこんなCDありませんか、などと、いろいろな面でコミュニケーションが、上達したと思います。電子メールに出会う以前は電話をかけても言葉がうまく伝わらないために、電話を切られたりいたずら電話だと思われたりして、はじめての人とはコミュニケーションがなかなかうまく行かなかったのです。そこで母が代りに電話するというかたちになってしまい、私本人は話しがどうなっているのかが、分からないということがよく起こりました。慣れた行き着けのお店に電話するくらいはできます。このあいだもあるCDを買ってそれが不良品だったため、替えてもらうよう電話で話して、後日取りにいきましたが、その店員さんは顔見知りで私のことをしってる人だからそういうこともできますが、他の店でそういうことがおこったら、泣きを見ます。
 メールを使用して買えば問い合わせや返品もできますし、そういったディスコミュニケーションもなくなります。文字盤(注2)はやったことは学校でありますが、漢字も伝わらない、いいたいことも充分伝わらない、筆談と同じ様なものなのでその場にいる人だけで口で伝えたほうが速いので、やめたことがありました。今コミュニケーション手段としてベストなのは電子メールだと思います。

(1997年2月24日)

2.「ホームページと私」

 私は重度の障害があります。そのため、情報を手に入れたり発信したりすることが困難でした。テレビ、ラジオは、ほしい情報が見つけにくく、情報不足に悩んでました。たとえば、ある会社の作詞講座に申し込んで、内容を見たら詐欺に近い内容で、作詞のことは例が上げてあるだけで分かりきったことしか書いてないぺらぺらのテキストと、どえらい高い(見たところ400円くらい)雑誌とカセットだけでした。それで、1年40,000円で添削してくれるかどうかも分かりません。自動契約で止めることができないのです。
 ホームページで探せば音楽情報なんかも簡単に探せるし、僕でも情報発信ができる
わけです。(注3)
 生活の中で情報は大切です。大切なだけに情報が得られないということはすごく不便です。だまされたりします。ホームページがあれば、その会社の情報や個人のいいたいことが正確に分かりしかもテレビのCMのように無駄がなくて済みます。

※注1.Aさんが職業訓練を受けている名古屋市総合リハビリテーションセンターの職員のこと。
※注2.重度の脳性麻痺者でよく使われる一種のコミュニケーション支援ツールである。あいうえおの文字をボードに並べただけのものであるが、それを指さしながら、言葉を拾う事で、会話をする。
※注3.目下、ホームページ(http://www.tcp-ip.or.jp/~keizo123/)を製作中です。

(1997年5月30日)

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事例1−2(モニター期間:1997年2月〜8月)

1.モニター応募動機

 現在、名古屋市総合リハビリテーションセンターの更生施設課に入所して、職能開 発課で復職を目標に訓練している状況です。  その職能開発課のパソコン通信講習で、このモニターの話を聞きインターネットに 関心があり、モニターに応募したく理由を書きます。なぜ、インターネットが必要か を、文章で表現します。  交通事故で、言語障害になり会話することができなくなったこと、歩行困難な障害 になり移動がスムーズでなく、今では事故前のように、数多くの情報を得る機会が少 なくなりました。それに言語機能に障害があるので、電話で会話を通して情報を得る ことができません。  パソコン通信講習で、インターネットを学び会話がなくても情報を得ることができ ることを知り、インターネットは自分にとって必要な手段になりえる物であると理解 しました。  また、歩行困難であるうえに、自宅と公共交通機関が使える場所までの距離が遠く 情報を得る場所へ一人では行けず、誰かに頼らなければ、移動して目的地へ行くこと ができない田舎に住んでいます。  それで、家に居ながらインターネットを利用すれば、いろいろな情報を誰にも迷惑 を掛けずに得る手段になるので、このモニターに応募しました。  相手の言うことや、文章は理解できますが、会話が不自由なため、自分の思ってい ることを相手に伝える事が、会話ではなく筆談でしか伝える方法しかないのが現状で す。インターネットを利用すれば、電子メールで言語機能に障害があっても、会話に 替わる手段になるので、インターネットの必要性を感じています。それで、この東海 インターネットワーク協議会に参加できれば、現状を少しでも改善できると思いモニ ターに応募しました。

(1997年1月31日)

2.感想:インターネットモニターに参加して

 自分は言語障害で話しが不自由です。電話で意思を相手に伝え会話を通じ、情報のやり取りができないです。それでインターネットを体験することで、「会話が不要で言葉の代わりに文字がコミュニケーションとして、十分に役立つ点が一番モニターに参加してインターネットを体験できて良かった」と言う感想です。
 また、印象が残ったことは、リハセン職員(注1)に技術の面で大変お世話になったことです。モニターに参加するうえで、サポーターの協力があったからインターネ ットで、具体的に電子メールの送受信が可能になったと思われます。サポート体制がしっかりできてないと、インターネットの体験はできなかったと思います。
 5月末にセンターを退所して、岐阜の自宅に帰ります。モニター体験を生かし、今後もインターネットを続け、ここでの経験をいかせれば、いいと思っています。
 モニターになって、サポーターの協力が得られる体制ができ、パソコン通信に関するいろいろな勉強をできる機会があったことで、モニターになったことを感謝しています。ありがとうございました。

※注1  Bさんが職業訓練を受けている名古屋市総合リハビリテーションセンター職員のこと。

(1997年5月29日)


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