事例2(明正第二作業所、モニター期間:1997年2月〜8月)
(1997年5月末)
「インターネットとパソコンを使ってみて感じたこと」
障害を持つ私たちは、普通の人たちに比べるととても狭い世界で生活をしています。作業所では「どんどん外に出て、たくさんの出会いをして自分の生活圏を広げよう」と、いつも所長さんに言われています。
働いていない私たちは、作業所と家の往復で、病気になってからは友人も少なく、あまり活動的ではありません。障害者になってからは、偏見の目でみられたり、差別も少し経験して、よけいに消極的になりました。人と接するときも、何かに参加するときも、人が自分達をどう思っているかがとても気になるからです。
パソコンを使って、インターネットをしていると、そんなことが気になりませんのでとても楽です。また障害を持っている人、ハンディを持っているに関係なく頑張っている人のページをみると勇気づけられます。
私は「小錦のへや」が大好きです。今まで余り小錦さんは好きではなかったけれど、ページをみて、彼が何を考えて、本当に相撲が好きな人なんだということや、いろいろ分かったので好きになりました。私は現実に、小錦さんと会うことも話をすることもできないけれど、とても親しみを感じます。これも、インターネットがあったからです。私の持つハンディをカバーして、私の生活圏を広げてくれると思います。
そして感想を一言で言うと、現在は「情報化社会」なんだとつくづく感じたと言うことです。それも、みんな積極的に情報を発信していて、積極的にその情報を受け取っているのです。「障害者だから、、、」ということは、こういう機械さえあればあまり関係ないかも知れないということも、強く感じました。
(1997年5月末)