モニターレポート1996
[事例2]明正第二作業所

事例1へ 1998年3月4日掲載 home 


事例2(明正第二作業所、モニター期間:1997年2月〜8月)

  1. モニターの感想(職員より聞き取り)
  2. インターネットとパソコンを使ってみて感じたこと

1.モニターの感想(職員より聞き取り)

  1. 予想外の能動的な変化が作業所全体に起きており、今回のモニターに参加して大変感謝している。既に今年度予算に、インターネット関連経費を計上した。
  2. 作業所に通所している人(精神科に通院中)のほとんどの人が、インターネットは、「オンラインショッピング」と「H画像」という認識だったが、実際に体験する事で、イメージが拡がり、様々な興味が開発されつつある。
  3. 企業が「広告」目的で、ホームページを出すのは、理解できるが、個人がホームページを出す意味が分からない。という声が多かった。小錦の部屋等の有名人ホームページを探索している姿は、さながら、人間ウォッチングの様相を呈していた。
  4. 旅行好きな人が、関連のホームページを探訪し、ますます旅行に行きたくなるが、先立つものがなくて、行けない。一日の作業工賃が、600円という現実が、あらためて浮き彫りになった。
  5. 当初計画したホームページ作りにも、これからチャレンジして行きたい。
  6. 利用者へのさらなる普及を図り、利用者で核となる人材を育成する為に、平日の技術ボランティアを期待したい。

(1997年5月末)

2.ある利用者(39才、発病から13年、作業所利用2年、就労経験なし)の感想

 「インターネットとパソコンを使ってみて感じたこと」

  障害を持つ私たちは、普通の人たちに比べるととても狭い世界で生活をしています。作業所では「どんどん外に出て、たくさんの出会いをして自分の生活圏を広げよう」と、いつも所長さんに言われています。
  働いていない私たちは、作業所と家の往復で、病気になってからは友人も少なく、あまり活動的ではありません。障害者になってからは、偏見の目でみられたり、差別も少し経験して、よけいに消極的になりました。人と接するときも、何かに参加するときも、人が自分達をどう思っているかがとても気になるからです。
  パソコンを使って、インターネットをしていると、そんなことが気になりませんのでとても楽です。また障害を持っている人、ハンディを持っているに関係なく頑張っている人のページをみると勇気づけられます。
  私は「小錦のへや」が大好きです。今まで余り小錦さんは好きではなかったけれど、ページをみて、彼が何を考えて、本当に相撲が好きな人なんだということや、いろいろ分かったので好きになりました。私は現実に、小錦さんと会うことも話をすることもできないけれど、とても親しみを感じます。これも、インターネットがあったからです。私の持つハンディをカバーして、私の生活圏を広げてくれると思います。
  そして感想を一言で言うと、現在は「情報化社会」なんだとつくづく感じたと言うことです。それも、みんな積極的に情報を発信していて、積極的にその情報を受け取っているのです。「障害者だから、、、」ということは、こういう機械さえあればあまり関係ないかも知れないということも、強く感じました。

(1997年5月末)


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